7月26日

朝7時頃起床。外はいきなりやる気をなくす雨である。昨日は霧だったが今日は本当に雨である。8時過ぎに出発する。とりあえず知床峠を越え、ウトロを目指すのだが、青看板にはウトロまで28キロとか書いてある。地図ではすぐなのだが。北海道のツーリングマップルは他の地域のと全然縮尺が違うことを思い知った。にしても約30キロ、高野龍神の4分の3のキョリのワインディングを雨の中走るのはブルーになる。が、実際走って見ると地図で見るほどタイトな道ではなくて無事知床峠にたどり着けた。が、知床峠は視界30メートルもないくらい。晴れてたら羅臼岳や国後島がキレイらしいがこんな寒いところで休む理由などないのでそのまま通過。雨の下りやだなぁと恐る恐る降りてたら急に視界が広がり眼下に青いオホーツク海が広がる。路面も乾き、太陽が眩しくて暑い。自分の気持ちと連動するようにスロットルをワイドオープン。ウトロ側はキレイな高速コーナーだ。下りだけど凄く楽しい。オホーツク海の上は見渡す限りは晴れている。今日は楽しい日になりそうだ。とりあえず、昨日一日で無くなってしまったチェーンの油分を補給し、再び羅臼方面に向かい、途中の分岐から知床五湖を目指す。知床五湖までの道はややタイトなアップダウンだけど150キロくらい出るストレートもあって楽しめる。久々にはじっこまで使っていい気分だ。知床五湖で昨日白樺であった静岡のSteedのお姐さん(わたべさん)にあう。やっぱりこっちがわの意外な天気のよさに驚いてはった。自分はこのままオフロードを走って”カムイワッカ湯の滝”を目指し、わたべさんはアメリカンでオフはキツイってことで斜里のほうへ向かった。

上左 知床自然公園駐車場で。

上右 知床五湖

左 羅臼岳と俺

  羅臼岳てっぺんは雲かかってる。

 

カムイワッカ湯の滝までは定期バスも出てるのに何故かオフロード。でかいバイクでのオフロードはやっぱキツイ。足は取られる取られるし、滑る滑る。40キロ出すのがやっと。抜いてゆく車には容赦なく土埃かけられて体中土だらけである。カムイワッカは思った以上に有名なようでなんか普通の人ばかりでどうも観光地っぽくて好きくない印象だった。水着なんて持ってなかったのでパンツのまま入ってやった。駐車場から湯の滝までは10分くらい沢登りなので駐車場で“わらじ“を貸し出してる。試しに使ってみたけど凄いハイグリップで濡れた苔でも全く滑らない。原始的な履物のくせに素晴らしいグリップ力。500円のカチは有ったと思った。にしても人ばかりで全然秘湯でなかった。

カムイワッカの駐輪場は当然土なんで、しかも前向きに突っ込むように止めてしまったので出すのに苦労する。重すぎて全く引き出せない。いくら踏ん張っても俺の体重(?)じゃ足が空回りするのみ。そしたら隣にいたZZR1100の兄ちゃん(白樺で会った埼玉の方。)が手伝ってくれて無事抜け出せた。有難うございました!!

手前より”白樺”であった埼玉の兄ちゃんのZZR1100、俺の

RF900R、途中で俺を抜いてった900ニンジャ、途中で抜い

たストマジ110。このストマジ、自作の木製荷台に荷物満載

且つなんと2ケツで走ってた。一番奥が貸しワラジ屋。けっ

こう坂になってて出すのに苦労した。

湯の滝。こんな中を10分ほどワラジで登る。流れてるのは

いい湯加減のお湯。けっこう酸性。

林道をこんなバイクで走るのはつらすぎる。にしてもいい天

気で暑かった。

もと来た道を戻るのだが11キロもあるオフロード。せっかく洗った身体はまた土だらけになってしまう。ウトロのセイコーマートでそばとコーヒー朝食兼昼食。ここでも白樺で会ったDT230LANZAの兄ちゃんとあう。朝5時に白樺を出たそうでやはりウトロ側の天気のよさに驚いてはった。ウトロから斜里までの道は海が大人しいオホーツク海か荒々しい太平洋かの違いだけで四国の国道55号線の室戸までとそっくりな雰囲気にビックリする。斜里市街(?)に入ってからはひたすら真っ直ぐな道。涛沸湖って湖で記念撮影。

涛沸湖。大湿原。馬がたくさんいる。道路はさんで対岸に

原生花園。

すでに曇り空。

網走市内を抜けると網走まで331キロとかいう青看板がある。けっこう遠そうだとは思ってたけどこれほどまでとは思わなかった。真っ直ぐな道を130〜140くらいで走ってたら見覚えのあるスティードを抜く。同じ車線のなかでスレスレを抜いてしまう。最悪な抜き方だ・・・。とりあえず、ノトロ湖のパーキングで待ってみる。直管の派手な音出してはるのですぐわかる。やっぱり白樺で会って知床で会った静岡のわたべさんである。とりあえずあやまっとくが全然気にしてはらなさそう。自分だったら頭来て絶対抜き返すところだが抜かれ慣れてるのかな。サロマ湖まで行く途中に地図落としてて、サロマ湖から戻ってから探している途中だそう。すごい偶然な出会いだ。記念撮影してサロマ湖にホタテを食いに行くことにする。俺はパッキングが激しくずれてたので直してたので、が先に出て俺が追っかけることにする。女の子を待たしちゃ悪いな、とか考えて(出発に手間取ってるのがアホだと思ったけど、)ちと飛ばす。170くらい出してたかもしれん。拍子抜けするくらいすぐに道の駅サロマ湖に着くけどサンダーエースと400刀がいるだけでお姐さんはいない。10分くらいして到着される。違う道を行きしな通ってたのでそちらを探してたそう。結局見つからなかったそうだ。ホタテを食う。焼いたのも生のも200円で2つついてくる。生のはまだ動いている新鮮さだ。すごく美味しい。貝なんて最も嫌いな食べ物だけど見直す美味しさだった。わたべさんはこれから戻って屈斜路湖に向かうそう。俺はひたすら北上して稚内目指すつもりなのでここでお別れとなる。

