「……お前なぁ、何自分から壁作るような行為してるんだよ」

 俺は自室に入りかけたを捕まえ、軽く拳骨を落とした。

「だって……これ以上は私に関わらない方がいいと思ったから……。
 今回のことだって……。
 ミリィが私のことを気にしてくれる分、彼女と一緒のトール先輩も私のそばにいるようになって。
 だからフレイ嬢があんなことを言い出したんですよ。
 だったらもう、怖がらせるような真似をして見せてでも、私と関わらせない方がいいんです。
 私は関係のない人を傷付けてしまうのは嫌ですから……」

、お前何を考えてる?」

「別に何も考えてませんよ。
 ……ただあの日、救命ポッドを動かして皆を助けるためにでしゃばったことが、平穏を壊していった。
 それだけを悔やむ日々が続いていますけど……。
 私は本当は、あの『血のバレンタイン』で死んでる身なんです。たまたまユニウスセブンから離れてただけ。
 乗ったシャトルが1時間でも早くたどり着いていたら、私は今頃デブリで浮かぶ1人でしたし。
 生き残った私が無事に暮らしたかったのなら、射出されたポッドを動かなければよかったんです。
 ポッドを動かして助かろうなんてするんじゃなかった。
 そうしたらコーディネイターだからって差別されて、それが回りにまで及ばなかったのにッ……」

「でもお前がポッドを動かしたからこそ、AAに乗れたんだろう? 俺は妹に会えて嬉しいんだぞ?」

「嘘だぁ……レガール兄は再会した時だって平気な顔してて……」

「あの狸親父の前で兄妹だって口にしたら、お前はどんな目にあうかわからなかったんだしな。
 にしても、あんだけ強くなったって見せ付けた割には、相変わらず泣き虫だなぁ」

「……だって、だって……」

 抱きついてしゃくりあげる妹の髪に、苦笑しながら俺はそっとキスを落としてやる。……昔、怖い夢を見ては眠れないと泣いていたときのように。

「……懐かしいね。お兄ちゃんのその行動」

「もうすぐ俺の代わりにしてくれる奴が現れるさ」

「いないよ、そんな人は現れない。私なんて、一般的な男の人が好むか弱さなんてないし。
 そりゃ見かけは筋肉も付いていない普通の子だろうけど……本当のこと知って近付いてくる物好きはいない。
 少なくともこの艦内でそんな物好きは現れないよ」

「おやおや、お前は物好きなんだとさ」

「かも知れませんね」

 俺は軽く突き飛ばす。は背後の人物にきれいに受け止められた。それが誰かわかった瞬間には裏拳を叩き込もうとして、両手とも止められた。

「ヤマト少尉、俺はまだお前を認めたわけじゃないぞ?」

「わかってます。でも、いつかは認めさせてみせますから」

「……認めないとか認めさせるとか、一体何の話を……」

「言って欲しいのか?」

「言わせたい?」

「……神様、類は友を呼ばないでください……」

 『失礼な』と俺はもう一度の頭に拳骨を落とし、その場を立ち去った。



黒マント製作機から
 次はキラとヒロインを絡ませます。

 自分のせいで他人が傷つくことが一番怖い。
 だから関わってほしくないのに、どうしてあなたは近寄ってくるの?
 このままだと私は……。


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