濃茶に視界を奪われたと思ったら、僕の体は押し倒されていた。 「……?」 覆い被さってきた柔らかな感触に戸惑っていると、僕の胸を濡らす存在に気がつく。 ちょうど、の左腕がかかっている辺り。 何だろうとわずかに首を持ち上げて確認した途端、叫んでいた。 「カガリ、の傷口を縛って、早く!」 名前を呼ばれて始めて気がついたらしい彼女は、息を飲んでから慌てて処置に入る。 レジスタンスで教え込まれた知識らしく、その作業に無駄がない。 声に気がついてこちらを見たアロハシャツの人も、小さく舌打ちした。 僕はその間、なるべく彼女を動かさないようにしながら起き上がる。 「……お前っ……」 手当てを終えたカガリが、僕の胸についた血痕に再び息を飲んだのがわかった。 「僕は平気、何ともない。これはの血だから。 ……でもこの出血は多すぎるよ」 「弾が動脈を傷付けたんだろうな。 一応の処置はしておいたけど、早くちゃんとした手当てをしないと……」 それはわかっているけれど、こんな銃弾の飛びかう中を抜けられはしない。 運よく脱出できたとしても、合流するまでにはまだ時間はある。 僕は本来なら自分がするべきはずだった怪我を、に肩替わりさせてしまったことについて。 抱きしめたままの彼女に、聞こえていない耳元で、何度も謝るしかできなかった。 ![]() 黒マント製作機から ヒロインが身を呈して守ったものは、キラです。 どっちをかばおうか迷っても答えは出ず……仕方なくこのシーンだけ分岐させました。 To NEXT |