封印再度
WHO INSIDE

 「知らないままの方が、綺麗だ。」
ビルの屋上に、<生活倉庫>と書かれた黄色地に黒文字の大きな看板がのっている。
  知っているところが出たのが嬉しかった。ただそれだけ(笑)


「自信と・・・・・、信仰ですか?」
  さすが・・・・・。


「もうね、二十年くらい相変わらずなんだ、彼・・・・」
  生まれた時から、相変わらずなんだろうなぁ。でも、私もそうかも・・・・・。


・・・・・幼稚な忘れ物のためかもしれなかった。
   私はこの手の「幼稚な忘れ物」ばっかりあります。でも、それでいいとも思っている。


「カッコいいって、流線型とか?」
   どんな人間だーーー(笑)この後の、浜中さんのセリフもすごい。 


浜中は、まだバビンの思い出に笑いをかみ殺している。
  バビンは、めちゃくちゃおもしろい人みたいだ。ちなみに私は、自分のしたことを思い出して、よく思い出し笑いをする。


「ついさきほどですけど、先生からも、お電話がありましたわ」
  全てお見通しの神通力をお持ちのようでございます(笑)


「やいてる?」
「女へんに石です」
  こういう喧嘩は、二人にとったら大変なことだろうけど、端から見ている分にはおもしろい。


「犀川先生の授業に出てこないなんて、何事でしょう?」
  洋子ちゃん、ナイス。


「泣いているわけないでしょう!」
  この後の、萌絵ちゃんのセリフはめちゃくちゃおもしろい(笑)「データを採っているのね?」とか、「矯正ギブスなんですね?」
  とか(笑)この発想がいいですなー。ちなみに、ついこの間私も、「だれかが私を試しているのね?」と思ったことがありました(笑)
 

「うん・・・・、美味しいけど、これ、見かけは悪いね」
  どっちかというと、逆にした方がいいと思う。


喜多だったら・・・・。
これは困ったことになった、と犀川は少し動揺した。
   なぜ喜多先生からの電話を萌絵ちゃんが取ったら、他の人の場合よりも困るのだろうか・・・・・。ここ、突っ込んでもいいの?


「赤ちゃんができたらどうする?」
  かなり計算されたアダルトなネタでしたね・・・・・・。しっかり、ひっかかった私も私だが。いや、ちょっとだけね。


そんな些細な沈黙が、犀川のプライドだったからである。
   そのプライドのおかげで、萌絵ちゃんは、日々やきもきしているのですね。


「試してみます?」
  なんか、一気にアダルトな萌絵ちゃん(笑)こんなのされたら、誰だって、クラクラーーーってなるよね。


人間って結局、自分のことで涙を流すのだ、と萌絵は思った。
   本当にそう思う。


国枝桃子です。
西之園さん。ごちそうさま。
  丸い!丸くなりすぎです、国枝先生(笑)でも、国枝先生は、本当に素敵だと思う。
 

「私が酷く非観的な想像をしていたものですから・・・・・。」
  どんな想像だったのか、ものすごく知りたい(笑)


「パーマンの妹っていうんだ」
  パーマンに妹っていたかしら・・・・と真剣に悩んでしまった(笑)しかし、萌絵ちゃんは、パーマンの時点で分からなかったらしい。


「いない確率九十三パーセント」
  あとの6パーセントは何なんだろう。


「モエさんはどこ?」
  裕介くんは、本当に天才なんじゃないかと思うね。いや、マジで。


「君は滝に行きなさい」
  このくだりの説明は、完全にネタばれになっちゃうからできないのだけど、萌絵ちゃんの気持ちになって、すごく泣きそうに嬉しかった
   のでした(笑)


「その一日だけ、僕は天才だった」
   天才な人というのはいない、その時にその人が天才だったということだ、というのは森先生の天才論ですが、本当にそうかも
   しれないなーと思った。今、天才の人にも、かつて天才だった人にも、御会いしたことがないのだけれど。 


