>>モドル
7/27 

0時20分起床。今回は本格的な登山を含むツーリングだ。荷物も多い。いつものロングツーリング装備に加

えトレッキングシューズ、テント、後輩への差し入れ、山での食料4日+1日分と合計は軽く20キロを超えるく

らいある。パッキングは寝る前にほとんど出来ていたので、シャワーを浴び、荷物の点検等を済ませ、荷物を

リアシートに積み、そのままでは思いっきり後ろ下がりなので、跨った時の足つき感覚が無積載時と同じくらい

になるようプリロードを合わせ1時30分静かに出発。

43号線を走りながらショックの微調整をし、無積載時と同じフィーリングになるようにする。24時間営業のGS

で満タンにし、武庫川ランプから阪神高速へ。神戸線環状線松原線西名阪道、名阪国道と乗り継ぐ。1300

円で三重県は亀山まで行けるのだから安いものだ。

奈良盆地に入ったころ法隆寺あたりから雨を感じ、天理の大カーブ越えたころから本格的な霧雨になる。フェ

アリングでほとんど飛んでいくので特に問題はないくらい。120程度でトラックを抜きつづける。異様に遅い80

キロくらいの集団を抜こうとしたら先頭にはパトカー。ゆっくりなら抜いても問題なかろうと、じわりじわりと追い

越しかけたら、マイクで”雨の中飛ばすな”みたいなことを叫ばれる。かなわんからパトカーの後ろに張り付い

て走る。他にも追い抜きかけようとする車はいたが、みんなパトカーの後ろに続いていく形になった。気が付い

たら50キロくらいまで速度落としたりされてかなりいらつかさせられる。路側で仮眠中のトラックを注意しに行

ったのかパトカーはいなくなったので再び120巡航。三重県にはいるころには雨もやんできていた。亀山の降

り口を見逃してしまい、次の鈴鹿まで東名阪を使う。鈴鹿ICから国道1号線まではやたら長くてあせる。四日

市市で4時くらい。コンビナートの光と夜明けの組み合わせがなんかきれい。名古屋市内に入り19号線への

交わり方が分からずしばらく迷う。50台くらいの暴走族が走り回ってて笑えた。ほどなく19号線を見つけ松本

方面へ。松本まで約200キロ。長い!相変わらず名古屋市内はコンクリート舗装で腰にくる。名古屋のレー

シングワールドそばのすき屋で朝食を摂り多治見土岐瑞浪恵那中津川と快調に19号線を走り抜け長野県山

口村。道の駅賤母で休憩。

 

国道19号線。長野県に入ってすぐの道の駅で。

 

南木曽村からは松本まで走ったことのある19号よりも、走ったことのない道を走ろうと国道256号線へ。交

通量全くないし、信号もなく快適な道。標高もいつのまにか1000m近くになってて涼しい。清内路トンネルを

抜け清内路村。特にとまらず阿智村も抜け飯田市。天竜川沿いの153号線へ。南アルプスと中央アルプスに

はさまれた伊那地方だけど、山のほうはもう曇ってきてて景色はあまりよくない。交通量はかなり多くなってき

たがいやになるほどではない。飯島町にあったPで1時間ほど仮眠を取り、駒ヶ根市、伊那市とどんどん北上

する。箕輪町から県道に入り、岡谷市へ。岡谷市内は大渋滞で暑くてかなりしんどかった。20号線に出ても

以外にも未整備な道で渋滞の連続だった。そしてヘッドライトが切れていることに気づく。諏訪湖をまわり茅野

市に入り八ヶ岳の方を目指すつもりだったが、すでに曇ってきていたんでやめる。ちょうどホームセンターとア

ップルランド(長野県内にいっぱいあるショッピングセンター)がいっしょになったのを見つけたので昼食にし、

ヘッドライトのバルブを買う。110/90W相当のH4が2個1100円であったので買う。それにしてもツーリング

中にヘッドライトが切れるとはなんとも気分悪い。20号線の岡谷と塩尻の間の塩尻峠はなかなか流れもよく

楽しめる道だった。諏訪湖の眺めが良さそうだったけど停まれるところがなかったのが残念。塩尻側に少し下

った道の駅小坂田公園で休憩。

 

