中央改札 悠久鉄道 交響曲

「もう一人の迷い人 後編」 とも  (MAIL)
 もう一人の迷い人 後編


 「それはそうと、朋樹くんは今日はどうするのかね?」
 そろそろ夕闇が迫る頃となり、リカルドが朋樹の宿泊のことを気に
し始める。さくら亭は今、都合の悪いことに全ての客室を改装中なの
だ。紅蓮とリサも、今は他の所にやっかいになっている。他の泊まり
客もそれぞれの友人や知人、もしくはジョートショップの所にいる。
要するに、朋樹の泊まるところが無いに等しいのだ。
 「あ、そうだ。どうしよ…。さくら亭、今改装中だもんな。」
 「アリサおばさんのとこももういっぱいよ。どうするの?」
 頭を抱える紅蓮とパティ。
 「う〜ん、今が夏なら外で寝れたんだけど…。」
 朋樹も、さすがに寒空の下はきついようだ。と…
 「朋樹くん。良かったら私の家に来ないかね?」
 リカルドが意外な提案をする。
 「紅蓮くんとの積もる話もあるだろうが、彼のやっかいになってい
る所には迷惑になるだろう?」
 「で、でもリカルドさんの家にも迷惑を…。」
 丁重に断ろうとする朋樹。が…
 「君は私の恩人だ。恩人を迷惑と思う者がどこにいると思う?」
 「はあ…。」
 朋樹に話を始めるリカルド。そこへ…
 カララ〜ン♪
 さくら亭のベルが鳴り響き、トリーシャが入ってきた。
 「いらっしゃい。あ、トリーシャじゃない。」
 友人とはいえ、客が来たことでいつもの営業の顔になるパティ。
 「こんばんわ、パティ、紅蓮さん。…あれ?お父さんにアルベルト
さん。あと…?」
 初めて見る顔の朋樹を見て、誰だっけ?、と首をかしげるトリーシャ。
それを見て、朋樹は軽く自己紹介をする。
 「僕、朋樹って言うんだ。よろしく。」
 「ボク、トリーシャ。こっちこそよろしくね。ね、どこから来たの?
見ない顔だけど。」
 トリーシャは自己紹介をした後、早速質問し始める。
 「え?あ、その…。」
 いきなりのことにおろおろする朋樹。そこへ、リカルドが間に入る。
 「トリーシャ、いきなりそれはないだろう。見なさい、朋樹くんが
ビックリしているではないか。」
 「ごめんなさ〜い。」
 朋樹の反応を見て、ペロッと舌を出しながら謝るトリーシャ。
 「え?べ、別に謝らなくてもいいよ。」
 「いや、いいんだ。朋樹くん、ビックリさせてすまない。ところで
トリーシャ。」
 「なに?お父さん。」
 リカルドに呼ばれ、首をかしげるトリーシャ。
 「今日からしばらく…朋樹くんを家で世話したいのだが。…大丈夫か?」
 「うん。いいよ。…でも、珍しいね。お父さんが人を家に泊めるな
んて。」
 トリーシャは、リカルドの問いにあっさりとOKする。が、自分の
疑問を言うのも忘れない。
 「彼は私の恩人でな。」
 リカルドの言葉に、トリーシャは驚くような顔をする。
 「え?どういうこと?」
 「トリーシャのことだ。もう、あのオーガーが仕留められたことを
知っているだろう。」
 「うん…。それが?」
 「…そのオーガーを仕留め、私を助けてくれたのが朋樹くんだ。」
 トリーシャの表情が一瞬固まり…
 「うっそぉ〜〜?!」
 その声が響いた。
 「本当だ。」
 「すっごぉ〜い!朋樹くんって見かけによらず強いんだね。見た目
はなんか、そういう戦いとかとは遠い感じなのに。」
 「はは…。トリーシャさん。あんまり、それ言わないで。僕って見
た目はこんなだけど、本当はあんまり勉強好きじゃないし。それに、
これでも結構向こうの世界の僕の街じゃ一目置かれてた方なんだから…。」
 朋樹は引きつった笑みを浮かべながら、トリーシャをジト目で見る。
