独占欲
そもそも自分に『独占欲』なんてモンがあるとは思いもせんかった。
何でって、そんなこと分かるはずもない。
ただ、
「以外と冷めとんのやな」
…なんてコトを悪友に言われたことを憶えとる。
最初に付き合っとったオンナは何や鬱陶しいヤツやった。
「付き合って」なんて言って来られるのは嫌いやない。別に付き合ったら結婚せなアカンっちゅーワケでもないんやし、人と付き合うことは悪いことやない。その頃オレはそう思っとった。
ただ、付き合い出してから最初の…夏…(あぁ、そうや夏やった。えらい暑かったんを憶えとる)オカンが体調を崩して入院してもぅた。
オヤジも忙しい身や、できることなんて僅かしかない。その点オレは学生やし、何より夏休みやったから…当然のようにオカンの代わりに慣れない家事(?)をした。見兼ねた和葉も手伝いによぅ来てくれとった。
そんな事情を、オンナに話した。
「平次も大変なんやなぁ… 折角の夏休みに一緒に遊べんのはつまらんけどしゃあないね。ホンマは毎日でも逢いたいんやけど我慢するわ」
…なんて、何とも良く出来たコメントをしてくれたオンナは…
こっちが忙しい言っとんのに毎日電話をかけてきよる。
その上「寂しい」などとほざく。
アタマにきた。そら、オレも悪いとは思うけど、ハッキリ言ってウザイ…
友達に話したらオレの考えの方が変やと言いよった。
そして、そのオンナとは別れた。
付き合い始めたんは6月の終わりで、別れたんは8月半ばやった。
2人目のオンナは元気なヤツやった。
何やイキオイで付き合い始めた様な節がある。たしか体育祭の実行委員かなんかで一緒になったのがきっかけで、やっぱりむこうからの告白やった。
友達からは散々「羨ましい」を連呼されたのを憶えとる。えらい男に人気のある子やった。
そいつは前のオンナと違ってマメに電話してくる訳でもなく、たまに日曜に二人で遊びに行ったりするだけやった。
本当のトコロ、電話はあまりスキやない。顔を見て話さんとなんとなくイヤらしい。
せやからオレは付き合いやすいオンナやと思った。
でも、そない思うとったんはオレだけやった。
付き合って1ヶ月ぐらいして「ホンマはウチのこと嫌いなんやろ?」と泣かれて、そのまま別れてしもた。
オレの方から電話をせんやったんが不満やったらしい。
それならそう言やえぇのに…。
3人目のオンナは駆出された合コンで知り合った近所のお嬢様学校のオンナやった。
お嬢様学校などと言っとき乍ら、揃いも揃ってガングロのコギャルばっかりやった。
オレは化粧臭いオンナと平気で煙草をふかすオンナは嫌いやったから、自己紹介が終わると便所に行く振りをして帰った。そしたら一人、オレの後をついてきよった。
何やわからんけどなし崩しにそのまま付き合うことになった。
コイツは最初のオンナと2番目のオンナを足して2で割った様な奴やった。
自分では上手くいっとったと思っとったんやけど、やっぱり上手くいってなかった。
人伝いに他にもオトコがおると聞いた。別に鶏冠に来た訳でもなく、ただ面倒臭くなったから別れようと言った。そしたらそのオンナは眼に涙を浮かべて「平次はウチが他の男とも付き合っとるって聞いても全然平気なんやね」と笑った。
後から知ったんやけど、二股の話はそのオンナ自身が流したデマやった。
そして、それを聞いたヤツが言ったんが
「以外と冷めとんのやな」
自分でも冷めとるっちゅうのは自覚した。
それなのに…や、
何でコト工藤のコトになったらこんな気持ちになるんやろう。
いつでも逢いたくて、いつでも声が聞きたくて…
これじゃ自分、ただの阿呆や。
今やったらあのオンナ等の気持ちが痛い程よく分かる。
自分とだけ逢って欲しくて、自分以外の人とは喋って欲しくなくて、いつでも自分のコトだけを考えていて欲しい。
我侭や… 我侭すぎる。
自分のコトは棚に上げといて、ようもまぁこんなコトが考えられたもんや…と、自分でも思う。…ケド、
この気持ちはどうしようもならん。
あぁ、神様。
どうか工藤が昔のオレみたいな考え方をするヤツじゃありませんように。
何でかって、昔のオレみたいな考え方をされてもぅたら、お別れやん?
そう思い乍らオレは、一路東京を目指した。
何を隠そう明日は開校記念日なのだ。
END
またアホな小説を書いてしまいました(反省中)今スランプなんですよ(><)文章おかしくても見逃して下さい(T_T)つーか、何かアップしないと来てくれてる皆さんに申し訳ないし(T_T)…で、この話って結局ナニ?みたいな(痛)
因に回想(?)の女の子3人はまんま男に置き換えるとうさぎの元カレ達の一部です。
ウザかったんです(T_T)本当に。そんで女友達に散々「変」だの「冷めてる」だの言われたのを憶えてます。…過去のコト過去のコト!!ドンマイ、自分!!!