記念すべき第1回!

ACT.1 闇の世界より…

月刊少年ジャンプ1987年12月号掲載
JC版・JCS版1巻収録

イメージソング:荒野の果てに(山下雄三)


バイト帰りの高校生・ナツミは、路地裏で人が殺される現場を目撃する。
「静かに!あんたを殺したくない…」後ろから口を塞がれるナツミ。
「あなたが殺したの?」「同情無用!こいつも人殺しだ。こいつに彼女を殺された男がいてね、俺は金で雇われた殺しの代理人さ」
「なんでそんなことを…」「世の中には人を殺せる人間と殺せない人間がいる、それだけのことさ」
口から手を離す男。ナツミはその手にペンダコを見つける。
「闇の世界には首をつっこむな、このまま立ち去るんだ、いいね」闇に消える男。
”闇の世界…”息を飲むナツミ。

南高、間と美崎のクラス、歴史の授業。突然、チンピラ3人が教室に入ってくる。
「中西先生いるかい!先生、金はできたのかよ、八百万はよォ!」中西は妻の手術のために借金をしていて、彼らは利子がわりに中西の爪を奪いにきたのだ。
それに対し、敢然と立ち向かう美崎。取りたて屋のリーダー・島は、彼女に回し蹴りを入れようとするが、彼女をかばった間に炸裂する。
結局、中西の爪は1枚はがされてしまう。

放課後、間と美崎は、歩道橋にたたずむ中西を見つける。今回の1件でクビになってしまった中西、自殺するのではと思った美崎は止めに入る(笑)。
「自殺なんかせんよ、生きてさえいればなんとかなる。みんな、なにかしらつらさをもってがんばっているのだから。」そこに現れた、中西の一人娘・ナツミ(!)
「じゃ、先生、お元気で」「お前らも元気でな」

数日後、家に帰った中西を待ち構えていた島!
「あんた、一千万の生命保険に入ってるんだってね。知ってるかい?契約1年過ぎたら自殺でも保険金がおりるのをさ。死んでくれねェかな…先生」
そう言うなり、中西の腹を殴り気絶させ、ガソリンをまき、家に火を放った!
その頃、駅で偶然ナツミに会った間。公園で話をしている最中、彼女の家の方が火事になっている事に気付き、かけつける2人。
周囲が止めるのを振りきり、中に入るナツミ。追って入った間が見たのは、変わり果てた中西の姿だった。「先生…!」
崩れる家、間はナツミを連れ、外に出る。間は、野次馬の中に島の姿を見つける。”あいつはこのあいだの…”

数日後、風神興業の社長と島の会話「殺しを知ってるのは少ないほうがいい」”やはりな”近くの喫茶店でその会話を盗聴する間。
「それにしてもバカな娘よ、自分の父親が俺達に殺されたとも知らずに金を返しに来るんだからな」ちょうどそこに現れたナツミ!
”しまった”立ちあがる間。「ひどい、そんなことしなくても父さんはっ…」彼女を殺そうとする2人、必死で逃げるナツミ。
「静かに!こっちだ」彼女を路地裏に引き込む間。「あなた…このあいだの…」ナツミは意を決し、2人を殺す依頼をする
「ここに十万しかありませんが、足りなければ必ず払います。お願いします!」
「俺は金額で殺るんじゃねェ、金に染み込んだ涙の重さで殺る。この依頼、たしかに受けた。あんたはこのまま振り向かないでまっすぐ帰れ」
立ち去る彼女を見送り、メガネをはずす間!

ナツミを見失った島の前にたちはだかる間!
「こんばんは、取りたて屋の島さん。このあいだはどうも…」「ホウ、あのときの学生さんか…メガネはダテかい?」互いに歩み寄る2人。
「おまえさん何者だい?急所をさけて俺のケリを受けやがって。」「ただの…高校生さ。」
すれ違いざまに島のケリが放たれる!それをかわした間は武器の定規をかまえる!がらあきになった島の腹部に一閃!
ズン!
「悪いが、あんたと遊んでいるヒマはねェんだ。あとひとりいるんでね。アバヨ」定規を抜き、島を突き放つ間。島はフラフラとゴミかごの中に落ち、息絶えた。

風神興業の社長はナツミが置いていった金の勘定をしていた。
突然事務所が停電に。その停電が組の中だけだと分かり、社長は組員達に表をはらせる。
「まったく、こんな時に…もっとも、とてもここまでは入れまいがな。」その時、外で雷鳴がとどろき、社長の背後に、背中から定規を抜く間が!
社長をつかまえる間「だっ、誰…」「極道(バカ)は極道(バカ)同士で…ドシュッ!…殺りあってりゃいいんだよ」ズバッ!

祖母の田舎に帰るナツミを見送る間と美崎。握手した間の手に、ペンダコを見つけたナツミは、彼が父のカタキをとった闇狩人であった事を知る。
「間さん…ありがとうございました。」しかしその声は駅のベル音にかき消される。
「さっきナツミちゃん、何て言ってたの?」「愛してるってさ♪」
ゴキッ!(笑)

「そーーかよっ」”何か悪い事言ったかよ、つ〜”


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