 「ううっ。そんな目で見ないで〜。…ちょっと待って!向こうの世
界って?!」
 「あ…。ま、いいや。」
 紅蓮らが「しまった」、という顔をしていたが、朋樹はそれに気付
かず話を始めた。
 「僕さ、紅蓮と同じ世界からこっちに来ちゃったんだ。」
 「ふ〜ん、そうなんだ。じゃあ、朋樹くんも来ることだし…ボクお
夕飯のお買い物行ってくるね!」
 そういうと、トリーシャはさくら亭を出ていこうとドアの前まで行っ
たが、急に立ち止まると朋樹の方に振り返る。
 「朋樹くん。ボクのこと、さん付けはやめてね。家にいる時は特に
だよ。年は近いみたいだし、他人行儀みたいでボクそういうのいやな
んだ。じゃ、またね!」
 「やれやれ…。すまんな。」
 トリーシャが出ていったのを見計らい、わびを入れるリカルド。が、
朋樹は「気にしてないから」、と笑っている。
 「でも、ともの泊まるとこは決まったとして…。」
 紅蓮が朋樹の方を見る。と同時に他の三人の視線も朋樹に集中する。
 「え?え?な、なに?」
 「その後のことだよ。お前、働くのか?それとも学校でも行くか?」
 「え〜と…そうだね。魔法を勉強するっていうのもいいし、薬草の
知識生かして医者なんてのもいいかな。でも、バイトぐらいはしてお
きたいし…。」
 朋樹はやりたいことをザッと言うと、あれこれと悩み始める。
 「魔法の勉強はエンフィールド学園、医者ならドクターのとこ…か。
バイトはジョートショップ…アリサさんに頼めば何とかなるな。」
 朋樹の希望を元に、頼み込む場所をあげる紅蓮。
 「そういえば…ドクターのとこだったら、最近ディアーナが弟子入
りしたわよ。クラウド医院の雰囲気は良くなったらしいけど…。なん
か大変みたいね。」
 と、これはパティの言葉。
 「エンフィールド学園か…。うちのトリーシャ達と同様、学園生活
というのもいいかもしれんな。」
 と、リカルド。
 「ジョートショップ?!朋樹、アリサさんに迷惑はかけるなよ!ジョ
ートショップは今、 大変なんだからな。」
 と、知っている人が聞いたらバレバレなアルベルト。
 …数十分後
 「う〜ん。よし!決めた!僕、学校行くよ。この世界のことも少し
は勉強しておかないとね!それに、魔法習うっていうのも悪くないし。」
 きっぱりと言う朋樹。その眼に迷いの色は見られない。
 「じゃあ、後で魔術師ギルド行って魔力のほうを見てもらおう。魔
力の有無がわかんねぇとな。それに…」
 「それに?」
 紅蓮の言葉を繰り返す朋樹。
 「いや、なんでもない。さてと、そろそろ仕事につかなきゃな。」
 周りを見回し、立ち上がる紅蓮。朋樹もつられて見てみると、客が
多くなり始めてきていた。もうすぐ、パティ一人ではさばききれなく
なるだろう。
 「んじゃ、どうする?ともとリカルドさんはいいとして…アルベル
ト、飯食ってくか?」
 アルベルトの方を向いていう紅蓮。が、アルベルトは首を横に振る。
 「いや、まだ仕事が残ってんだ。俺はそれが終わったら食いに来る
とする。それでは隊長、自分は事務所で報告書の制作に当たりますの
でこれで…。」
 「すまんな、アル。」
 アルベルトはリカルドに挨拶をすると、自警団事務所へと戻っていった。
 「それじゃリカルドさん。こいつのこと、よろしくお願いします。」
 「うむ。朋樹くんのコトは任せてくれ。」
 紅蓮の言葉に、うなずくリカルド。
 「じゃ、とも。またな。」
 「うん、紅蓮も仕事頑張ってね!」
 朋樹と紅蓮はお互いに声を掛け合う。そして、紅蓮は仕事へと戻り、
朋樹とリカルドはさくら亭を後にした。