国道20号線の岡谷と塩尻の間の峠。

ちなみに20号線はこのあたり以外

恐ろしく走りにくい。

荷物の固定はストレッチコードとネットだけ。

こんな荷造りが許容できるのは

RFだけだろう。

 

東京からの20号線、伊那地方からの153号線、名古屋からの19号線が交わる大きな交差点を抜け、松本

市街に入る前に県道で158号線へ抜ける。上高地への車で込む道だけど平日なのでそれほど混んでいな

い。波田町の中心を抜けると一気に交通量が減り思いのままに走れる。リアタイヤからパシンッって音がした

ような気がしたけど気にしないことにした。道の駅風穴の里で休憩。

 

道の駅風穴の里から国道158号線。

山へ山へ入っていく雰囲気がよろしい。

 

長いトンネルが連続し、どんどん山奥に侵入していく雰囲気が空いていれば楽しい道だ。混んでいたらただの

自然破壊の一員であることに気づくだけだけど。GWにDAXで鈴蘭から降りてきた道で乗鞍山頂を目指す。車

道日本最高所2700mまで一気に上る道だけに急勾配が続く。高度2000mを越えたあたりから非常に調子

悪くなってくる。空気が薄いだけのことはある。やたら排気音が大きくなり、2速でも坂登らないくらいトルクが

なくなってくる。アイドリング上げると多少はましになる(ていうか上げてないと止まる)が走りにくいことこの上な

し。1速、2速で半クラ当てまくり状態でようやく車道日本最高所へ。

駐車場で何気なくタイヤチェックしたら、見事に釘が刺さってることに気づく。でも、修理キットもインフレーター

も持ってるし、ガスッてて景色も見えないから直すことにする。が、一番重要なキリがない。代わりに精密ドライ

バー使うが上手くゴムが刺さらない。パンク修理なんてRFでは2回しただけだし、しかも4万5千キロ(!)ぶり

だ。どうにもこうにも上手くいかない上、いきなりものすごい土砂降りがきてなきたくなる。さらに一日中は知っ

てたためか目の調子悪くてしんどい。どうしようもないし刺さっていた釘を再び刺してあきらめる。空気はある

程度入れたら抜けてしまう状態で、一応入っている状態でどうにか走れそう。20キロ走れば鈴蘭にGSある

し。40キロ以上出さないように注意しながら降りていく。鈴蘭まではもともと40キロ出すには気合がいる道だ

から特に問題なし。鈴蘭のGSは6時回ってたので閉まってて安曇村の中心まで行くことになる。158号線で

は40キロしか出せないもんだから車にどんどん抜かれて恐ろしい。ようやく見つけたGSでは修理できないと

言われる。158号線沿いでは波田町まで行かないと修理できる店はないらしい。また158号線をトコトコと走

り波田町。ENOES(日石三菱)を見つける。乗鞍から50キロ。ここでやっと修理できる。5分もかからずに完璧

に治る。給油8リットル入れて費用はわずか1800円。いくらお礼しても足らないくらいありがたかった。走り出

せば感動的な軽さに驚いた。パンクは自分で修理するよりガソリン屋で直したほうが懸命だとわかった。158

号線で松本に入ってしまう前に県道で穂高町方面に北上する。もうすでに真っ暗。新しい青白色のバルブは

きれいに路面を照らす。GWにDAXで走ったのと同じ道だ。ヘッドライトが明るいと安心感が全然違う。GWに菜

の花畑と常念岳の写真を摂った道の駅アルプス安曇野を見つける。この晩はここで泊まることにする。駐車

場にテントを張る。食料は買い忘れたし、近くに売ってるのは飲み物くらいなので山中の非常食に持っていた

カロリーメイトで我慢する。新しく出たベジタブル味はとてもまずい。後悔するくらいまずかった。20時間以上

走りっぱなしの一日だった。神戸に比べれば涼しいものだがシュラフでは暑くて眠れずシュラフカバーだけで

眠りについた。

 

