OpenOffice.org1.1.0

 
(お断り:本文書は、某所で日本語版OpenOffice.org1.1.0を「オープンソフトのワープロ及び表計算ソフト」として紹介した際の内容を基に作成しました)
 
 オフィスソフト
 ワープロソフトと表計算ソフトに幾つかのソフトを1つのパッケージにまとめた「オフィスソフト」と呼ばれる物があります。
このオフィスソフト、現在はパソコンへ”おまけ”としてインストールされてる事の多いマイクロソフト社製のMS−Officeシリーズ(通称「オフィス○○」等と称される、以後MSオフィスと記述)のシェアが1番の様です。
しかしながら、このオフィスソフトはMSオフィスだけではありません。
 
 OpenOfice.orgと言う選択
 現在、オフィスソフトと呼ばれる物は幾つも存在し、市販されています。
比較的有名な物は、IBMの「LotusSuperOffice(ロータススーパーオフィス)」や株式会社ジャストシステムのワープロソフト「一太郎」を核にした製品でしょう。
 また、これらとは違い市販されていない状態で存在するものがあります。
こう言うと海賊版等のように怪しい物?と思われそうですが、そうではありません。
「無償で提供」されている物で、インターネット利用によるダウンロードや雑誌の付録や”それ”を扱った書籍を購入する等と言う形で入手出来ます。
それが「OpenOffice.org(オープンオフィスドットオルグ)」です。
(名称が長いので、以後は関係ホームページ等で使われる略称の「OOo」と記述する) なお、言い忘れましたがここで名前を出したものは全てMSオフィスのファイルの読み書きが可能です。
 
 OOoの特徴
 OOoの特徴は大きなものが4つあります。
 1つ目は「オープンソース」と言う事です。
 オープンソースって何だろう?
くれぐれも、お近くのスーパーマーケットやデパートの食料品売場等で「オープンソースってありませんか?」と店員に聞かないようにお願いします。
ウスターとか中濃とかのソースではありませんから。
ここで言うソースとは、「プログラムの中身」の事です。
この「プログラムの中身」を公開している、つまりソースをにオープンにしているのでオープンソースなのです。
オープンソースそのものの定義は細かい話が色々とあるのでここでは省略しますが、「プログラムの中身が公開されているソフト」と覚えておいて下さい。
 2つ目は「無償提供されている」と言う事です。
つまり、「ソフトそのもの」にお金を払って購入する必要は無い、と言う事です。
また、配布も自由です。
実は、オープンソースと言う状態が無償提供とつながっているのですが……。
 3つ目は「多くの環境(OS)に対応している」と言う事です。
 マイクロソフト社製の各種Windows(Windows98以降)とLinuxに対応しております。
なお、一部のLinuxではOOoがおまけとしてついて来ます。
また、アップルコンピュータ製マッキントッシュシリーズ対応の物も存在しています。
ただし、私自身マッキントッシュシリーズは所有していないので、動作確認はしていませんが。
 4つ目は「PDFファイル出力が標準で可能」と言う事です。
最近の企業における文書の電子化作業で採用されているファイル形式にPDF形式と言う物ががあるのですが、その作成には専用のソフトで行うのが普通です。
しかしながら、OOoを使えば作成した文書をそのままPDF形式で出力可能ですから、そんな専用ソフトも不要になります。
 
 OOoの構成
 OOoのソフトは主に4つの機能(構成)があります。
「ワープロ(Write)」「表計算(calc)」「プレゼンテーション(impress)」「図形線画(draw)」です。
これは、店頭などで販売されている市販のオフィスソフトの構成とほぼ同じものです。
また、これに付随して数式を書くための数式エディタ、ホームページ作成ソフトと言った物が存在します。
「ワープロ」や「表計算」は特に説明の必要も無いでしょうから省略します。
「プレゼンテーション」はプレゼンテーションで使う電子スライドの作成や動作させるためのソフトです。
講演等で発表者が、スクリーンに表示させた絵をパソコンを使用して操作しているのを見た事がある方が居るかと思いますが、それが出来る物です。
「パワーポイント(マイクロソフト社製のプレゼンテーションソフト)みたいな物」と言った方が分かり易いでしょうか。
「図形線画」これは簡単な図面や絵を書くためのグラフィックソフトです。
 
 MSオフィスとの比較
 ここ数年、MSオフィスをおまけにしたパソコンが多い事もあってこれをそのまま使っている方は多いか思います。
そんなMSオフィスの最新版であるOffice2003の中で1番廉価な「パーソナルエディション」とOOoとを4つの点での比較をしてみたいと思います。(以後は特に断りの無い限りこのパーソナルエディションをオフィス2003と記述します)
 
