増援もなくなったダガーの群れを倒すのに、さほど時間は必要としなかった。
 が到着した時はまだ、30機近いストライクダガーが残っていたのだが。



「あっさり終わっちゃいましたね」

「そりゃ、パイロットの腕の差だろ?」

 苦笑するニコルに、楽しそうに言うディアッカ。

「皆さん、やっぱりザフトのエースだけあってお強いですよね」

 両手を前に組んで目をキラキラさせて言うジュリ。

「そんなことないぜ。お嬢ちゃんたちだって、これが2回目だとは思えないほどいい動きしてたしな」

「ムウ兄よりもアサギさん、ジュリさん、マユラさんのほうが活躍してると思いますよ」

「……イチャついてこっちに来るのが遅れた奴に言われたかねーな」

「ムウ兄、自分に彼女がいないからひがんでるんでしょ?」

、後で体育館裏な」

「…………何世紀前の呼び出し方法だよ、そりゃ…………」

 ラスティの突っ込みに、その場にいた全員に笑いが起こる。



「…………キラ先輩…………」

 小さなの呟きと共に、AAに戻りかけたが振り返ったことに気が付いたニコル。
 海岸線上空では、ミサイルの応酬が続いているらしく、爆発音が風に乗って届いてくる。

「心配いりませんよ。昨日の様子を見た限りでは、キラさんとアスランは。
 本当に3年も離れてたのかと思うくらいに呼吸ピッタリな動きをしてたじゃないですか」

「でも、2対3だなんて……」

は、あの2人のことを信じてあげてないんですか?」

「え?」

「2人とも、最新鋭の機体をあれだけ自由に乗りこなすほどの凄腕の持ち主なんですよ。
 それにようやく分かり合えた幼馴染、その結束の強さが互いの力を十二分に引き出しているんですから。
 キラさんも、アスランも、絶対に負けません。ちゃんとここに帰ってきます」

 『だから貴女は待ってるだけでいいんですよ』と笑いかけてきた彼に、は『ニコルには叶わないナァ』と小さく肩をすくめた。

 そこへ、新たに通信が入ったこと示すアラートが鳴る。

「お前等、早く戻って来い! AAが攻撃されてるんだぞ!」

 通信を入れてきたのはラスティ。その言葉に驚いたとニコルは頷きあって、一目散に港を目指した。







「今はどうなってるの?」

「沖合いの地球軍艦隊から飛んでくるミサイルを迎撃するのに手一杯で、反撃する暇なんかありゃしねぇ!」

「じゃあ、艦隊を直接叩くしかないじゃない。私行ってッ…………」

「待てよ、お前はまた無茶しようとする!」

「ディアッカさん、離してくださいっ! 駄目なの、AAは守るって決めたんだから……」

「行くのはわかってるけど、1人で行かせられるかっての!」

 彼の勢いに飲まれ、一瞬言葉を失う

「聞け、

「……ムウ兄」

「今、ラスティたちアストレイ部隊が補給に入っている。そいつらが帰ってきたら、一緒に向かうんだ」

「でも、この間にもAAはっ……」

、それは僕たちにすっごく失礼な発言だって気が付いてます?」

 にっこり笑顔のニコルに寒気を覚えたのは、、バスター、ストライク、それぞれのパイロットに共通することで。


「AAは、僕たちが4人ががりで堕とせなかった艦ですよ?
 地球連合軍『なんか』の、対空ミサイルで沈められてしまうわけないでしょう?
 もしも、AAがあんなへなちょこな攻撃にやられてしまったら。
 僕たちザフトレッドは、それ以下の実力ということになるんですよ?
 それって、すごく侮辱じゃありませんか?」


「そ、そうだな。ニコルの言うとおりだっ、大丈夫だって」

 クスクス笑いが続きそうな言葉に、顔を引きつらせながらフォローしてきたのはディアッカ。

「AAだって、歴戦を勝ちぬけてきたんだし、ブリッジクルー達も頑張ってくれるさ」

 そう言うムウの顔も、やはり引きつっていて。

「待つしか、ありませんね」

 は思わず『早く帰ってきてください』と、モルゲンレーテに向かって祈った。



黒マント製作機から
 言わなくてもわかるでしょうが、パウエル以下の艦隊が港のAAを攻撃したというのは、オリジナルです。


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