乗鞍スカイライン頂上で。

標高2700m以上。日本の道路最高所。

2速でも苦しむくらいトルクが細くなり、

空気の薄さを感じる。

 

一瞬の晴れ間だった。

 

よくみりゃ釘が刺さってた。

修理に失敗(一番重要なキリを紛失してしまってた。

代わりにドライバー使ったが無理だった。)

仕方なくトライアル車級の空気圧で50キロ離れた

波田町まで走る羽目になった。

 

 

山頂近くの池。パンクした上に土砂降りに会う。

泣きっ面に蜂とはまさにこのこと。おまけに急いで

出発したんで携帯やデジカメの充電器、スペアキー、

その他もろもろを忘れてしまったことに後々気づく。

 

乗鞍スカイライン(長野側県道)の道なり。

 

少し高度を下げると晴れてきた。

7月28日

朝、周りが明るくなり始めてきた4時ごろ起床。3時に起きるつもりが大きく寝過ごしてしまった。5時前には出

発し豊科町内に出てコンビニで朝食。県道を使い国道19号線へ。明科町から403号線。早朝5時の快適な

ワインディングを抜け坂北町の道の駅(名前忘れた。)で休憩。

 

坂北町の道の駅。

 

麻績村の町並みを抜け大きな山の塊を登り終えると聖湖って池みたいな小さな湖があった。この時まだ6時

だったが釣りしている人がけっこういた。ここからけっこうタイトな下りを走ると更埴の市街地と千曲川がきれ

いに見えるところがあったので写真撮る。

 

聖高原(ひじりこうげん)

 

姨捨から更埴市街と千曲川

ちなみに月見の名所。

 

男の一人旅。

 

403号線をどんどん走り、更埴市長野市須坂市と混まないうちに走り抜ける。403号線は時々細くなるがバ

イパスみたいなところもあり走りやすかった。中野市から292号線志賀草津道路。群馬県は草津方面を目指

す。国道とは思えない140キロ以上で巡航楽々出来る道がしばらく続く。道の駅やまのみちで少し休憩する。

 

志賀高原へ向かう道。

超をいくつつけても足らないくらいの快走路。

景色、道なり全て最高級。

 

長い長い直線道路が終わると今度は高速コーナーがこれでもかっていわんくらいに続いてかなりすごい。まる

で観光有料道路。橋の上以外は路面もよくて走りやすい。志賀高原のスキー場やホテルなどがあるところで

休憩し現在地確認しようとしたらツーリングマップルがないことに気づく。どうやら落としたっぽい。なんか今回

はトラブルが多い。買いなおすのもいやなんで探しに戻る。もう一度この楽しい道を走れることだし。落ちてる

ものを探せるくらいのペースで走るが落ちてない。結局前に休憩した道の駅まで戻ってしまう。そしたらバイク

止めてた場所にツーリングマップルがポツンと落ちてた。つみ忘れただけ。かなりあほらしい。もう一度志賀草

津道路の高速コーナーの連続へ。ツーリングマップルには”絶対的な快走路”とか”この道の素晴らしさは書

ききれません”とか書いてあるけど。まさにその通り。ガスってきてて景色はよくなかったが走りだけでも楽しす

ぎる。景色もよければそりゃ書ききれない素晴らしさだろう。登りつめると国道最高所の渋峠につく。そして群

馬県。初めての北関東だ。

 

国道最高所の渋峠。標高2000m以上。

 

渋峠からは横手山への登山リフトがある。北アルプスがすばらしく見えるらしいがガスってるので行かなかっ

た。群馬県側はガスがまだ昇ってきてなくて雲海の上の道だ。空は曇り空なんで写真では分かりにくいけど針

葉樹との組み合わせが素晴らしい風景だ。何度も路肩に止まって景色を堪能し、写真に撮る。群馬側からは

車、バイクが多くなってくる。そういえば土曜日。関東からは抜群の日帰りツーリングスポットなのだろう。下り

もだんだん車が増えてきたのでゆっくりと草津温泉へ降りる。

 

