なんでも使用記(デスクトップSeton Notes編)

1.はじめに

 1.1)PalmOS搭載機でぶちあたった問題

 私自身、PalmOS搭載機(以後PalmOS機と表記)の導入後にぶち当った問題の1つにフ
ァイルの扱いがあります。
Palm機で文章を作成する際に使用されるアプリケーションは、標準搭載のメモ帳及びDOC形
式(Wordの標準ファイルのDOC形式ファイルとは別物のPalm機独自のテキスト形式)の
ファイルを扱うDOCエディタと呼ばれるソフトですが、メモ帳では2KBを越えるサイズのファ
イルの作成は出来ませんし、そのサイズ制限を受けないDOC形式のファイルは変換ソフトを使用
しないとパソコンでは使用出来ない状態です。
ですからSetonNotesを入手したお蔭で、この問題がほとんど解決しました。
そのSetonNotesですが、Palm機のアプリケーションソフトとして販売されているも
のの、パッケージにはPalm機版と共にHotSyncで同期が可能なパソコン版が「デスクト
ップSetonNotes」として添付されています。
これからこのデスクトップSetonNotesの話を進めて行きたいと思います。
 
2.デスクトップSetonNote  2.1)特徴  デスクトップSetonNotesの特徴的な機能としては、HotSync時にPalm機と のデータの同期が行なわれる(設定によってはどちらかの内容に上書き可能)事がありますが、 これを起動させて内容確認をしているうちにこれの単体での能カは果たしてどの程度のものである のか気になったので試しに単体のアプリケーションとして使用してみる事にしました。 基本的にはPalm機版と同等の機能を備えたデスクトップSetonNotesですが、大きな 違いはPalm機と違って画面に複数のアウトラインをウインドウ表示させた状態での編集作業が 可能です。 また、Palm機と同期させたり作成した項目について、見出し+本文の型で単独のファイルとし て保存(エクスポート操作)が可能です。 ちなみに、このエクスポート操作は見出し単位で行なえます。 また、この時に作成されるファイルの形式は文字ファイルとして定番とも言うべきテキスト形式と ホームページに使用されているHTML形式の2種類が用意されています。  
3.使用感  3.1)単体での使用  デスクトップSetonNotesを単体のソフトとしてとらえた場合もPalm版同様にアウ トラインプロッセッサとして考えていくのが適当です。 ただしソフトのインストーラーがPalmDesktopの存在を確認する仕様となっているので、 PalmDesktopのバージョンが古い(3.1末満)とかPalmDesktopがインス トールされていない時には、インストーラーが動作を中止してしまいます。 また、インストールが完了しても起動してシリアルナンバーを登録しないとインストール後は試用 期間中とみなされて、一定期間(2週間)終了後にはシリアルナンバーを登録しないと動作させら れなくなります。 さて、インストールも無事に終了して実際に使用してみる事にします。 デスクトップSetonNotesを起動するとまずタイトル一覧が表示されます。 これは、Palm版におけるインセプションモードに相当します。 そして新規作成の際には新規作成アイコンを、すでにあるものの編集をするにはそのタイトルをク リックします。 すると、別ウインドウでそのタイトルに対するアウトラインのツリー構造そのウインドウの左半分 に表示されます。 そのアウトラインの見出しをクリックすると、ウインドウの右半分にその見出しに対するメモ欄が 表示され見出しに関する文を作成したり編集が可能です。 Palm版との機能名称を対比させると、このウインドウの左半分がアウトラインモード、右半分 がセットオンモードに相当します。 この右半分のメモ欄(セットオンモード部分)ですが、一通りの編集機能(Windows付属の メモ帳並)は備えているのでパソコンで文章を書く際にテキストエディタを普段から使用している 私としては、特に違和感は感じる事無く使用できました。 この編集時には任意で文字サイズやフォントの指定(Windowsの標準機能とも言えますが) が行えますので、自分の見やすい大きさや好きなフォントを使用する事が出来ます。 また、見出しに関する部分が別にファイルとして保存(タイトルを指定すれば全文が、見出しを指 定すれば見出しに関する部分)が出来る(エクスポート機能)ので、ワープロソフト等で文書の加 工をするのであればその様にすればよいのです。  先にも述べましたが、このファイル保存は、文字情報のみを網羅したテキスト形式とweb上の ホームページと同じ形式であるHTML形式での保存も可能ですから、日記等のちょっとした文章 を作成してweb上に公開するには中々使利な機能です。 3.2)Palm機との連係  Palm機との連係ですが、HotSyncを行なった際に内蔵スケジューラ等と一緒に同期が 取られるので、定期的にHotSyncさえ行なっていれば不慮のトラブルでPalm機をフルリ セットにした場合とかでもそれほど問題は発生しません。 また、デスクトップSetonNotesにおいてはPalm機版よりも長文の入力や編集の作業 がはるかに楽ですから、通勤途中や外出先等でアウトラインをPalm機で作成して、その中身(文 章)はデスクトップSetonNotesで作成する、と言うのが無理の無い連係でしょう。 また、講演等のレジメをデスクトップSetonNotesで作成してそれをPalm機で使用す る、講演用のラップデスクにPalm機をおいて講演する、なんて言うのも面白い使い方でしょう。  最近はPalm機用キーボードやパソコン用キーボード用アタッチメントも幾つか登場している のでPalm機上での長文入力環境もととのってきていますが、画面サイズやPalmOSの仕様 等の問題から長文入力に適した機器とは言い難いので、デスクトップSetonNotesでの入 力の方が万人向けと言えるでしょう。  
4.雑感〜おわりに〜  これまでSetonNotesをPalm機用のSetonNotesとパソコン用(デスクト ップSetonNotes)と2つのアプリケーションソフトとして見て来ました。 (繰り返しの様にになってしまいますが)パッケージ版としてはあくまでもPalm機用のアプリ ケーションソフトである、と主張している格好ですが、実際に使用してみると、アウトラインプロ セッサそのものは決して難しい機能を必要としない事も有って、それぞれを単独使用しても十分実 用に値する物と言う印象を受けました。 そして、データの連携とテキスト&HTML形式と言う2種類の形式でのエクスポート機能を考え ると、観戦記や紀行文等を書く方やそれらをホームページに公開している方には力を発揮するアプ リケーションソフトであると考えられます。 また、最近は事例発表等のプレゼンテーションを行う機会が個人でも増えている事から、そんな場 面でPalm機を活用するのであれば最適な物と言えるでしょう。 なお、デスクトップSetonNotesではPalm版と違って若干見え難いのですが、京大式 カードや3×5カード等のカード+インデックス+カードケースと言った道具をほうふつとさせる 部分がありますので、アウトライン構成のためのみと使用を限定することなく色々な場面において 使用できます。 Palm機を所有している方のほとんどの人にとっては「買い」と言えるソフトウェアです。  開発元の有限会社アーキタンプのホームページ   http://www.architump.com/japanese/index.htm  発売・販売元の株式会社オルジェのホームページ(ここでの購入も可能)   http://www.pdaseek.com/    
(−了−)


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