 「さて、と。朋樹くん、すまんが少々つき合って欲しいところがあ
るんだが……。」
 「はい?」
 「一応、病院へ行っておきたいからな。君も私も応急処置のままだっ
たろう?」
 いわれて朋樹はハッとなった。リカルドは、自分の怪我よりも朋樹
のことを優先して考えてくれたのだ。
 「すいません。僕なんかのせいで病院行くの遅れちゃって…。」
 そういうと、あらためてリカルドに肩を貸した朋樹は、リカルドの
案内でクラウド医院へと向かっていった。

 そして、クラウド医院…
 「すまんが、ドクタークラウドはいるかね?」
 リカルドは、待合室を掃除していた女の子…ディアーナにトーヤの
居場所を尋ねる。
 「え?あ、リカルドさん。先生でしたら奥でカルテの整理で…ッキャ
アァァ!」
 ガッシャーーン
 ディアーナは無理に振り向いたせいだろうか、足をもつれさせて派
手に転んでしまう。ついでに、ちりとりのゴミを盛大にぶちまけて。
 「だ、大丈夫?」
 朋樹は、転んだディアーナを助け起こした。ディアーナはじっと朋
樹の顔を見つめると、思い出したように声を上げる。
 「あたた…、ありがとうございます…。あれ?君、もしかして朋樹
くん?」
 「え?なんで僕の名前を?」
 朋樹は、初対面のディアーナに名前を言われてビックリする。
 「トリーシャちゃんに教えてもらってたの。あ、あたしディアーナ。
よろしくね。」
 「う、うん。こっちこそ…。よろしく。」
 ディアーナは朋樹とあいさつを交わすと、おろおろしながら片づけ
を始めた。…が。
 ステン!グシャ…
 「ふええ〜。」
 「あ…あの…。ホントに大丈夫?」
 ある程度まで片付いていた待合室は、すっかりペースを崩したディ
アーナによって見るも無惨に汚れてしまった。
 「…朋樹くん、私は先に足の具合を診てもらってくる。少々話した
いことがあるのでな。君は、ディアーナちゃんを手伝っていてくれ。」
 リカルドはディアーナを朋樹に任せると治療室へと入っていった。

 「ごめんね、手伝っちゃってもらっちゃって…。」
 「そんな、謝ることじゃないって…。」
 なんとかおろおろはなくなり、落ち着いてきたディアーナは朋樹に
謝りながらも掃除を再開する。朋樹もそれに便乗して掃除を手伝い始
めた。
 「……」
 「……」
 言葉を交わすことなく、黙々と掃除を続ける二人。時々、トーヤが
リカルドとの話し声が聞こえるだけだった。
 「…朋樹くんってさ、」
 「え?」
 掃除も終わりに近づいてきた頃、ディアーナが朋樹に話しかけてきた。
 「紅蓮さんと同じ異世界からの迷い人なんだってね。」
 「え?…あはははは…!」
 朋樹は、ディアーナの言葉を聞くと急に笑い始めた。
 「え?なに?なんで笑い出すの?」
 ディアーナは笑い出した朋樹の意図が読めず、またおろおろしだす。
 「いやね…。いいゴロだな〜って。なるほど、「異世界からの迷い
人」ね。いいね、それ。肩書きにでもしよーかな。それ、誰が考え出
したの?」
 「ううん、紅蓮さんが言ってたの。」
 「ふ〜ん。紅蓮も結構おもしろいこと言うなぁ。」
 感心しながらも、さらに笑い続ける朋樹。
 「でも、強いね。」
 「え?」
 「紅蓮さんや朋樹くん。自分の世界からこっちの世界に飛ばされて
きたのに全然そんなこと感じさせないよね。」
 しゃべりながらもいつの間にか掃除を終え、腰を下ろしたディアー
ナは朋樹を感心したように見る。
 「そ、そうかなぁ。」
 ディアーナに見られ、少し照れた朋樹は頭をポリポリと掻くと、
 「紅蓮はどうだか知んないけど、僕は約束があるから。」
 とつぶやいた。
 「約束?」
 「そう。死んだ父さんや母さんとのね。」
 「ご、ごめんね。思い出すようなこと言っちゃって…。あれ?朋樹
くん、その腕…?」
 と、ディアーナは朋樹の腕のバンダナのシミに気づいた。が、
 「え?あ、血ィ出てるだけだよ。大丈夫。」
 「血って!大変じゃない!ほら、早く!先生に診てもらわなきゃ!」
 のんびりとしている朋樹を引っ張り、ディアーナはあわててトーヤ
とリカルドのいる医務室へと向かっていった。

