風邪引きの特権
「へっくしょん!」
「ったく、馬鹿かお前は!!」
いつもの様に服部が東京に遊びに来た。
オレ達にしては珍しく、遊ぶ予定なんか立ててみたりして。
……それなのに!!
「いっくし!」
…どうしてコイツは風邪なんか引いてやがるんだよ!!
「風邪引いてんならわざわざ来るなよな」
電話一本寄越せばそれで良かったのに。
「ぢゃうわ… ぐるばえばでんでんげんごhぞのぼのやっだんや…ごないだっだんはどうぎょーぎでがだや…」
「何言ってんのかさっぱりわかんねーよ」
顔を真っ赤にして、物凄い濁声で、必死になって言い訳しているコイツは、きっと正真正銘のバカだと思う。
「あ゛〜 でも、ごhじでぐどhにがんびょhじでぼだえでゅだんて、めっぢゃじあわぜぼんやな、オデ…」
「言ってろ、バーロォ」
今度はヘラヘラと笑い出した服部に向かってタオルを投げ付けてやった。「だにずんねん」なんて言ってるくせに顔はやたらと上機嫌といったカンジで、ますますバカっぽさに磨きがかかっている。
……それでも、このバカのコトを好きになってしまったのは紛れもない事実であって…。
あ〜あ…
折角の晴れた日曜日が勿体無い。
……とは思うけど、何故だかオレはうきうきしながら服部の為に氷嚢を作ってやるのであった。
おしまい
そんなワケで風邪ネタ三部作のうちの一つ、新×平でゴザイマス。(先に続き物終わらせろっつーの)実は最初はコナンが風邪を引くコ平モノにする予定だったんですが、出来上がると何故か新×平で、しかも平次が風邪引いていて…(謎)