渋峠。雲海の上の道。

 

群馬側からの渋峠登り。

長野側は高速コーナーの連続。

群馬側は見てのとおり。こっちも楽しそう。

但し車多すぎ。

観光有料道路顔負けの国道。

 

白根山。見てのとおりの火山。

有毒ガスのため車から出るなって警告まである。

 

草津温泉街に着いたものの、共同浴場の場所がわからない。それどころか持ってきたツーリングマップル中

部ではちょうど切れてしまってるので観光案内所とかもよくわからない。が、適当に走り回ってると共同浴場ら

しきものを発見する。11時まで清掃らしくしばらく待つ。清掃直後で客は他に誰もいない。一番風呂を堪能さ

せていただいた。自分好みの熱い湯で気持ちよかった。ここまでの疲れが一気に抜ける。料金は志のようだ

が料金箱がないのでアンケート箱に150円くらい入れておく。

 

草津温泉。料金は志納の共同浴場。

 

草津町内でしばらく迷い292号線を再び発見。六合村に入る。六合とかいて”くに”と読むようだ。(ちゃんと変

換で出る。)道の駅六合で休憩。後輩らの差し入れに(この日豊科で後輩らが前泊すると知っていた。)一袋

100円の新鮮高原野菜きゅうりを買う。長野原町から144号線で嬬恋村、上田と抜けるとする。中学校のチ

リで習った高原野菜の産地でキャベツ畑が広がる。右に見える四阿山らしき稜線がきれい。左には浅間山な

どが見えるはずだが曇ってて見えない。こちら上州と信州の境は鳥居峠。上州側は緩やかでカーブもほとん

どないいかにも高原の道路だが信州側は一変して急なタイトワインディングになる。

 

ガスッてるけど四阿山。

 

ガスッてるけど上と同じ場所で浅間山方面。

嬬恋村。

 

真田町のコンビニで昼にし上田市内に入る。すでに昼過ぎなので渋滞ばっかり。標高の高い信州とはいえ昼

はやはり暑い。上田市内から143号線。青木村の途中から急にタイトな1車線荒れ荒れの道になる。しばらく

進み本城村と四賀村の境で涼しかったし疲れてきているので昼寝する。誰もいない山奥で何もせず自然の音

だけ聞きながらぼーとする。四賀村を抜けると再び豊科町。駅前に停め後輩らを待ち伏せする。4時前で来る

までには時間ありそうなんでSATYまで翌日からの山行に備え買出しに出かける。100円ショップで乾電池や

鏡(ないとコンタクト入れれない。バイクならミラーあるので気にならなかったが山の中では必要なことに気づ

いた。)麦茶、スプーン(乗鞍岳に忘れたもののひとつ)などを買う。6時頃駅前のほうに戻ると歩行者天国が

作られていた。祭りらしい。国道147号線(松本と糸魚川を結ぶ道)まで封鎖されていた。夜店も結構出てい

る。でも高い。俺が小さい頃100円くらいだったもの(くじとか)が300円に、300円くらいだったもの(イカ焼と

か)が500円になっていた。久々に祭りを見たので驚いた。(人ごみ嫌い人間だから祭りも嫌い。)ミス安曇野

コンテストをしていたのでしばらく眺める。7時前に駅に戻る。松本からの電車が到着。巨大なザック背負った

集団を発見。野宿場所探してるリーダー2人がベンチに座ってる俺のまん前を通るが気づかない。うしろから

下級生がついていってる。そのうちの1回生と目が合ったので合図してみた。めっちゃ驚いていた。よかっ

た!わざわざ豊科まできた甲斐があった。”四宮さんがいると怖い人にからまれなさそうでよい。”と誉められ

てるのかよく分からないことをいわれる。彼らとまた祭りを見に行き、差し入れ(六合村で買ったきゅうりと神戸

から持ってきた駄菓子。)を渡し、この日は祭りにつられてビール飲んでしまってた事だし後輩らとベンチで寝

る。神戸に比べれば涼しいが暑いものは暑い。シュラフカバーだけで眠りにつく。

 

