サービス残業は許されるのか


●質問---------------------------

 「我が社では一定時間以上の残業をしても、それに対して残業代が支払われません。いわゆるサービス残業です。これは法的に許されることなのでしょうか」


●答え---------------------------

 会社の指示で社員が残業した場合、会社は残業代を支払わなければなりません。残業をしたのに残業代が支払われない「サービス残業」は違法です。

 ただし労働基準法の38条には例外も定められているので、注意しなければなりません。例外となる場合の1つは、裁量労働制が採用されている場合。そしてもう1つは社外で仕事を行なったため、その労働時間を算定することが難しい場合です。たとえば外回りの多い営業職などが、この後者に該当すると言えるでしょう。

 しかし普通は残業を行なえば、その分の残業代を受け取る権利が生じます。ただし残業代の算出方法は場合によって異なりますので、やはり注意しなければなりません。

 たとえばあなたの会社が1日あたり実働7時間で、週休2日制だとしましよう。この場合は毎日1時間づつの残業を強制されても、1日あたりの実働時間は8時間。1週間でも40時間を超えません。このような残業に関しても、もちろん残業代は支払われます。ただし1時間あたりの残業代は、通常の勤務時間内の時給に相当する額と同じで構いません。

 1日あたり8時間、1週間あたり40時間を超える労働(これを「時間外労働」と言います)を行なった場合は、時間外賃金(割増し賃金)が支払われます。1時間あたりの時間外賃金は、通常の時給に相当する額の2割5分増し以上でなければなりません。ある人の賃金が、1時間あたり1000円だと仮定しましょう。その人に対する時間外賃金は、最低でも1250円以上でなければ違法です。

 しかも午後10時から午前5時までの深夜労働に対しては、通常の時給に対して2割5分増し以上の深夜賃金を支払わなければなりません。1日に8時間以上の勤務をした人が深夜に残業を行なった場合は、時間外賃金と深夜賃金の割増し分とが重複して適用されます。すなわち時間外賃金が2割5分増し以上で深夜賃金も2割5分増し以上ですから、会社は普段の時給の5割増し以上の賃金を支払わなければなりません。



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