目を覚ました私は、ミリィの物ではない他の視線に気が付いた。

「あ、起きた?」

 笑いかけてきたのは、あの、キラ=ヤマトとかいう先輩。
 私は掛けられていたシーツを握りしめて、逃げるように下がった。

「ミリィ、彼女が目を覚ましたよ」

 キラ先輩の横にいたもう1人の男の人が声を上げる。
 どうやら彼も、私より年上らしいけど……。
 『ちょっと待っててー』と叫んだ、ミリィの声が聞こえたとき、私は安堵のため息を漏らした。

「よく寝てたね。ミリアリアに会えて、安心したの?」

 キラ先輩が話しかけてきたけど、私は答えることができない。
 返事の代わりに、壁に背中を預けて遠のく。

「お前、何か嫌われてるぞ?」

 クセ毛の先輩が言う。
 それを聞いていたキラ先輩は、不機嫌そうに口を尖らせてる。
 いきなりあんなことをされたなら、嫌われるのは自業自得です。
 あの、艦長さん達の前で訴えなかっただけマシです。

「2人とも、何もやましいことはしていないでしょうね?」

「「何もしてない!」」

 同時に言い返した男性陣にクスクス笑いながら、やってきたミリィは、私に持っていたトレイを渡してくれた。

「これ、の分ね。
 もう夕食の時間も過ぎちゃったし、お腹が空いてるでしょ?」

「でも……」

「君はコーディネイターだといっても、普通の民間人だしね。
 差別はされない、食事もちゃんと出るよ」

 くせ毛の先輩が、ミリィの言葉を補足するように言ってくれた。

「そう……ですか……」

 確かに、空腹感は覚えていた。
 私は『いただきます』と小さく言って、ちぎったパンを口に運んだ。

「なーんかズルいよなぁ。
 僕の時は逃げるのに、トールとはちゃんと会話が成立してる」

「キラが逃げられるようなことをしたんじゃないの?」

 ミリィの言葉に、一瞬口ごもるキラ先輩。
 一応、自覚はあるわけだ。

「改めて紹介するね。
 こっちの彼がトール=ケーニヒ。そしてもう1人がキラ=ヤマト。
 トールは同じナチュラルだけど、キラはあなたと同じコーディネイター。
 だけど、私たちはそんなことは気にしてないわ。同じ人間だってことは代わりないもの。
 それでね、2人とも私と同じゼミの仲間なの。
 本当はあと2人いるんだけど、また後で紹介するわ」

「おいおいミリィ、俺たちの紹介ってそれだけ?」

「それだけって?」

「トールってば、自分とつき合ってるって言ってもらえなかったから、ちょっと肩透かしくらったんだよな?」

「キーラァ?」

 さっきの仕返しとばかりに言うキラ先輩を、トール先輩は睨つけた。

「ごめんごめん、ちょっと照れ臭かったの。
 さっきキラが言った通り、トールは私の………恋人なの」

 そう言って、真っ赤な顔になるミリィ。

「好きな人がいるってことはいいことだね」

 私は男性陣のほうを向く。

「はじめまして、です。
 年齢はあなたたちよりも1つ下なので、呼び捨ててください」

 私はトール先輩とは握手を交わした。しかし、もう1つの差し出された手には答えなかった。

?」

 拒んだ手の主から、戸惑い気味に上がる声。

「たとえ相手が先輩であっても、これだけは言っておきます。
 私、初対面の相手にあんなことする人は嫌いですから」




黒マント製作機から
 キラとヒロインの間は、のっけから溝が出来てます。
 ヒロインによる『嫌い』宣言……ドリー夢ですか、これ?
 このあとどうなるんでしょうねぇ……。
 って、書くのは自分です。鋭意頑張ります。

To NEXT