「で、これからキラたちはどうするんだ?」

「どうするんだって聞かれてもね……僕らはここに残って、オーブと一緒に戦うよ。
 もうどちらの陣営にも組みする気はないんだから」

 僕は座り直させたの肩を抱いて引き寄せながら言った。

「それにマリューさんたち……AAも同じ」

 僕の視線を追いかけて、アスランの視線も通路に近いところでこちらを見ている彼らを見た。

「僕たちはアラスカで連合軍から裏切られた。それだけじゃない、今までに積もってきた疑問もある。
 だから離反し、相対する道を選んだ。……今度は君の言う『自分の信じる正義』を胸にね」

「ディアッカ、ニコル、ラスティはどうなんだ?」

「どうって……俺はもうザフトやめちゃったし、今はオーブ軍MS・アストレイのパイロットだぜ?
 オーブの持つ理念に賛同したからこそ志願したんだし、どうするかなんてわかるだろ?」

「僕はと一緒に戦います。
 連合軍のやり方には賛同できませんし、かといって、ザフトに戻って命令のままに動くのも嫌ですから」

「俺はさ、ここにいる奴らを死なせたくないから戦う。それだけ」

は……って聞かなくてもわかるか」

 アスランは苦笑する。すると、さっきまでおとなしくしていたが僕から離れて、彼をまっすぐ見た。

「じゃあ私から問いかけますね。アスランさんはどうしたいですか?
 『今まで誰かに決められた『正義』に踊らされてきたような気がする』のに、皆の意見を聞いて。
 それを参考にして行く先を決めますか?
 『今度は、自分が正しいと思った道を進んでいきたい』と言っているのに。
 また他人の意見で自分の進む道を決めるのですか?

、アスランはただ参考にしようと……」

「わかってますよ、そんなことは。だからアスランさん、久々に1戦しませんか?」

 彼女の言葉に、ニコルたちはが何をしたいのかわかったようで笑っているけれど。何もわからない僕はうろたえるしかない。

「……の奴は何をしようとしてるんだ?」

「見てればわかるさ」

 僕と同じように戸惑っているカガリがラスティに問いかけるが、彼もまた笑ったままで。

「カガリ、どこか訓練場借りていい?」

 その一言にピンときた僕。

、まさかアスランとナイフ戦をするって言うんじゃないだろうね?」

「え、大丈夫ですよ。ナイフ戦はしません。
 プラントにいるときも、アスランさん相手にして、ナイフ戦だけは勝てたことがないですから」

「そうだよなぁ。もいいとこまでは行くんだけど、結局、負かすことはできなかったもんな」

 ディアッカが思い出したようにクスクスと笑い、ニコル、ラスティも苦笑する。

「アスラン、君はしないよね? と試合なんてしないよね?」

「方法は格闘戦でいいか?」

「うわぁアスランも何げに乗り気っ! やめてよお願いだからっ!
 もやめて、体に青アザなんて作ったら僕は泣くよ!」

「……キラ、うるさい」

 あ、黙った。
 の一言で、顔を引きつらせながらも静かになったキラ。

「訓練室の場所を教えてやるから付いてこい」

 私がそう言うと、会話に参加していた者、見ていただけの者、総勢20人弱でぞろぞろと場所移動になった。










「以外でしたよねぇー」

「何がだ?」

 移動中、走ってきて私に並んだのはアストレイのパイロット3人娘。

「キラさんです。
 だって、前に来た時は大人しそうで、フリーダムから降りてきた彼を見た時も大人しそうに見えて」

「私、落ち着いた感じがしてかっこいいなーって思ってたんですよっ」

「でも、さんの前だとそれがないって言うか、年相応って言うか……」

「お前ら、それは絶対見てくれに騙されてるぞ。
 ちょっと一緒に生活してただけでわかったんだが。
 キラは泣き虫でわがままで、それでいて独占欲が山ほど高くて……。あれ、どうした?」

 ずりずりとあとずさっていく3人組に、私は首をかしげた。

「カガリ、そういう話をするときには少し声の大きさを押さえなよ?」

「ちゅ、忠告感謝するよ、キラ」

「そうしてね。じゃないと僕、カガリを人質に訓練室に立てこもるかも知れないしね」

「どうして訓練室なんだ?」

 鷹の野郎がそう問いかけてくる。

「訓練室に立てこもれば、が戦わなくてすむでしょ?」

「……やっぱりお前の中心はあいつか……」

「当然です」

 そんな会話をしていたら、目的の部屋に到着。準備も整って、対峙するとアスランを私達は見つめていた。



黒マント製作機から
 次回は、ヒロイン対アスランの模擬格闘戦突入。


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