ミス安曇野コンテスト。

豊科町に来たらお祭りだった。

7月29日

朝2時50分起床。後輩らはもちろん爆睡中。静かにパッキングし3時半には出発。夏休みの日曜日。松本か

ら上高地に向かう158号線は早朝から混むに決まってる。このため未明のうちに出発だ。バイクでの目的地

は岐阜県上宝村新穂高温泉。その後我が足にてコースタイム7時間35分、標高差1400メートルだ。未明の

147号線を青白色のハイビームで切り裂き走り抜ける。松本市内に入る前から県道へ。梓川沿いの道を上

高地方面へ。158号線に入る。さすがに車はまだ少ない。乗鞍への分岐まではもう今年すでに3回も走って

る道だ。最後のコンビニになる新島々のセブンイレブンで朝食。かすかに明るくなり始めた4時20分。だとい

うのに朝食中に一気に交通量増える。観光バス先頭にこの時間帯から大渋滞だ。地元ナンバーのツーリング

集団もいる。対向車はさすがに滅多に来ないんで少しづつ追い越し沢渡までには先頭に出、快適な早朝の山

奥のワインディングを楽しむ。北アルプスを越え平湯、新穂高、高山方面に抜けるには600円の安房トンネ

ルと安房峠旧道があるが、ここはもちろん旧道を走る。GWに雪のためDAXで越えられなかった峠だ。タイトな

ヘアピンカーブが続く続く。視界が開け目の前に朝焼けに映える穂高連峰が見える。めっちゃきれい!北ア

ルプスならではの景色。速攻バイク停めて写真撮る。(逆光で上手く撮れてないけど。)北アルプス焼岳の登

山口でもあるので車も結構来ている。峠は思ったよりも何もない普通の峠だった。ここより北で日本を横に抜

ける一般道は日本海がすぐ横の親不知の8号線しかないのだ。日本の屋根といわれるだけはある。岐阜県

側は長野側よりは走りやすそうな道ですぐに平湯温泉に着く。平湯温泉からは471号線を走り、上宝村栃尾

から県道。蒲田川ぞいをどんどん上流へ走り一般車の行ける最も奥が新穂高温泉である。6時10分到着。

安房峠登りから穂高連峰。4時55分。
 

安房峠てっぺんから穂高連峰。

高山と上高地、松本を結ぶ道なので、

昔は大変混む道だったが、

トンネルが開通した今はただの旧道峠。

 

