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「おはよ、起きた?」 「キっ……キラ、いつからここにっ……」 「そんな哀しいこと言ってくれると、僕はスネちゃうよ。昨晩、何があったか忘れたの?」 「わかったっ! 思い出したからやめてっ! ちょっ……あっ、ん……」 「……いつまでそーしてるつもりですか……?」 「が地下牢へ逃げなくなるまで」 食堂へ向かう道を、私はキラ先輩に手を繋がれて連行。 「今日からは持って帰って食べちゃだめだからね」 「……せっかくの食事ぐらい、おいしく頂きたいんですけど……。食堂だと息が詰まるばかりですし……」 「大丈夫。他の人たちには何も言わせない。僕がを守るって約束したじゃない」 「今回も期待してませ……あ、ニコルっ!」 先輩の手を振り解いて、私は数歩先を行く男の子の背中に飛びついた。 「、おはようございます」 体の向きを変えた彼の正面から、私はぎゅっと抱きついた。ニコルも笑いながら抱き返してくれる。 「キラさんも、おはようございます。……昨夜はちゃんとお話できました?」 「まぁね」 「ねぇニコル。ディアッカさんは一緒じゃないの?」 「彼ならまだ寝てますよ」 「え、どこか調子でも悪いのっ?」 「違います。昨夜は悪夢でうなされて寝付けなかったから、寝坊してるだけです」 「そうなんだぁ……」 「安心したところで聞くけど、はいつまで僕以外の男とひっついているのかな?」 半分忘れかけてた先輩の声に、私はニコルに抱きついたままで顔を後ろに向けた。 「私がキラ先輩以外と抱きついちゃいけないってきまりはないです」 「あんまり束縛していると、返って嫌われちゃいますよ?」 「それに、私はニコルのことが大好きなんです」 「うれしいことを言ってくれますね。僕もが大好きですよ」 頬に落とされたニコルの唇がくすぐったくて、私は小さく笑う。 「一緒にご飯食べにいこっか?」 「そうですね」 「キラ、朝から不機嫌度MAXだな……」 「……ほっといてよ……」 久しぶりのAAの朝ごはん。でも、味なんかろくにわからない。眉間にしわを寄せたまま、僕はトーストを噛み千切り、コーヒーで流し込んだ。 「怒りながら食べると体に悪いわよ?」 「そーそー、ミリィの言うとおり」 「にしても、朝から何を怒ってるのさ?」 「……原因は後ろの彼女しかないだろ……」 肩をすくめたサイが視線で示したのはわかったし、他の皆もつられてそちらを見たのがわかったけれど。 「あの子たち、今朝から食堂に出てくるようになったんだ……」 「僕が連れ出した。本当はの謹慎はとっくに解かれてたし。 捕虜君たちもアラスカを離脱した時点で拘束する権利はなくなったって、マリューさんが言ってた」 「にしても、あの緑の巻毛の子と彼女、すっげー仲良さそうだよな」 何気ない一言に、眉間のしわが1本増えた。 「そうだね。アラスカに着く前にブリッジにやってきた時も、ずっと手を握ってたし」 勢いよくサラダにフォークを突き立てた。 「もう、トールもカズイもだめじゃない! キラの気持ちも考えてあげなさいよ」 「別にいいよ。っていうかさ、僕だって何でこんなにイラついてるのか、自分でもわからないんだから」 そう言いきって、僕はドレッシングたっぷりのレタスを口に放り込む。 「あのさキラ。ここでそういうボケかまさなくていいから」 「何もそんな発言してないよ。本当にイラついてる理由がわからないんだってば」 「よしよし、お兄さんが教えてあげよう。今のキラ君が感じているのは嫉妬というものさ。 彼女と緑の子が仲良くしてるのを見て、おまえ、ヤキモチ妬いてんだよ」 「な?」 「だって、それしか考えられないわよねぇ?」 ミリアリアの言葉に、カズイもサイも頷いた。 みんなのおかげでこの気持ちの正体に気が付いた。……だからといって、収まるわけでもなく。イライラはつのるばかりでどうにもならない。 「ごちそうさまっ」 残っていたサラダとコーヒーを一気に片付け、僕は椅子から立ち上がった。 「それじゃ、僕は先に行くね」 「どこへ?」 「MSデッキ。まだ微調整が残ってるんだ」 僕は食器を返却口に返すと、足早にそこから去った。 「いいんですか? あの人、完全に誤解しましたよ?」 「いーのいーの、私がニコルを好きなのは本当のことなんだし。 どうせ、後でみんなの前で言わなきゃいけなくなるんだし、それまでは誤解させておけばいいのよ」 「ひょっとして、まだ怒ってますね?」 「もちろん。簡単に許せるほど、私も大人じゃないもので」 ![]() 黒マント製作機から キラにヤキモチ焼かせよう企画、その2。 ほしみ的に、前回不発だったのがよっぽど悔しかったよーです。 To NEXT |