――きれいな眼だ。

 ストライクが捕らえた映像を見て、僕はそう思った。
 救難信号を出して漂っていたポッドを捕まえたとき、驚いたように見上げてきた2つの瞳。
 船籍を確かめると、ヘリオポリスからの脱出艇。

 僕たちの居場所が絶対に安全だとは言い切れないけれど。
 だからといって、見捨てていくなんて、絶対に出来ないよ。
 心細かったよね。
 もう大丈夫、僕が連れて帰って上げるから。

 僕はストライクのレバーにわずかな力が掛かったのを知った。






 動き始めたポッドは、見慣れぬMSの手の中にある。

「……ザフトじゃない……よね?」

 もちろん、の呟きに答えるものなどはいない。

「私が救難信号なんて上げてたから、もしかして見つかっちゃったのかなぁ。
 ううん、ザフトでも連合でも、いきなり殺すってことはしないだろうし。
 それよりなにより、私たちは被害者なんだし……。
 はっ、もしかしてもしかして、連れて帰って焼いて食べられるとか……
 そんなのいやぁ。どうせなら私は竹輪と一緒に煮物にされたいのぉ」

 もはや、支離滅裂な考えである。
 の心配、キラの思いは相手に届かないまま、
 ストライクは星の海を飛んでゆく。







 床に下ろされたポッド。

「この場合は仕方ないでしょうね……」

 若き艦長の一声に、救命ポッドの扉は開かれた。
 次々に降りてくる人に、ストライクから降りたキラも見つめていた。
 その時、何度か見かけたことのある赤くて長い髪、そして同色のワンピースを翻した少女が目に付いた。

「フレイ=アルスター?」

 その言葉に反応したのか、彼女はキラの胸に飛び込んだ。

「大丈夫、ここにはサイやミリアリアたちもいるから」

 見上げてきた大きな瞳に一瞬ドギマギするキラだが、ふと思い出したように。

「あの……、これで全員なんですか?」

 最後とおぼしき男が降りてきた。
 それを不思議に思ったキラは、上官たちを差し置くようにして言葉を発した。
 案の定、ナタルがこちらを睨んでいるのがわかったが、彼は、問いかけずにはいられなかった。

「人間はこれだけさ」

 冷たく言い捨てたのは、と言い争っていた男。
 しかし、そのことをAAのクルー達が知るはずもない。

「あと1人、コントロールルームにいるはずよ」

 まるで口にするのが汚らわしいという感じで、フレイが言う。
 その言葉を聞いて、キラはためらわず船内に飛び込む。
 後ろからは『勝手に動くな!』と叫んでいるフラガの声がした。
 彼なりにキラの安全を気遣っての発言だったはずなのだが、それはあっさり無視された。

「何よ、あの子」

 突き飛ばされたフレイが唇をとがらせていることも、今のキラにはどうでもよかった。



黒マント製作機から
 まだ完全にキラとヒロインが出会っていません。
 いつまで引っ張る気だ、自分。
 次の話では、絶対に顔を合わせさせます。

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