 ガチャ!
 「先生!大変でっ…きゃああぁぁぁ!」
 がしっ
 いきなりバランスを崩し、転びそうになったディアーナを朋樹がとっ
さに支えた。
 「ディアーナ、お前はいったい何をしに来たんだ…?」
 トーヤは弟子の相変わらずなボケっぷりに頭を抱えながら小さくつ
ぶやく。
 「う〜。朋樹くんありがと…。じゃなくって!先生、朋樹くんも怪
我してるんです!」
 「何でそれを早くいわないんだ!朋樹、こっちへ来い!」
 その言葉を聞いた途端、トーヤの眼が厳しくなり檄が飛ぶ。
 「…別にいい 朋樹は渋々とトーヤの指示に従い、腕を出す。バンダナをほどくと、
その中に薬草が薄く包まれ、さらに傷にも当てられていた。
 「朋樹、この薬草は?」
 「え?と、父さんに教えてもらったうちの一つで…それが?」
 急に険しい顔になったトーヤの問いに、朋樹はしどろもどろになり
ながらも答えた。
 「この薬草はな…お前の世界ではどうだか知らんが、こっちの世界
じゃ生態、薬草としての効果がまだよく分かっていないんだ。」
 「ふうん…。じゃ、先生。僕の知ってる薬草とその組み合わせ教え
ましょうか?」
 「ふむ、それも面白いかも知れんな。」
 なんて話をしながらも、トーヤはさっさと処置を施し終わす。
 「あ、ありがと。先生。」
 「礼にはおよばん。俺は、医者としての務めを果たしているだけに
過ぎん。とりあえず、朋樹の方は傷は浅いから心配はいらないな。フォ
スターさんは二日は仕事を休んでください。少し、休んだ方がいい。」
 カルテに何事か書き込みながらトーヤは言う。リカルドは、それを
聞くと困ったような顔をした。
 「仕事は無理か…。ドクタークラウド、いつもの通りトリーシャに
は…。」
 「分かってます。うちのディアーナにもいつも通り…ん?ディアー
ナのヤツどこに行った?しかたない、あいつも分かっているでしょう
からおそらく大丈夫でしょう。言い訳は…さくら亭の帰り道、穴で足
を変にひねってしまったとしましょうか。ちょうど、足首の部分です
から。おい、朋樹。」
 「え?は、はい!」
 急に話をふられ、突拍子な返事をする朋樹。
 「聞いたとおりだ。下手なことをトリーシャにしゃべるんじゃないぞ。」
 「………」
 「いきなりすまんな、朋樹くん。私は、あまりトリーシャによけい
な心配をかけたくないのだよ。戦闘中に怪我を負わされたなんて知れ
たら何を言われるか分かったものじゃないからな。」
 とリカルドは苦笑する。
 「分かりました、リカルドさん。そこまで言うなら僕も協力します。
じゃ、そろそろ帰りませんか?肩貸しますよ。」
 朋樹はリカルドの言葉にうなづく。
 「ありがとう…朋樹くん。そうだな、ではそろそろ失礼しよう。」
 「ええ。しかし、決して無理はしないでくださいよ、フォスターさん。」

