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やっぱり訓練室なんてどこも似通ったものだね。 そんなことを思いながら、私は中心にある白線の前に立った。 「時間は10分な」 「何だ、制限付きか?」 「だってほっといたら、お前らの決着つきゃしねーもん」 時計を見ながら言ったディアッカさんの言葉に、少し不満そうに言うアスランさん、そして笑いながらそれに答えるラスティさん。 「」 「……何です?」 「久しぶりだけど、手は抜かないぞ?」 「望むところです!」 向かい合ってるだけで張り詰める緊張感。 「アスラン=ザラ対=、模擬格闘技戦、制限時間は10分。はじめ!」 審判役をかって出たラスティさんの声が高らかに響いた。 手加減する必要もない、手加減できる相手でもない。 私もアスランさんも、殺気を隠そうとはしない。 動けない。やっぱりアスランさんはすごい、隙がない。 私の頬を、久しぶりに冷たい汗が伝う。 「――――――この勝負も、どちらかが1歩踏み出した時点で決まりますね」 「離れてた間に何があったのかは知らないが、の奴も腕は落ちちゃいないようだし」 「アスランはザフトの正規軍人としての訓練をかかしていないんだぜ? それなのに、劣らないほどの力を持ってる妹ってどうよ?」 「彼女の潜在能力については未知数ですから。 がアカデミーに入ってたら、アスランは1位じゃなかったかも知れませんよ」 「うぇ、それはやめてくれ。イザークが暴れて、俺の神経が持たん」 「何、アイツまだ暴れてんの?」 「何しろ『青眼銀髪の癇癪玉』と呼ばれてるぐらいですから」 「え、そんな命知らずな仇名誰が付けたんだ?」 「僕です。でも、イザークと別れた後に考えたんで、知ってるのはぐらいですけどね」 「それ、絶対にイザークの前で言うなよ。癇癪玉がはじけ飛ぶ前に俺がはじけ飛ぶ」 「……お前たち、邪魔してるのか?」 余りにもうるさい外野に、俺はじろりと一睨みくれてやった。 「アスラン、よそ見していると……」 「わかっている!」 走り込んできたの腹部をめがけて、俺はミドルキックを放った。 が、それは寸前で体を低くした彼女に難なく避けられ、逆に軸足を蹴り飛ばされる。 倒れかけた俺は左手の平を地面につけて転倒を免れると同時に、バックステップで下がった彼女の左向こう脛を蹴りあげる。 ガッと響いた鈍い音に、周りが悲鳴を上げているのが聞こえたが、蹴られた本人は一言も言葉を発しない。それどころか、俺が体勢を立て直す前に右拳を打ち下ろしてきた。済んでのところで避けるも、掠めたところに痛みが走る。 「そこまで!」 ラスティの声に俺はもちろん、対峙していたも、なぜか見ていただけの周りの人たちも、一斉に大きな息をついた。 「!」 ばたばたと走ってきたキラに、有無を言わさず横抱きにされる目の前の少女。 「え、や、先輩っ?」 「アスランから1発もらったでしょっ! 医務室直行! 僕がちゃんと手当てしてあげるから!」 「見るのはキラ先輩じゃなくてお医者様でしょっ!」 「四の五の言わないっ! 誰が他の男に見させるもんかっ!」 を抱きかかえたキラが走りさっていく様を呆然と見送りながら、俺は3年前に別れた幼馴染の、隠されていた一端を知った。 「どうした、アスラン?」 「……いや、キラって昔からああだったかなって思って……」 「キラはが絡むと人格変わるからなァ。最近は特にその傾向が強いぞぉ?」 まっすぐ歩いてきた白服の男性は、ムウ=ラ=フラガと名乗ってきた。その名前には聞き覚えがある。 「エンデュミオンの鷹とお会いできるなんて光栄です」 俺は差し出された右手を握り返した。 一方。 再三の会談要請に応じなかった連合軍は、攻撃時間を告げる。 再びの戦火がオーブを襲おうとしていた。 ![]() 黒マント製作機から しまった! 本当は模擬戦最中にアスランとヒロインの会話を入れるはずだったのに。 でも、ヒロインと戦ったことで、アスランの心に変化が起こったことは確かです。 To NEXT 連載TOP |