メモパース使用記(番外編)


 

1.メモパースバリエーションの登場

 メモパース発売当初からの疑問の1つが「他サイズの情報カード用が果たして登場するか?」と言うものでした。
その時点での携帯用カードケース(パース)の状況は、名刺サイズのものはポケットに入るメモ用紙と言う事で、5×3サイズのものは名刺サイズと同様の用途の加えて『試験の暗記用カード』として推奨されていた事もあって、どちらも幾つか種類がありました。
しかしながら、それを超えるサイズのカード(6×4サイズ等)については市販品は皆無でした。
私自身はカードを中心にしてノートやメモ用紙もB6サイズを基準にしていた事もあって、他のサイズのものはあまり気にはしていませんでした。
しかしながら他サイズの情報カードの利用者からの要望があった模様で、現在情報カードとして流通している6×4サイズと5×3サイズについてのラインナップが発表されました。
この2種類のメモパースを初めて目にしたのは展示会(ISOT2003)でのコレクトブースでしたが、「やっぱり、作ったかぁ」と言うのが正直な感想でした。
なお、私の方では6×4サイズ用及び5×3サイズ用の実物の入手が中々出来ずにいて、取り上げるのが随分と遅くなってしまいました。
ところでB6サイズとか6×4サイズとか5×3サイズとか言ってもよく分からないので、それぞれの寸法を記しておきます。(寸法はコレクト製情報カードのもの)
 B6:長辺182mm短辺128mmの長方形
 6×4:長辺152mm(6インチ)短辺102mm(4インチ)の長方形
 5×3:長辺125mm(5インチ)短辺75mm(3インチ)の長方形
また、以降それぞれのサイズのメモパースについて、B6サイズ用のものを単にB6用、6×4サイズ用のものを6×4用、5×3サイズ用の物を5×3用と記述する事にします。
 

2.B6用と6×4及び5×3用との違い

 6×4用も5×3用もデザインと構造についてはB6用とほぼ同じで、カードの収容枚数も100枚程度と同じです。
色のラインナップはそれぞれ「黒、赤、青」の3色で、B6用とまったく同じです。
もちろん、サイズはそれぞれ異なるわけで、6×4用が長辺166mm短辺116mm、5×3用が長辺142mm短辺28mmとなっており、目安としてはB6用と同じく収納カードより1まわり程度大きくなっています。
ただ、厚みが6×4用も5×3用も28mmとB6用の25mmよりも3mm厚くなっています。
ところで、私がB6用を見慣れていたせいもあるのか6×4用と5×3用のそれぞれにカードを100枚収容した状態は、その厚みがちょっと目立つような違和感を感じました。
また、よくよく見てみるとただ1つだけ違いがありました。
それは、蓋と本体のマチに当たる部分のパターンです。
B6用では単に長辺方向のみの平行線だったのですが、6×4用と5×3用には短辺方向にも、つまり縦横に網目になっていました。
これは強度の問題も絡んでの事と思われますが、このパターン、出来ればB6用にも採用して欲しい気がします。
 

3.それぞれの使い勝手

 6×4用については、B6用とその使い勝手がほとんど変わらない感じです。
理由の1つとしては6×4サイズとB6サイズを比べると1まわりほど6×4サイズが小さい程度なので違和感をあまり感じない事によります。
私の中ではB6サイズにしろ6×4サイズにしろ、どちらかと言うと横長使用と言う概念があるからかもしれません。
なお、6×4サイズは現在の官製葉書より若干大きい程度のサイズ(官製葉書は148mm×100mm)なので、雑誌等に葉書投稿をするいわゆる「葉書職人」や絵手紙を書く等、普段から葉書を持ち歩く機会の多い人の葉書ケースとしても重宝する事でしょう。
 5×3用の場合はその使用にちょっと困りました。
このサイズは短辺の長さが大人の手で軽く掴めるため、B6サイズや6×4サイズより縦長での利用が多いのです。
市販の情報カードでも5×3サイズについては縦長使用を前提にしたものが多くあります。
果たして、5×3用を使用してみると……縦長使用の際には、カードを最大収容量(100枚)入れているとヒジョーに持ちづらい印象を受けました。
また、この際には蓋のカード押さえもちょっと使い難い印象を受けました。
そして縦長で使用していると、ポケットに収納しているカードも落ちやすくなっている印象を受けました。
5×3サイズの情報カードは、手に持った感じが各社で発売されているPDA(携帯型電子情報機器、いわゆる電子手帳)の利用時と似たような感覚なので、メモパースで縦長使用時に違和感を感じるのはちょっと残念です。
縦長使用時には収納カードの枚数を少し減らす(最大でも50枚程度)にするとか、蓋を折り返した際にはクリップや輪ゴム等でポケットからカードが落ちないように止めておく等の工夫も必要になるでしょう。
 

