『いいか、AAがエンジンを吹かしたらすぐにやってくる。いつでも出られるようにしとけ!』

 通信機越しのフラガ大尉の声。一方的なものだったのか、答える間もなく切れた。

「先輩はもう乗らないって言ったじゃないですか。
 シートベルトを外して、早くコックピットから出てください」

「やだ」

「やだって言われても、困るんです」

「自分でやる前に一度人のを見ておいた方がいいと思うけど?」

 にこにこ顔のキラ先輩が言う。
 た、確かに、それは正論です……。
 口ごもった私をよそに、ストライクを前進させるキラ先輩。

『キラ=ヤマト、ストライク、出ます!』

『え、キラ?』

 慌てたミリィの声が返ってくる。
 まさか、キラ先輩の声がするとは思ってもみなかったんだ。
 ここで私が彼からレクチャー受けてるってこと、彼女は知らなかったんだっけ。

「行くよ」



 ぐん、とGを感じたと思ったら、次の瞬間、目の前は星の海だった。
 とっさに私は、その美しさに見とれて言葉を失う。

、見惚れるのは後にしなきゃ。ザフトのMSはすぐそこに来てるよ」

「は、はいっ!」

 キラ先輩の言葉に、私は慌てて意識を切り替えた。




「戦いたくはない……」

 モニターに映る機体。
 それを見つめるアスランは、再会したのに道を分かたれてしまった相手のことを思う。
 3年前まで同じ時間を共有した、大事な友達。

「お前がそこにいる必要はないはずだ、キラ」

 きつく下唇を噛む。

「アスラン=ザラ、出る!」

 深紅の機体は解き放たれた。
 ただ、自分が望むことをするために。






『どうしたんでしょうか? 今のところ、Gが1体しか出てきませんけど』

 戸惑い気味の通信が届く。

『あの足付きにはアレしか乗ってないってこった』

『いや、そう決めつけるのはまだ早いな。ヘリオポリス崩壊のときに見たMAもいるはずだ』

『へぇ、イザークにしちゃ、ちゃんと観察してんじゃん』

『ディアッカ、キサマは俺のことをバカにしてるのか?』

 返された低い声に、落ちる沈黙。

『忠告しておいてやる。くれぐれも寝てるときと、戦闘中は気をつけるんだな』

 クククッと続いた含み笑い。

『イザーク、ディアッカを後ろから撃たないでくださいよ。
 僕たちが撃たなければならないのは、あの、奪い切れなかったGだけなんですから』

『うるさいニコル。キサマに言われなくてもわかっている!
 撃つんじゃなくて、掠めるだけに止めておいてやるさ』

『それも駄目です』

 にっこりと微笑んだ顔。
 通信モニター越しでよくわからないのに、彼の瞳は笑っていないように見えて、イザークは反論するのをやめる。

『イザークがディアッカを撃つかどうかはともかく』

『ひっでーっ!アスランまで見捨てるのかっ?』

『口は災いの素』

『う゛っっ……』

 頼りにしていた彼からも冷たく突き放されて、ディアッカは何も言えなかった。


 お互いがどんな会話を交わしているかなどは知らないまま。
 確実に双方の距離は縮まっていた。



黒マント製作機から
 すいません、戦闘シーンにたどり着けず……。
 TV話的には3話のあたりです、まだ。
 アルテミス……早くたどり着きたい。

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