ガソリンを燃料用ボトルに移したりパッキング、着替えをし、登山計画書をポストに入れ7時半入山。自分の

持ってる一番大きいザックが35リットルで、これは3泊4日テント泊にはあまりに小さく外付けしまくりである。6

本ある外つけストラップ全て使った。テント、シュラフ、ウレタンマットを外つけしてある。服装はいつもどおりタ

ンクトップなんで肩に食い込んで痛い。最初1時間ほどは林道を歩く。林道の途中にあるワサビ平小屋で休

憩。そこから少し歩くと小池新道といわれる本格的な登山道に入る。最初はガレ場のぼり。すぐに普通の登

山道になるのだが、間違えてガレ場を歩きつづけてしまう。ちょっとした岩崩れおこしてしまったりして冒険だっ

た。樹林帯の上りはとにかく暑くて休憩のたびに麦茶をがぶ飲みしてしまう。4時間(!)ほど登るとやっと鏡

平。鏡池に映る槍穂が美しいところだ。が、山の常で10時を過ぎるとガスの中に隠れてしまい槍穂どころかこ

の上の笠ヶ岳に続く稜線さえ見えなかった。1時間ほどかけ笠ヶ岳への稜線に着く。途中抜いたり抜かれたり

だったおっちゃんと話する。神戸からバイクで来ていることに驚いてはった。そこから1時間半ほどでこの日の

宿泊場所に決めていた双六小屋に到着。15時。ほぼコースタイム通りの7時間30分。激しく疲れたのでテント

張ってマット引くなり倒れるように眠りにつく。2時間後目がさめ小屋までサイト料500円を払いに行く。ついでに

水を汲みに行く。双六小屋は水が豊富で水が無料の北アルプスでは珍しいところである。双六岳と樅沢岳の

鞍部に位置する小屋でここからは鷲羽岳がとてもよく見える。飯を炊くが標高高い上にレギュラーガソリンの

ためかMSRの調子悪く(本来は白ガス用)、その上、水の量適当(ていうか米1合に水何ccか忘れてた)だっ

たんで芯ばかり外はべちょべちょおこげ着きという最低な飯が出来た。これにレトルトカレーぶっかけて我慢し

て燃料と思って食べ、夜食に小屋で200円(安い!)でかったビスケットを食べ翌日のコースを確認し眠りにつ

く。

 

新穂高温泉から穴毛谷方面。

 

小池新道を少し上ったところ。

 

俺のストーブ(MSR X-GKU)

レギュラーガスだと音ばかりで火力出ない。

うまく炊けてるようだが芯ばかりだった。

こんなんを2日続けて食べたら腹壊した。

 

双六小屋から鷲羽岳(わしばだけ)。

日本百名山。

7月30日
 

朝5時出発前。

双六のキャンプ地と双六池。

その向こうに笠ヶ岳(日本百名山)

 

朝4時50分起床。早いようだが山男としては最低の遅さである。半分以上のパーティーはすでに出発している

時間だ。外の靴音で目がさめたのである。朝食にラーメンを作り速攻で食べテントを撤収し5時半には出発。

コースタイム45分の登りを終えると樅沢岳。大パノラマが目の前に広がり大感動!右手岐阜県側には雲海に

浮かぶ穂高連峰や笠ヶ岳、はるか彼方に俺の忘れ物いっぱいの乗鞍。左手長野、富山県側には三俣蓮華

岳、鷲羽岳、はるか彼方に薬師らしきものも見える。そして前方に槍ヶ岳!すごいトンガリ具合!

雲海に浮かぶ穂高連峰、遥か彼方の乗鞍岳。樅沢岳から。

 

槍ヶ岳!! とんがりすぎ!

雲海に浮かぶ笠ヶ岳。

樅沢岳から三俣蓮華岳、鷲羽岳、彼方に薬師岳(?)

 

樅沢岳からはアップダウンが続く。この日の行程は槍ヶ岳手前の千丈沢乗越(せんじょうさわのっこし)まで標

高2700メートル付近のアップダウンでそこから槍岳山荘まで西鎌尾根で一気に400メートルアップというコース

だ。コースタイムは5時間半で前日よりはるかに楽である。すでに樹木はハイマツしか生えない高度なんで虫

は来ないし湿気もない。気温ももちろん低い。天然のクーラーのなかを歩いてるようなもんだ。汗なんてほとん

どかかない。雷鳥を二家族見た。子供が4匹ぐらい親鳥の後をついててかわいらしい。くぅーって感じの鳴声が

また可愛らしい。思わず足が止まって見入ってしまう。

 

雷鳥。天然記念物。鳴声がめちゃかわいい。

保護色でわからんけど子供もいる。

子供がまたかわいい。

 

北ノ俣岳の下りで”ナゴヤー”と名古屋のどこかの大学のワンゲルらしきエールを聞く。それに呼応するよう

に”フレーフレーコ・ウ・ベー”と聞こえる。思いっきり後輩の声。かなりこっぱずかしい。少し歩くとやはりウチ

のワンゲルらしき奴らがいる。人数数えると8人。間違いない、と近づくと”あれっ四宮さん”と向こうから気づか

れる。”松本にいないと思えばこんなところで。”といわれる。俺の行動はある程度読まれてたようだ。まぁ、去

年北海道で会ってるからな。ここであった奴らはこれから双六へ向かうのですれ違いだ。30分ほど話したり差

し入れ渡したりする。前日食い残しのビスケットや行動食に大量に持っているチョコレート見せると群がってく

る。そうとう飢えているようで面白い。

 