 そして、二人は家へ帰ってきた。
 「ただいま。」
 「お邪魔します。」
 「二人とも、おっそぉぉ〜〜い!」
 出迎えたのは、トリーシャのお怒りの声だった。
 「それに朋樹くん!」
 「ほえ?」
 さらにトリーシャは腰に手を当て、朋樹の鼻っ面にビシッと指を指す。
 「「お邪魔します」じゃなくって「ただいま」でしょ?!家族だっ
ていったじゃない。ほら、もう一回!」
 「え?あ…、た、ただいま…。」
 「よろしい♪じゃ、あらためてお帰りなさい。お父さん、朋樹くん。」
 トリーシャは満足そうにうなづくと、めざとくリカルドの足の包帯
を見つける。
 「あれ?お父さん、どうしたの?!」
 「ああ、道の脇にあった穴につっかかってしまってな。朋樹くんの
腕の治療と一緒に診てもらってきた。」
 「ほんと?ね、朋樹くん、お父さん嘘ついてない?」
 トリーシャは、なぜかリカルドには聞き返さず朋樹に聞いてきた。
 「え?うん、ほんとだけど。」
 「ふ〜ん、それならいいけど…。」
 トリーシャは一応納得し、パタパタとエプロンをはためかせながら
台所へと戻っていく。朋樹はその後ろ姿を見送った後、リカルドと共
に居間に行きながらトリーシャの眼を思い出していた。
 「(…あの眼…嘘ってばれてる…いや、分かってるって言った方が
いいかな。でも、何でリカルドさんってホントのことトリーシャに言
わないんだろ?)」
 朋樹はなんだか落ち着かなくなり、トリーシャの手伝いをすること
にした。
 「トリーシャ、僕も手伝うよ。」
 「えっ?いいよ、怪我してるんでしょ?」
 「いいって、かすり傷なのにトーヤ先生が大げさに包帯巻いただけ
だから。」
 と、朋樹は手慣れた手つきで料理を手伝い始める。
 「へえ、慣れてるんだ。」
 「うん。死んだ母さんの口癖でね、「男も料理ぐらい出来なくちゃ」
って言われててさ。死んだ父さん、サバイバルの経験はすごかったけ
ど、大雑把な料理だけでちゃんとしたのは出来なかったから。そうは
なってほしくなかったみたいだったんだ。っと、この皿に盛りつけれ
ばいいんだね。」
 朋樹はしゃべりながらも一品完成させる。トリーシャも最後の料理
を作り終えたが、「ちょっと待ってて。」と料理を置いて二階へ上がっ
てしまった。しかも、テーブルの上には、三人で食べるには明らかに
多い量の料理が並んでいる。
 「まったく…一体なんだというのだ?」
 「どうしたんだろ?トリーシャは…。」
 二人が不思議がっているところへ、トリーシャが二階から降りてき
た。友人を引き連れて…。
 「えへへ…。お父さん、黙っててゴメンね。でも、みんながいた方
が楽しいでしょ?」
 見ると、クリス、シェリル、マリアのエンフィールド学園の三人と
ディアーナがトリーシャの後ろに立っている。
 「初めまして、クリスです。よろしく。」
 「シェリル・クリスティアといいます。よろしくお願いしますね。」
 「マリアだよ☆よろしくね。」
 「あたしはディアーナ…ってもう言ったよね。じゃ…!」
 パーン!
 ディアーナの言葉を合図にみんなが一斉にクラッカーをならす。
 「朋樹くん、エンフィールドへようこそ!」
 五人の声がハモる。朋樹は感動したのか、声も出さない。
 「考えたものだな、トリーシャ。」
 リカルドは、一人で自分の娘の行動に感心していた。
 「あ、ありがとう!僕、エンフィールド学園に通うコトになるんだ。
みんな、これからよろしくね!」
 そして、休日の前日ということもあって、トリーシャ達による朋樹
の歓迎会は夜遅くまで続くのだった。

 朋樹のエンフィールド初日はこうして終わった。その後、朋樹は一
週間でトリーシャやシェリルらに魔法の基礎を習い、リカルドのはか
らいでエンフィールド学園の編入試験を受け、見事合格し、はれてエ
ンフィールド学園の生徒になったのであった。
 「紅蓮とティナがつきあっている」という事実は朋樹の編入試験の
数日後、うっかり口を滑らせた朋樹の口からトリーシャやローラへと
伝わってしまい、一日でエンフィールド中に広まってしまう。その後、
朋樹は紅蓮からきつ〜いお仕置きを受けたのは言うまでもないだろう。
合掌…


 後書き

 ども、ともです。後編をお届けしました。…これまた、中途半端な
終わり方ですね。(^^;いつものことですが。
 今回、リカルドやトリーシャが結構活躍しましたね。それは、フォ
スター親子の見せ場が今回の主人公、朋樹とタメ張ってたからです。
トリーシャは、最後に友達呼んで歓迎会という、いきなはからいやっ
てのけましたし、リカルドも朋樹をエンフィールド学園に通わせるこ
とに協力しましたからね。
 う〜む。いつかお約束の学園ものSSやってみようかな。ネタもで
てきたことだし。(笑)あ、その前にも書きたいネタがあったンだっ
け。まぁだまだ先になりそうですね。(_ _;
 それでわ。ともでした。
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