ノトロ湖と俺。

後が写真撮っていただいたわたべさんのスティード。

再びだいたい真っ直ぐな国道238を稚内に向けて走る。あまりに真っ直ぐなので途中で238号線が折れてるのに気づかず違う道走ってしまうけど難なく国道に戻る。紋別市に入った頃から雲行きが怪しくなる。紋別市の常滑町5ってところのセブンイレブンで休憩する。そこに入ってきたライダー(VTR1000Fの男性とCBR600Fの女性)が俺のカッコ(革ジャン)みて驚いたように”晴れてたの”とか聞かれる。北から降りて来てるそうだがここまでひたすら大雨だったそう。たしかに2人ともカッパだ。カッパ着たほうがいいのかなとかコーヒー飲みながら考えてたら降ってきた。すぐ止む空模様ではない。速攻で着替えて出発する。だんだん暗くなってきたので寝れそうなところを探す。興部町の”道の駅おこっぺ”を考えるが、商店街の真中でなんかイヤなのでやめる。またまた真っ直ぐな道を走り始める。街灯もない人家も施設も何もない道。昼間はたくさんすれ違うバイクも全くすれ違わない。紋別のセブンイレブンの2人組が最後だ。それどころか車も5分に一度すれ違うか追い抜かれるかである。1つだけのライトが近づいてきて”バイクだ!”と嬉しくて両手上げて派手なピースサインしてみたら片目の車だったりして空しかったりする。見渡す限り光ってるのはヘッドライトに照らされた地面と雨粒、それにメーターの照明のみ。あとは真っ暗闇。晴れた昼間なら緑の牧場と青いオホーツク海が見渡す限り広がる中圧倒的なスピードで駆け抜けれるんだろうな。とか考えて悲しくなるけど、考え方変えるとこんな時間こんなトコこんな天気で走ってるのは俺くらいだろうとか考えるとけっこう貴重な体験をしてる気もする。30キロに1個小さな集落がある以外何もないところだ。鉄道さえ10年以上昔に無くなってしまった地方。何かトラブル起きたら凍死(おおげさ)するかもしれん雰囲気が漂う。そりゃ誰もバイクでなんか走りたがらないわな。ひたすら3000rpm、70キロ弱で走りつづける。たまにある水溜りに突っ込むと一瞬でスピードがガクッと落ちる。けっこう深い水溜りが出来てるっぽい。これにハンドル取られたりしたら大変だ。轍と轍の間をできるだけ外さないように走る。いくら走っても雨粒しか見えない。いろいろな感覚が麻痺しそうだ。でも、少しずつ減ってゆく青看板の稚内までのキョリが日本最北端にむかって進んでいる事を教えてくれる。

道の駅マリーンアイランド岡島ってトコで泊まろうかと止まるが自販機とトイレしか開いてない。食べ物がない。わざわざこんなところでひもじい思いするなら雨の中走るを選ぶ。ホットココアを飲んですぐ出発。すぐに枝幸町内に入りセイコーマートがある。いくら寂れてるとはいえ30キロに一回ある集落には確実にセイコーマートが24時間営業である。それだけがありがたい。野宿する場所には食べ物を売ってるトコはなさそうなのでここでラーメンやお菓子飲み物を買出ししておく。

道の駅マリーンアイランド岡島。

広い駐車場に船のカタチの建物。

浜頓別の町内で国道を見失う。体が疲れてるし雨なのでUターンはキツイ。左折三回で国道に復帰する。いかにも駅前の雰囲気な街だけど鉄道はもうない。8時過ぎなのに人どうりも車も全くなし。とても寂しい。

いつの間にか猿払村に入り、何故かトンネルがある。山なんてないからトンネルでもないしロックシェルターでもないし、スノーシェルターにしても突然一個だけってのも変だなとか思いながら入るとトンネル内だけ4車線。両端の車線は駐車場っぽい。真ん中にトイレがある。どうやらパーキングらしい。バイク人共に雨から逃げれるし、トイレも入ったトコすぐにベンチがある。そのベンチも枕みたいなのが付いていていかにも寝てくれって感じだ。電話もあればコンセントがあって充電もできるし、水飲機まである。壁には”火器使用厳禁”なんて注意書きまである。ひょっとして野宿する人の為に作られてるのではないかと思えるくらいいい居場所だ。空調も効いてるし、BGMまで流れてていい雰囲気(寝るには邪魔だが。)ただ、BGMと外が波打ちコンクリ舗装なんで通過車のロードノイズが多少気になるが交通量は30分に一台くらいだし気にならなさそうだ。時間も9時を回ってるし、食料もある。これ以上同じ景色を見つづけるのはもったいない。ここで一泊する事に決定。バイクをワイヤーで柵につなぎ、柵との間に細引きを張ってそこに濡れたカッパを干す。タンクを外しコックからガソリンをガソリンコンロに移す。それで湯を沸かしラーメンを作って食べ眠りにつく。

 

パーキングシェルター猿払。

光ってるところが入り口。

パーキングシェルター内部。右が男、左が女。

ベンチがイイカタチしてる。携帯、デジカメも充電させていた

だいた。

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