槍ヶ岳が近づいてきた。

俺とワンゲルの後輩3名。

彼らはまだ行動が10日もあって

まだ3分の1しか来ていない所である。

 

後輩に”来年も来てくださいね!”って言われる。来年は南アルプス。とてもアプローチが悪い所だ。厳しいこと

いってくれるじゃないの。彼らと別れしばらくすると千丈沢乗越。西鎌尾根がまるで壁みたい。最初少し稜線上

の登りであとはひたすらジグザグ道の登り。でっかい岩の塊が大迫力。ひたすら登り。すこしガスも出てきて

先はよくわからない。気が付けば小屋についていた感じ。槍岳山荘のサイト場は指定制なんで先に小屋によ

って場所を指定してもらう。場所は1番で、二方向が岩に囲まれてていい感じだ。場所が場所だけに荒れたら

大変そうだし。テント設営中、前会ったのとは別のパーティー(豊科であったのとも別。合計3パーティーあ

る。)が到着。目が合うなり”何してんですか、差し入れ下さい”といわれる。あまり驚いていない。ちょいショッ

クを受ける。彼らは5番で近所だ。山行中は原則禁酒の彼らの前でビール(350、500円)を飲む。かなりう

まい。わざとこぼしてみたり、”飽きたし捨てよ”とかいって悔しがらせてみる。かなり楽しい。もうすでに槍ヶ岳

山頂はガスってきてたので山頂には行かなかったが(山頂まで往復1時間)彼らは登って行った。登っている

間に昼食にラーメンを作り食べ、ちゃんと差し入れにビール(500缶750円)も買っておいた。(じつはやさし

い先輩♪)この日も夕食は上手く炊けてない芯つき焦げつきのおかゆカレーで、疲れてきてたこともあり日の

まだ明るい5時には眠りについた。

 

槍岳山荘から東鎌尾根、そして常念岳。

槍岳山荘から槍ヶ岳ピーク!

恐ろしくとんがった山だ。15分くらい岩登りすればピークへ。

 

後輩たち。

吉村。

青空少女。

タニ子。

7月31日

雨の音で何度か目覚めたが朝3時半起床。雨はやんでいた。テントには染みてるだけで浸水はしていない。

空はコンタクトなしの裸眼でも分かるくらい満天の星空。標高3000m以上だからめちゃ寒い。シュラフから出

るのに勇気がいる。MSRがなかなか着火せずいらつく。ラーメンを作り4時頃外に出てみる。かすかに明けて

きた空が美しい。

 

早朝4時半の槍ヶ岳。

 

テントは張ったまま最大限の防寒装備を身につけ、デジカメ、予備電池、行動食、地図など最低限の装備で

山頂に向かう。後輩らはまだ朝食を作ってる模様。3箇所ほどの梯子や岩にへばりつくようなスリリングな場

所もあったが10分ほどで山頂につく。ちょうどご来光の時間。しかし、ご来光はガスで見えない。あきらめて帰

ってゆく人もいる。穂高や東鎌尾根方面は完全にガスの中で全く見えず、ガスの塊が西鎌尾根方面から次々

に来襲し足下30mくらいを通過してゆく。真上は青空だからここ槍ヶ岳山頂だけが雲海の孤島になった感じ

だ。誰かが”あ、ブロッケン現象!”と叫ぶ。見ると太陽と反対側風上の西鎌尾根方面のこちらに迫ってきてる

ガスの塊に槍ヶ岳の影ができ、山頂と重なった太陽が虹になって反映されている。珍しい現象だ。笠ヶ岳での

夕暮れ時に3年前一度見たが朝見るのは初めてだ。何枚も写真撮る。寒いため電池の消耗が激しく槍ヶ岳

山頂だけでアルカリ電池2組を消費する。30分ほど山頂にとどまるが期待してた穂高方面は一度も見えず、

ガスもだんだん濃くなってきているので小屋のほうに戻る。

 

槍ヶ岳(3180m)山頂。

小さな祠があるだけの狭いピーク。

朝5時前。激寒。

 

槍ヶ岳山頂からガスの切れたところに

蝶ヶ岳(?)など。

 

槍ヶ岳山頂でブロッケン現象!

