「守るために、私ができることをする」

 接近戦が主となるは、飛んでばかりはいられない。攻撃を入れようと思えばどうしても地面に降りるしかなくなる。しかし、一番格闘戦に向いている機体だけあって、その動きは生身のものとほとんど変わらない。

「うわぁっ! この野郎っ!」

 一瞬にして懐に飛び込んだに、そのストライク・ダガーは慌ててイーゲルシュテルンを向ける。が、それが発射される前に、のロッドがメインカメラごと、頭部を突き上げて吹っ飛ばした。その機体が地面に倒れ込む前に、ビームが次の機体を撃ち抜いてそれも戦闘能力を奪う。

「いい加減に止めてください、ここで私たちが戦いあって何の意味があるっていうんですか!」

 は叫びながらを飛び上がらせ、飛び降りざまにダガーを1体蹴り倒して地面と熱いキスをさせる。そしてもう1体の胸部にロッドの先を突き立てて、動きを止めさせた。





 強襲用陸艇からやってくるダガーをあらかた戦闘不能にして、フリーダムは振り返る。そして再び翼を広げ、両肩と両腰と右手のライフルから、一斉にビームを放つ。

「ありがとうございます、キラ先輩」

 の前に展開していた部隊はあっという間に沈黙した。

「何だかおかしいと思わない?
 ダガーはもう来ないと思うけど、それでも諦めずに動かない地球連合軍艦隊が気になるんだ」

「そう言えばそうですね。……まだ何か、反撃の手段を残しているのかも知れません……」

 ゆっくりと降りてくるフリーダムを見上げながら、はポツリと洩らした。

「動きがないのは、まだ切り札を隠しているってことかな。やっぱり」

「アラスカに行った時点で、ストライクやのデータが地球軍にも渡っていますしね」

「ナチュラルにもMSが渡った分、戦火はもっと広がりを見せる。―――――今回の惨状がいい例だよね」

「それじゃ、私はM1の方を手伝ってきます。…………気をつけてね、キラ」

も気をつけて」







 去ったを見送って、フリーダムは再び飛び上がった。その時、沖の方からきらりと光るものが近付いて来る。
 それが放たれたビームだと確認した途端に、掲げたシールドがそれを拡散させ。シールドにより一時的に視界を遮られたフリーダムの脇を1機のMAが擦り抜ける。いや、その上にはもう1機のMSが確認できた。
 そしてそのまま、AAに向かって飛んでいく。

「……やらせるもんかっ!」

 半瞬見送ってしまったことを悔やんで、キラはそれを慌てて追いかけようとした。が、フリーダムの背中を、“フレスベルグ”と名付けられた誘導プラズマ砲の一撃が襲う。
 振り返ったフリーダムのビームライフル“ルプス”が正確に相手を撃ち抜いた。

「…………ビームが、曲がる?」

 何発撃っても同じことで、そのMSの前でビームは軌道を変える。

「ドコ、見てんのサ。アンタの相手はオレなんだけど」

 GATシリーズのフレームを残しているが、それらの機体に見覚えはなく。もちろん、すぐさま入れたAAのライブラリにもヒットしなかった。

「ウザイんだよねぇ。とっとと捕まっちゃってくんない?」

 GAT−X252・フォビドゥン。ストライクを始めとするXナンバーの技術を元に作り出された、地球連合軍の新型MS。特徴的な両肩の大きなシールドだと、キラはそんなことを思った。

「バイバイ」

 背中のリフターがフォビドゥンの頭上に装着と同時に、レール展開。そこから2発のレールガン“エクツァーン”がフリーダムに向かって放たれた―――――。







「アサギさん、ジュリさん、マユラさん、ついでにムウ兄。応援に来ました」

さん、あっちはもう大丈夫なんですか?」

「キラ先輩が手伝ってくれたおかげで。
 新しいダガーも来ている様子ないんですけど、艦隊が動かないのはおかしいって先輩と話してたんです」

 ジュリの問いかけに答えながら、は背面に近寄っていたダガー1機にビームを叩き込んだ。軽い爆発の後、それは動きを止める。

「すっごーい。私たちには近付いていることすらわからなかったのに」

 マユラから感嘆の声が上がる。

、ここは大丈夫だからはAAの援護に回れ。俺達もここが終わり次第そちらに向かう」

「わかりました」

 再び飛び上がったは、あっという間に見えなくなった。







「……何、これッ……」

 やって来たが目にしたのは、看板後部から黒煙を上げる白亜の艦の姿。そして、その周りを飛び交う1機のMAに乗ったMS。
 AAも必死に迎撃しているが、いかんせん速さに追いついておらず、ダメージを与えることができていない。
 そのうち、乗っているMSの砲門がブリッジをロックした。

「―――――やめなさいっ!」

 急加速させて、は未知の機体とAAブリッジの間へと割って入った。

「ブリッジ! ここは私が引き受けますから、後退して体勢を立て直してください!」

「そんな、1人でなんて無茶よ!」

「無茶でも何でも、ここにいるMSはだけなんだから、やるしかないんだよ!」

 はミリアリアからの通信を強制的に切った。そして、外部スピーカーへと切り替える。

「お前等、俺がまとめて相手してやるから付いてきな!」

「ケッ、なめられたモンだね。俺らも」

「いいんじゃねぇ? 動かないデカいの相手にしているより面白そうジャン?」

 離れていくの後を追っていく彼ら。
 ミリアリアは覚悟を決めたかのようにぐっと唇を引き結んで、回線を開いた。





「……AAから……?」

 確かCIC担当は……その顔を思い出して、ニコルの顔は僅かに引きつった。

「彼女が今さら何のようですか。しかもこんな戦闘中に」

 それでもちゃんと通信に答える辺りが、彼の性格を表わしている。

を……の援護に回ってあげて!」

「……どういうことですか?」

「さっきまでAAは、地球軍新型MSの攻撃を受けていたの。
 でも帰ってきたがAAを逃すために、わざと自分にひきつけて…………」

「わざわざこちらに連絡してこなくても、フリーダムのほうが近いでしょう」

「だって、キラはもう他の新型と交戦中らしくって、通信にも答えてくれないの!
 を助けて、いくらあの子でも1度に2体の相手なんてできっこないっ」

「本当に勝手ですね、貴女ってヒトは」

「え……?」

「わかりましたと言ったんです」

 通信を強制的に終えて、ニコルはAAの方へと戻っていった。



黒マント製作機から
 本当に進まないです。アスランがやってくるシーンまで書きたかったのに……。
 うちのニコルは、ミリアリアちゃんに対して、敵意完全剥き出し1歩手前。
 しかし、今いち薬中3人組の台詞回しが掴めんのぅ…………。


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