3隻が宙域に辿り着いたとき、地球軍とザフトの再びの戦局は開かれていた。
 すぐさま、各艦のMSは発進していく。フライトも、リニアカタパルトへと進む。既にジャスティス・フリーダムの両機は発進して、何機ものジンやゲイツ、ダガーを行動不能にさせていた。





「はい?」

 突如開いたブリッジからの通信。

「生きて無事に、帰って来てくださいね」

「……どうしたんですか、いきなり。ラクス嬢がその言葉をかけるべき一番の相手はアスランさんでしょう?」

「もちろんアスランには言いましたわ。ですが、私はあなたのことも心配なのです。
 この間言いましたでしょう? は私の大事なお友達なのだと。
 だから、申し上げるのですわ。絶対に帰って来てください」

「……善処します」

 エターナルから飛び出した薄緑のMSは、白い翼を広げて飛び立った。







「見つけたぁッ!」

 飛翔するフライトに、カーキ色のMS・レイダーが突っ込んでいく。

「な、特攻でもしようっての?」

 まっすぐに突っ込んできたレイダーを避けて、フライトはシュタウトロッドを延ばした。と同時に、周りに本体と同じ薄緑のPS装甲が展開された。これでフライトの手から離れない限り、シュタウトロッドはPSに守られ続ける。

「堕ちろよ!」

 避けられたらすぐに向きを変えて、再び突っ込んでくるレイダー。そこには戦略も何もあったものではないように感じられた。

「誰が堕ちるもんですか!」

 すれ違い様にレイダーの背に向けて、フライトはロッドを振り下ろす。しかし、それは受け止められたと同時に、蹴り飛ばされる。
 コックピットの上に加えられた激しい衝撃。ずるりと外れた手から、フライトの主装・シュタウトロッドは抜き取られ、レイダーの後方へと投げ捨てられた。

「しまったっ!」

 は慌ててもう1つの武器、左腰にマウントされていたビームライフルを構えた。しかし完全に構え終える前に、再び突っ込んできたレイダーが素早くフライトの背後に回り込んで、白い翼に手を掛けた。

「お前はこれを折られたら動けないんだよなァ」

「させないんだから!」

 クロトの声、レイダーの腕に力が込められる前に、捕まえられていないもう片方の羽根を動かす。その羽ばたきに視界を遮られて、掴んでいた手は離れる。

「そっちこそ動けなくなるといいわ! そうしたら人を殺さないわよね」

 フライトのライフルが、レイダーの推進剤の入ったエネルギーパックをバッテリーごと撃ち抜く。そして両手足のジョイントも撃ち抜いて、完全に動けなくしてしまった。






 同じ頃、フリーダムに取りついたフォビドゥン。
 キラは大鎌を構えて切りかかってくるMSの相手をしながら、発射された核ミサイルを叩き落としていた。

「いい加減に堕ちなよ……」

 ライフルではビームを曲げられてしまう。ソードによる直接攻撃でしか対応できない相手に、フリーダムは間合を取りながら必死に切りかかる。

「堕ちるのはそっちのほうだ! もうこんなのはやめろっ!」

「なんで? 楽しいジャン。弱いMSと戦ってるとツマンないし。でも、アンタは強いヨネ。
 だからもっともっと戦おーヨ。……ま、最後には俺が勝つケド?」

 笑い声さえ届いてきそうなシャニの言葉に、キラは憤りを隠せない。

「ふざけるなァっ!」

 キラの頭の中でSEEDがはじけた。
 一気に間合をつめられて驚いたシャニが対応する前に、フリーダムのラケルタはフォビドゥンの両手足を切り落としていた。






 連合軍の新型GATシリーズ、最後の機体・カラミティを相手にしていたのはストライクルージュだった。
 核ミサイルを破砕していたルージュの前に飛び込んできた、両方に2門の砲台を乗せた薄青のMS。

「せっかく綺麗な花火が見られるっていうのに、邪魔すんなよ」

「バ、何が綺麗なんだ! あんなのはただ眩しい殺戮兵器じゃないか!」

「アンタ、わかってない。眩しくったって、花火でしょ?」

「あんな物騒な花火なんか使用禁止、製造中止に決まってるだろッ!」

 ドゥッ、ドゥッと発射される弾を避けながら、ルージュはカラミティの懐へと入り込むことに成功する。

「よしッ!」

「甘いね」

 優位に立てたとカガリが気を抜いた瞬間、オルガがにやりと笑い、ルージュはその両手を捕まえられて身動きが取れなくなった。そしてカラミティの中心部、ルージュコックピット真上に集まり始める光。

「なっ、離せぇッ!」

「ジャマするアンタなんか、いらないんだよ」

「離せッ、離せよっ! このまま発射すれば、お前だって無事じゃすまないんだぞっ!」

「心配しなくても、爆発する前に逃げるからサ」

 臨界点に達しようという光の収束に、カガリはぎゅっと目を閉じた。



「お前は何をぼさっとしている!」

 激しい横殴りと共に投げつけられた声、それは青とグレーのツートンのボディを持ったMS。そして自機を支えてくれるオレンジのアストレイ。

「カガリ、大丈夫か?」

「あ、ああ……。あれは、X−102・デュエルだな」

「そうだ」

「ラスティ! お前はその女を連れて早く戻れ! 足手まといだ!」

「なんだとォッ!」

「ふん、何も考えずに敵の懐に突っ込んでいってとっ捕まるMS戦素人を足手まといと言って何が悪い?」

「あ、あれは油断しただけだッ!」

「やめないかイザーク。カガリもいちいち反応するんじゃない」

 ため息交じりに中に入ったラスティ。

「とにかくルージュはクサナギに戻れ。さっき捕まったときに腕の駆動部を傷付けられたはずだ」

「……わかった」

 不承不承ながら転身するストライクルージュ。
 逃さないとばかりに進みかけたカラミティの進路を、オレンジアストレイとデュエルがその行く手を遮った。

「お前の相手は」

「俺達がしてやる、ありがたく思え」





 最後に気になったカガリが振り向いたとき。
 そこには両手足をもがれ肩の武器も壊され、達磨となった状態のカラミティが漂っているだけだった……。



黒マント製作機から
 例の3機には、戦闘からはここで退場していただきました。


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