 OOoの優位点
 1つ目は「価格」の話です。
新規に導入する場合、オフィス2003は最低でも「4万5千円」前後かかります。
旧バージョンを持っていればアップグレードで安く購入出来ますが、それでも「2万円」前後します。
対するOOoは無償で提供されていますから「0円」です。
また、オフィス2003ではパソコン1台につき1パッケージの使用が原則ですから、使用台数分のパッケージが必要です。
(複数利用の際には使用ライセンスのみの購入が出来るようになりましたから、この場合だと1台辺りのライセンスがパッケージ購入よりも若干安くなります) 対してOOoはライセンスの制限は一切ありません。
1度入手した1つのソフトを何台のパソコンで使おうとも自由です。
 2つ目は「アプリケーションの構成」です。
オフィス2003は「スケジュール管理+ワープ+表計算」の3種類なのに対してOOoは前にもあげた通り「ワープロ+表計算+プレゼンテーション+線画」の4種類です。
オフィス2003のシリーズにもプレゼンテーションソフト(パワーポイント)を加えたバージョン(スタンダードエディション)がありますが、新規購入で5万円以上します。
OOoがあれば書類作成から見積り、そしてプレゼンテーションが可能です。
 3つ目は「動作環境(OS)」です。
オフィス2003はマイクロソフト社製Windowsの2000とXpのみに対応しているのに対して、OOoは同社のWindows98以降のものに対応しています。
ですから、OOoを導入するために新型のパソコンを購入する必要は無く、廃棄処分を考えていた(かもしれない)5〜6年前に購入したパソコンの利用も可能です。
また、OOoはLinuxにも対応していますから、最近増えつつあるWindowsとLinuxが混在した職場でもソフトや文書ファイルの統一が可能です。
 4つ目は「PDF形式ファイル出力機能」です。
オフィス2003は作成した文書等をPDF形式のファイルの保存は出来ません。
PDFファイルの作成専用のソフトを別途用意する必要があります。
対してOOoは作成した文書等をPDF形式で保存可能ですから、専用ソフトは不要です。
 OOoの欠点
 無償提供とは思えない高機能なOOoですが、欠点もあります。
 まず、ユーザーサポートの問題です。
(これは、オープンソースのソフトでの共通する問題ですが) オフィス2003ですとメーカーサポートを有償無償は別にして受けられます。
しかしながら、OOoにはそれが期待出来ません。
ただし、この場合の助け船が存在しています。
それは、OOoと同等の物を「有償で購入」する、と言う方法です。
OOoはサン(Sunmycrosystems)と言う会社が現在製造(日本での発売は株式会社ソースネクスト)しているスタースイート(StarSuite)と言うオフィスソフトとほぼ同じ物です。
OOoと比べるとデータベースソフトの追加等の機能強化が行われていますが、「ワープロ」「表計算」「プレゼンターション」「図形線画」等の部分は同じです。
ですから、このStarSuiteを購入すればメーカーサポートが受けられます。
なお、製品は1ユーザー5ライセンス版(1人が5台迄のパソコンで利用可能)で1万円前後の物と1ユーザー1ライセンス版(1年間の使用期限付)で2千円程度の物の2種類があります。
 次に、インストール作業の手間です。
これを欠点と言う事が問題かもしれませんが、MSオフィスはパソコンにインストールされている事が最近は多くなっています。
また、それ以外にも多くのソフトがインストールされていて「買ったらそのまま使える」事を売りにしたパソコンも多いため、「ソフトをインストールする」と言う事を行った経験の無いユーザーも居るかと思います。
ところが、OOoをインストールして販売されているパソコンはほとんど無いので、インストール作業が必要になります。
本来、インストール作業はどんなソフトでも新たに導入する場合は必要なのですが。
 それから、日本語対応に関するものです。
これは、半角片仮名の表示が正常に行なわれない現象いわゆる文字化けが稀に発生する、と言う事です。
但し、最近では半角片仮名の使用はインターネット上での使用も推奨されていませんから、半角片仮名そのものを使用しないようにするべきでしょう。
 最後にMSオフィスとのファイルの互換性です。
先に述べた通り、OOo(に限らず他社のオフィスソフト)ではMSオフィスのファイルの読み書きが可能になっており、オフィス2003の1つ前のMSオフィス(OfficeXPシリーズ)のファイルの読み書きが可能です。
ただし、MSオフィス独自の機能(マクロ等)を利用したファイルの”完全”な読み書きは出来ません。
とは言え、簡単なワープロ文書や四則演算程度のワークシート(表計算ソフトのファイル)であれば、ほぼ問題無く読み書きは可能ですから、問題になる事は希だと思われます。
 
なお、OOoに関する情報は、以下のサイトを御覧ください。
 OpenOffice.org日本ユーザー会
http://oooug.jp/
 OpenOffice.orgの入り口
http://oooug.jp/start/
 
(了)

戻る