4.B6用の改良

4−1.使用品と現用流通品の違い

 私が使用記を書いた際に参考にしたメモパース(B6用)と現在流通しているそれには、ペンホルダー部分にちょっとした違いが認められます。
つまり、ペンホルダー部分の改良が施されています。
メモパースのペンホルダーは蓋と本体をつなぐマチの部分の内側に半透明シートを貼っている構造ですが、私が最初に使用していたものではこの半透明シートの短辺方向が少々短くて、普段使用しているペン(ぺんてる株式会社製ボールPentel)では利用出来ない(中に入らない、入っても取り出せない)と言う不満がありました。
しかしながら現在流通している製品ではこの長さが長くなり、この不満が『ほぼ』解消されています。
『ほぼ』と言う理由には、そもそもこの種のペンホルダーではキャップ式のペン(万年筆や水性ボールペン等)では使い難さを感じているからなのですが、ノック式のペンでは問題無く利用出来ます。
しかしながら、この半透明シートの長さの変更にはペン収納以外にもう1つ秘密がありました。
私が最初に使用した製品ではこの長さが短い事で、ふたを折り返した際にマチの部分がきれいに折りかえらずふたとマチの部分、そして本体とマチの部分のみが折れ曲がる事になり、この2ヶ所にばかり負担がかかっていました。
言葉だけだと分かり難いかもしれませんが、単行本や百科辞典の表紙を裏表紙につけるように折り曲げてみると、ほとんど同じような格好になります。
この状態を何度も続けているとその部分の破断が発生します。
ちなみに、私の使用していた物は半年もたずに破断が発生しました。
しかしながら現在流通している製品で同じ事をすると、マチ全体が扇型にキレイに折れ曲がるので負担が分散され、ペンホルダーの透明シートの長さの変更と言う改良がこの問題がほぼ解決しています。
 

4−2.InfoMateブランド

 ここでちょっと宣伝じみた話(メーカーから頼まれてはいませんが)になりますが、このメモパースの登場で1つのブランドが誕生しました。
InfoMateと言うブランドです。
これを書いている時点では、このブランドはメモパースにのみ使用されている様ですが、情報整理の助けとなるさまざまな商品として育って欲しいブランドです。
 

5.終わりに(情報カードは無くならないのか)

 21世紀を迎えた今、紙の情報カードに関してはその利用に関して他のものへの置き替え、いわゆる電子化によるデジタルデータへの移転と言う状態が進み存在そのものに疑問をなげかける人もいるようです。
実際に情報カードを摸したツールもいくつも登場しています。
しかしながら、野外活動中(どこにでもあると思うなコンセント)や電子化前の素データにはこちらの方が利用の点ではまだまだ勝手が良いのは事実です。
私もこの「何でも使用記」を初めとする各コンテンツの素データの部分では情報カードを活用しています。
ただし『知的生産』とか『情報整理』と称するには程遠い野暮でダサイ使い方ではありますが。
電子データによる情報整理や管理の時代になってきてはいますが、まだまだ侮れないのが情報カード及びそれを補助するツール達です。
まだまだ、進化や復活する余地のある物ですよ。
 蛇足ですが、パソコンなどのデータベースがいま1つ分からない、と言う場合に情報カード+インデックスカード+メモパースの組み合わせで簡単なデータベースのシミュレーションが可能です。
お試しください。
 

(了)

 

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