ピークに立つ我々の影の周りに虹が!

超珍しい現象。

槍ヶ岳山頂から槍岳山荘。一瞬だけガスの切れ間から見えた。

日本一すごいところにある宿泊施設だろうと思う。

この時の槍ヶ岳山頂はまさに雲海の孤島だった。

山荘にいた後輩らによると山頂はほとんど見えなかったらしい。

我々の足下30メートルをガスの塊が次々に通過してゆくさまは

大迫力で感動的だった。

 

 

槍岳山荘に戻るとすでに出発準備の終わってる後輩らがいた。晴れるのを待ってるらしい。雲海の孤島であ

ったことや、ブロッケン現象の事を自慢しておく。7時まで待機しててその後槍ヶ岳を諦め双六小屋へ向かい

西鎌尾根を下っていった。俺はテントを撤収し、同じく西鎌尾根を下る。しばらくは並走状態だったが14泊15

日(!)8人パーティーの彼らとはあまりにもペースが違いすぎるので先に進ませてもらう。

 

神戸大学体育会系ワンダーフォーゲル部最強の男。

彼が平らげてるのはこの日の昼飯。

このときまだ7時前。

もちろん朝食は摂っている。

槍岳山荘と後輩達。

 

アツい男(後輩)
 

ガスの中何度かアップダウンを繰り返し双六小屋到着。サイトの手続きし、テントを張り昼寝。数時間後後輩

らに起こされる。”K本さん(北穂小屋にいる後輩)はビール3本もくれましたよ!”とか脅される。K本に負ける

わけにはいかないので全財産2000円しかないが500円のビールを買いに行く。

それからすることもないので寝てたら腰がおかしくなる。そして胃がめちゃくちゃ痛くなる。炊けてない飯や出

来そこないのラーメンとか消化の悪いものばかり食べてたからだろう。腰痛いわ胃痛いわでまったく動けん

し、食欲も出ないので翌日朝5時まで15時間ぐらい寝た。

8月1日

体調絶不調で8月を迎える。多少マシにはなったがあいかわらず腰と胃が痛い。食欲もないがこの日は5時

間以上歩きその後バイクでどこまでかは考えてないが走るというハードな日だ。カロリーメイトを麦茶で流し込

みながら朝食にする。3日前と同じコースをひたすら下る。胃痛が腹痛に変わってきて歩きながらも半時間お

きにくるビッグウェーブでめっちゃきつい。しかし前日とはうって変わって快晴!3日前は全く見えなかった景

色もよく見える。特に弓折岳からははるかかなた加賀の白山まで見えて感動モノだった。弓折岳から北アルプ

ス一の景勝地鏡平に降りる。7時回ったがまだ全然快晴。思いっきり逆光で鏡池に映る槍穂までは撮れなか

ったがそれでも素晴らしい景色を写真に収めれて大満足。

弓折岳から。遥か彼方雲の少し下に見えるのが加賀の白山。

弓折岳から鷲羽岳。鞍部にあるのが双六小屋。

北アルプス一の景勝地鏡平から槍ヶ岳。

光加減では池に映る槍穂高が美しいのだ。

同じく鏡平から大切戸、穂高連峰。

 

鏡平からはひたすら下り。とにかく下り。けっこうおなかに響いてしんどい。最後の林道は入山した時よりも長

く感じる。なんとか午前中に新穂高温泉に下山。下山届を出し、無料の温泉につかり特に腰にきてる疲れを

ほぐす。腹の痛みもだいぶマシになりなんとか久しぶりの本格的登山は終了した。

 

下呂温泉。

山の疲れをいやした。

8/2 ▲6〜名阪〜松原線〜環状線〜神戸線〜神戸