「ミリィ、さっきの人……」

 「ああ、キラのこと?」

 ミリィに手を引かれて歩みながら、私は問いかけた。
 ポッドの外には出たくないなぁ。
 そう思うけれど、ミリィの歩みは止まらない。

 「彼はキラ=ヤマト。同じゼミの仲間。の1つ上ね」

 「1つ上……なんですか」

 後ろから付いてくる彼をちらりと見る。
 スミマセン、本当に先輩には見えないです。
 というより、女の子に手が早すぎです。
 正直な気持ち、そんな人を先輩扱いしたくないです。

 「ほら、ボーっとしてないで」

 引っ張り出されるようにして、私はポッドから出た。
 3分の1ほどが同じポッドに乗っていた人で、後は知らない人ばかり。
 若い女の軍人さんが近寄ってくる。
 私は自然にミリィの背中に隠れた。

 「ごめんなさい、怖がらせるつもりはないの。
  私は地球軍第2宙域第5特師団所属・マリュー=ラミアス大尉よ。
  このアークエンジェルの艦長でもあるわ」

 「艦長……さん……?」

 「先に降りてきた人たちから聞いたのだけれど。
  あなたもコーディネイターだそうね」

 救命ポッドの人たちから聞いたのなら嘘はつけない。
 私は頷いた。

 「ちょっと待ってください!」

 ミリィが私の体を後ろ手に抱え込む。

 「この子はおとなしい、普通の女の子なんです。
  彼女が何もしないってことは、私が保証します!」

 「わかってる、心配しないで」

 「ラミアス艦長!」

 「ナタル、よく考えて。
  この子は停止しかけたポッドの緊急システムを動かしてくれたそうじゃない」

 「そ、それは彼女がコーディネイターだからこそ成しえたことであって……」

 「バジルール少尉!!」

 艦長さんの一喝に、その場にいた全員が動きを止める。

 「今までのことに混乱しているのはわかります。
  でも、こんなときだからこそ、私たちが落ち着いていなくてどうするの?
  ヘリオポリスが中立のコロニーだということを忘れないで。
  それに、なにもかもがコーディネイター仕様ではないわ」

  そこで、艦長さんは私のほうを見て笑ってくれた。

 「あなたはそれがわかっていたのよね?」

 「……はい、救命用だから他の人でも十分だったんですけど……。
  私、差し出がましいまねをして……」

 「そんなことはないわ。
  あなたの行動が早かったからこそ、助かった命もあるんですもの。
  差し出がましいと感じるより、誇りに思いなさい」

 小さく頷いた私は、1つの視線に気が付いた。
 そちらに顔を向けると、フレイ=アルスターが睨んでいた。
 存在すべてを否定されるような、敵意が込められた眼差しだった。
 視線が合うと、彼女は、私から眼を逸らした。
 別に、苦手な相手と仲良くしたいとは思ってはいない。けれども。
 コーディネイターとナチュラル、
 その溝の深さを改めて痛感させられ、やりきれない気分になった。




  黒マント製作機から
   マリューさん出張ってます。心なしかヒロインより目立ってます(笑)
   ほしみの趣味が出てるんでしょ、やっぱり。マリューさん、好きです。
   さてはて、本筋細部捏造してるし、キラとの絡みはほとんどないし、
   ホントにドリー夢なのか、という突っ込みはいつでも下さい。

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