「だいたい、料理ってのはさ、二千円を越えると、コストパフォーマンスが低下するからね」
   前に、5千円の天麩羅料理をごちそうしてもらったことがあったけど、物凄くおいしくて、これ以上高い天麩羅料理って、
   どんな風においしいのだろうか・・・・と疑問に思ったことがあるけれど(笑)こういうことなのか・・・・・。


「たちまち機嫌を直しますカードの一枚目だ」
  すぐに一枚目を使っているということは、あっというまに、10枚すべてなくなったのだろう。


「ハッカの飴をなめたあとで、牛乳を飲むみたいな・・・・・」
  やっぱりこれは、最悪のパターンだよね。


「もう、おやめになった方が良いわ。どんどん、印象が悪くなってますから・・・・」
   犀川先生のジョークは、一般的にすべりまくるらしい。


「結局ね、すべての記念日は、真珠と同じだってこと」
   この表現、とにかく物凄く綺麗です。


「やっぱり、君は怒ったね」
   萌絵ちゃんは、犀川先生といると、最低1回は怒るのではないか?


このお話は、とにかく犀川先生と萌絵ちゃんの関係というのにスポットがあたっているような気がしますね。
他の内容も、「禅」という感じでものすごく難しくて素敵だったのだけど、萌絵ちゃん贔屓の私としては、 「そんなことよりも、犀川先生の行動が重要なんです!」って、萌絵ちゃんを代弁して言いたいですね(笑) 「そんなことって言い方はないだろ」って、犀川先生に嗜められそうだけど。 クリスマスの日のところも、例の日のところも、ものすごく楽しい。上のところにも書いたけど、萌絵ちゃんが 激怒するクリスマスは、かなりおもしろいですね。「エクセルで折れ線グラフでも描いてるんでしょう」とかって(笑) あの発想が、本当にいいですなぁ。 あぁやって怒ってみたいものだ・・・・・・。というか、いつも怒られる方ですね、私は(^_^;) あー、この辺りのところ、ネタばれでガンガン、ガンガン語りたい!(笑) 「封印再度」で、例の日の話しを書けないなんて、森先生の研究室の前まで行って、ノックせずに帰らなければ いけないみたい。(どんな例えだ) まぁいいでしょう、いつか機会があれば、ネタばれのページを作りたいと思いまする。 さて、私がこの作品の中で一番好きなところはといいますと・・・・・。あえて、上の名言のところには 書き出しませんでした。 「模写」とは?という萌絵ちゃんの問いに、香山マリモさんが答えた言葉。
「何かを生み出したい。自分だけのものを創作したい。つまり、そんな意欲を、すべて滅するためだわ」 これは、ハッ!としました。普段考えもしないことですからねー、こうやって提示されると、目から鱗ですね。(言い過ぎ) 私は、こういう意欲は捨てきれないでしょう。というか、滅しようとも思わない。弱い人間だから、吐き出さないと 生きていけないんですよね。それを乗り越えた人が、こういう抑の方向に動くのでしょう。 奥が深かったです。 萌絵ちゃんの叔母さまが、初登場です。かなり強烈なキャラクターでいい感じ。 最初は、ただのお世話好きのおばさんという印象だったのだけど、シリーズが進むにつれて、全く違うものになって きました。それも、森先生の計算なのかな? ちなみにこの新書判の裏表紙には、京極氏の推薦文があるのですが、これを読んで、素直に「おもしろそう」と 思う人は、なかなかいないような気がします(笑)あと、「簡単に読めそう」と思う人は、皆無でしょう。 けなしているわけではありません、それがいいと思うんですから。 京極氏は、かなり誉めてると思います(笑) というわけで、禅問答がお好きな方、犀川先生と萌絵ちゃんの気持ちの動向が気になる方は、「封印再度」をどうぞ(^_^) 「封印再度」が、文庫になるのは、2000年の3月の予定らしいです。待てる人いるの?
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