「助けてくださってありがとうございます」

「別に助けたくて助けたわけじゃねぇ。
 俺たちにとっちゃザフトも地球軍も変わらないしな」

 案内された先で、艦長さんはふかぶかと頭を下げた。
 そうだよね、お礼はちゃんと言わなくちゃ。
 でも、グループのまとめ役らしい男の人はどっちでもいいといった感じで答える。
 『明けの砂漠』と名乗ったレジスタンスの人たちとAAの主立った人たちの話合い。
 私まで引き出されてしまったのは、なぜか良くわからない。
 あまり知らない人の前には出たくないんだけど。
 何とかして逃げ帰ろうと試みる。
 でもレガール兄とムウ兄とに両手を捕まれて、逃げられなかった。

「X105ストライク……」

 ん? この声どこかで聞き覚えあるような……。
 下を向いていた私は、声がしたほうを向いた。すると、声の主もちょうどこちらを見た。

「「あーっっ!!」」

「な、なんだなんだ?」

 突然の大声に驚いたレガール兄の力が緩くなる。ムウ兄も同様。
 私はそれらの腕から逃げ出し、彼女に駆け寄った。

「カガリ! あなたがなんでこんなとこ……」

「それはこっちのセリフだ。
 まさか、AAにがいるとは思わなかったぞ」

「でも久しぶりだね、元気してた?」

「当たり前じゃないか、そっちこそ泣きべそばかりなんじゃないのか?」

「もー、泣いてないってば」

 彼女と顔を合わせたのは、本当に久しぶりで。
 うれしくてうれしくて、二人で手を取り合って騒いでた。

少尉、個人的な話は後にしないか」

「カガリ、お前もだ」

 副艦長さんとサイーブさんの呆れまじりの咎める声に、私たちは謝った。



「……力になって頂けるのかしら?」

「そのまえに銃をおろしてもらわなきゃな。アレのパイロットもだ」

 『やれやれ、お見通しですか』と苦笑するフラガ。

「ヤマト少尉、降りてこい」

 レガールの言葉のあと。
 キラはコックピットから顔を出し、ラダーに捕まって降りる。
 ヘルメットを取り去ると、驚きの声が届いた。

「お前がなぜあんなものに乗っているっ?」

 隣にいた男たちは、飛び出した彼女を止める間もなかった。
 自分に向かって振り上げられた拳を、キラは反射的に受け止める。
 そしてその少女の顔をじっと見た。
 覚えがある顔、特徴的な瞳。徐々にキラの目が驚きに開かれていく。

「……きみは……」

「放せ、この馬鹿っ!」

 バシッ!

 捕まれているのとは反対の手が、彼の頬を打ち据える。

「カガリ!」

 咎められたカガリは、彼をもう一度睨み、そして仲間の元へと戻っていった。
 殴られたキラのほうは痛みよりも驚きに言葉が出ないまま、彼女の後ろ姿を見送る。



黒マント製作機から
  両親の仕事にときたま付いていったヒロインは、オーブにも訪れたことがあり。
  カガリのことも知っています。って、何かと人脈の広いヒロインだこと……。


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