閉鎖性水域
閉鎖性水域
湖水、内湾のような水の入れかわりの少ない水域では汚染物質の動きは、水の流れよりさらに遅く、たまりやすい。ヘドロやプランクトンや根の生えた植物の形をとった有機物の流れは、水の流れとはまったく別の動きをする。これまでの水の濃度規制には、この事実はほとんど考えに入れられていなかったから、現実には汚染を防止する役には立たなかった。環境庁は1979(昭和54)年6月から閉鎖性水域に対して総量の規制の適用を始めたが、対象になるのは有機物をあらわすCOD(化学的酸素要求量)だけであり、たまりやすいリンの削減指導が策定されても栄養塩類の総量規制はむずかしいとしているので、効果のほどは疑わしい。全国の湖沼の水質は依然として悪く、環境庁の調査では88年度の環境基準達成率は43%で、実に半数以上が汚染湖沼だ。ワースト1は千葉県の手賀沼のCOD18ppmで、調査開始以降15年連続で汚染の第1位を動いていない。
『現代用語の基礎知識』 (CD-ROM版)_ 1991年
発行所=株式会社 自由国民社