紙ペン(ジャパンプラス株式会社)

 
  1.地球にやさしい製品
 21世紀を迎えてとにかく目につく言葉がいくつかあります。
環境への配慮と言う意味あいで使われる地球にやさしいエコロジーと言ったの言葉です。
 モノに関して何かしらの発言をしている本サイトでもこの環境に配慮した商品、いわゆる地球にやさしいとかエコロジーをうたっているモノを無視する事は、不可能です。
かと言ってもそれほど意識してはいませんが、過去に取り上げた中でも「ボールぺんてる(ぺんてる製)」は再生材料使用と言う事で環境にやさしい商品とされる「エコマーク」の認定商品ですし、「メモパース(コレクト製)」についてもその材料に廃棄時における環境汚染の恐れの少ない材料を使用しています。
この2点以外でも再生材料や再生可能な材料を使用した物品、廃棄時の環境汚染を少なくする材料を使用した物品は沢山あります。
一般に地球にやさしいもしくはエコロジー商品と呼ばれるモノの条件としては、
 1)再生材料のみを利用したいわゆるリサイクル品
 2)再生材料を多く用いる事で地球資源の節約になる品
 3)廃棄時に再生可能な材料を使用した品
 4)処分(焼却等)時に有害物質を出さない(排出基準に適合)品
の4種類があげられそうです。
 そんなモノの中でも身近なものの1つとして、筆記用具があります。
 
  2.再生材料使用筆記具
 「再生プラスチック」を軸やキャップ等に利用したボールペンやシャープペンシルと言うものを見聞きしたり、実際に使われている人もいると思います。
また、間伐材(山林保護のために植林した樹木を定期的に伐採した際に出る木材、住宅用には不適で多くが廃棄物になる)や切断後の半端材の様に用途がほとんど無い材料を軸に、タイヤ等のゴム廃棄物を消しゴムに利用した鉛筆なんてものもあります。
 再生材料と言うと、ペットボトルに関する数々の報道からプラスチック原料のPET樹脂が随分と有名になりましたが、昔からよく知られているのがです。
再生した紙は古紙と呼ばれ、以前からトイレットペーパーや段ボール紙の材料として有名ですが、最近は「古紙混入率○○%」と言う表示の通りノート類や書籍、カタログにも使用されています。
そんなよく知られるを筆記用具に利用できないものかと誰でも考えるところですが、そんな代物が紙ペンと言う名前で存在します。
 
  3.紙ペン
 正直言って、単純と言うか名は体を表わすを地でいった感じの紙ペンと言う名称ですが、シャープペンシル、ノック式ボールペン、キャップ式ボールペン(ボールペンは黒色油性)の3種類が存在します。
ただ、紙ペンとは言ってもその全ての部分を紙を材料とする訳には行かず、ボールペンであれば軸及びキャップ(キャップ式の場合)が紙(紙筒)製に、シャープペンシルについては軸が紙(紙筒)製になっています。
なお、軸とするために紙筒にするのですが、使用している糊も無害な物との事です。
また、ボールペンの芯の部分やペン先、ノックや芯繰り出しの機構部分は紙以外の材料ではありますが、出来る限り再生材料(プラスチック等)で製造されています。
 さて、軸が紙と言う事で気になるのがその耐久性能なんですが、展示会ブースでの説明員の話では「ボールペンであればインキが無くなる迄は大丈夫」と言う事だったので、普通に使っている限りはそれほど問題にする事もなさそうです。
シャープペンシルに関しても大体1年程度は持ちそうです。
私が実際に試させてもらったのはキャップ式のボールペンなのですが、紙という素材がもつ独特の風合いが握っていて心地良い上にもあってか、特に滑り止めが無いにも関わらず、筆記中に軸がつるつる滑って書き難いと言うこともありませんでした。
ただし、素材の関係でコーヒーやお茶をこぼす等して濡れてしまうと軸の耐久性に難が出てしまいますが、これは仕方の無い事でしょう。
 
  4.紙ペンの用途
 ところでこの紙ペンですが、残念ながら一般向けには市販されていません。
この時のメーカーの話では最低受注数が1000本と言う事で、どちらかというと企業等での大量購入を想定しているようです。
ちなみに、この時に聞く事の出来た想定用途は、以下の2つです。
 1)企業のノベルティグッズ
  軸がと言う事で、印刷が容易に行えるので企業用のノベルティグッズとして工場見学者のおみやげ、展示会やショールーム等での配布に適当でしょう。
 2)官公庁に一般企業等での通常利用、来客用に設置する筆記用具
  再生材料の利用と言う事で、導入する事で「環境に配慮」と言うアピールにもなるでしょう。(某公社向けの軸のサンプルを見せてもらいました)
 どちらかというと環境に配慮している事をアピールする媒体の1つとしての利用が頭に浮かんでくるのですが、話を聞きながら別の用途として私の頭に浮かんだがものがあります。
それは、軸をアート媒体に、と言うものです。
これは別にプラスチック軸のペンでも良さそうですが、紙と言う材質はプラスチックよりも絵や模様を描くのに容易な素材です。
ペン軸のアートと言うと軸に蒔絵の描かれた万年筆を思い浮かべる人もいるかも知れませんが、あれは軸に漆や金粉等を使用して描く職人芸ですから同じ事を素人がおいそれと出来るものではありません。
作画技術もさることながら、絵の道具類(絵の具、金粉、筆等)をそろえるだけでも一苦労です。
しかしながら、軸が紙であれば近所の文房具店でも簡単に手に入る色鉛筆やクレヨン、水性カラーペンや水彩絵の具と道具類で簡単に絵を描く事が可能です。
ただ、本体の入手については最低受注数が多いので個人では躊躇してしまいますが、有志数人で購入して分けるとか、幼稚園保育園や子供会等の団体行事に利用する事で比較的容易に入手できるのでは無いかと思います。
この用途だと、100本程度でも注文可能にして欲しいところですが、無理かな?
ただ、玩具メーカー等と連携して趣味のナントカみたいなキットが発売されればまた面白いかもしれませんね。(どうでしょう?>メーカー様)
なお、紙ペンに関しての問い合わせは、
紙ペンURL:http://www.kamipen.jp/
もしくは
ジャパンプラス株式会社(http://www.j-p.co.jp/
へお願いします。
 
(了)

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