笑わない数学者
MATHEMATICAL GOODBYE

  那古野駅前のナナちゃん人形で、西之園萌絵と待ち合わせの約束であった。   ナナちゃん人形を最初に見たとき、とても恐ろしかったことを覚えています。とても無機質なのに、年中行事にまつわる服を着せられて    いることが多くて、それが一番気持ち悪い(笑) 「もぐらのチカちゃんって、知ってる?」   知らない・・・・・・・・・。 「帯に短し襷に長し・・・・、じゃないかな」   おもしろい。 「ああ、やっと、数少ない共通の友人がいたね・・・・」    このお友達は知ってたんだけど、やっぱりもぐらのチカちゃんが・・・・・・・。 「一番、下品な格言って知ってる?」    ここでいう「働くこと」と「創造」は完全に違うものですね。  「定義できるものが、すなわち存在するものである」   命題ですね。 「史上最大のトリックとは何かな?」 (人々に神がいると信じさせたことだ)   今も生き続けているトリックですね。ちなみに、史上5大嘘に入るであろうと予想されるのは、「ノストラダムスの恐怖の大王説」    ですね(笑) 「その変な精神攻撃をやめてほしいな・・・・・」   精神攻撃って言い方が、お気に入り。ちょっとエヴァっぽい(笑) テレフォンカードのような薄弱さと、ドーナッツのような幼稚さに、呆れながらも・・・・・、 彼は、烏の嘴みたいに頑固に、まだそう信じている。   犀川先生の、ちょっとした弱さが露出しました。これは、完全な「防御」ですね。 「先生、素朴と単純ってどこが違うかしら?」   ニホンゴ、ムズカシイデス。   「料理が特に上手いよね」   犀川先生って、イジワル(笑) 「肉体がする行為はいずれも小事だ。トゥリビアルだ」    トゥリビアルなことは、意外に多い。 「バニーガールの耳みたいなものです」   先生がバニーガールを知っていたなんて(笑) 「上って・・・・、天井に誰かいるんですか?」    なんちゅーか、萌絵ちゃんがすでに「上」なように思ったり(笑)私から見たら、天井どころかお空のお星様ですわ。 犀川と喜多がファーストネームで呼び合うのを聞いたとき、萌絵には少々新鮮だった。   ちょっと待てぇい!!!喜多先生が「創平」って呼ぶのは聞いたことあるけど、犀川先生が「北斗」って呼んだのは     聞いたことがないぞぉ。呼び合ってないじゃーん。 「何?タンマって?」「どこの言葉?それ・・・・」    たしかに・・・・・、「タンマ」って言う人、もうあんまりいないなぁ。これまた、死語か!? 「どこを考えたら良いのか、というのが、一番の考えどころなんです」   これが、どこが問題点かを見つける力ですね。いっちばん、大切なこと。   「彼女たち・・・・、犀川先生を見たいからって、ついてきたんです」   これは、萌絵ちゃんらしくない、すごく失礼なセリフですねぇ。「見たいから」ってのが、いけません。本人を前にして、言うセリフ    かいな・・・・・・。 「そりゃ、料理が下手だからじゃあ?」   禁句でした、これ。 「なんて遅いのかしらこの白バイ・・・・・。シティマラソンじゃないんだから・・・・。 もうこれじゃぁ、制限速度だわぁ」   制限速度で走りなさいよ(笑)萌絵ちゃんは、スピード狂ですねぇ、ほんと。峠とか攻めてたらどうしよう(笑) 「僕の責任だ・・・・・・」   探偵は、いつも自分の推理で犯人を追い詰めて、たまに大変なことになります。人間相手は大変です、ほんと。 「でも、良かったじゃないですか?私たち、何事もなかったんですから」   完全に萌絵ちゃんの手中の萩原刑事。っていうか、犀川シリーズに出てくる刑事さんって、みんなすごく素敵だ。    脇役だから、素敵に見えるのかしら。(問題発言) 「話しを戻しましょうか」    大学の先生は、知ってることを全部口に出したがる人が多いから、話しを聞き出すと、絶対に長くなる。  「チェスメン・フロム・ザ・ゴァード」    確かに、そのまま「瓢箪から駒」だけど(笑) 「綺麗な目をしていた。綺麗な見方のできる若者だった」   綺麗な見方って、どういうことを言うんだろう。まだ、私の中では定義できない。 そう定義したかったのだ。   弱気な犀川先生。でも、それでいいんだと思います。 負け方を考えることは、気の利いたジョークを思いつくよりも、はるかに難しいものだ    負け方を考えるのは、勝利を超越しないとできないですね。本当に、難しい。 「君が決めるんだ」    この作品の全てを統括するセリフだと思います。とても、勇気づけられる、言葉です。    全ての場面において「自分が決める」ことを心に決めていれば、いつでもどこでも自由でいられるような気がします。

これに出てくる、ビリヤードの玉の問題ですが、森先生のHPに答えがのっていたような気がするんですが、 一体どこにあったのか、分からなくなりました(T_T) 誰か、知ってる人、教えてください・・・・・・。 というわけで、「笑わない数学者」ですが、これは、トリックも、オリオン像の謎もわかりました。 私が推理小説を読む時に、犯人を自力で見つけてやるぜ!と思うことはないのですが、自然に分かることも たまにあります(笑)それが今回でした。 聞いてみると、みんな、結構わかったみたいですね(笑)なぁ〜んだ。 しかも、これは簡単なトリックをわざと使っておいて、さらに上の逆説トリックがあったという。 あぁ、森先生の手のひらで遊ばれている(笑) 萌絵ちゃんと犀川先生の関係が、学部中の噂になっていることが、判明(笑) 「いつ結婚するんですか?」なんて聞かれて、オタオタしてましたねぇ。どんな噂なのか、具体的に 聞いてみたいような気がする・・・・・。 でも、結婚なんて話しが出てたら、萌絵ちゃん、あんなにヤキモチやかないですからね(笑)ははは。 このお話は、「定義すること」が主軸になっています。 天王寺博士の言うことは、極論すぎて、一般ピープルの私にはいまいち意味不明、というよりは、実行不可能 なのですが、いろいろ参考になりますね。(詳しく「何の?」とは聞かないように) 完全に、禅問答です(笑) 最後の「君が決めるんだ」というセリフを読んだとき、鳥肌が立ちました。全ての真理ですね。 森先生は、最後の1行に一番悩むと仰っています。やっぱり、小説は、最後がポイント。私も書く時はそうですね。 この作品も、最後の1行が、一番大切です。重い! さて、結局「彼」は誰だったのか。 こういう、んー?っていうのが残っているのが、森作品の魅力だと思います。
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