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MATRIX大辞典
さ行
- ザイオン(zion)
・議論の分かれる事の多い『最後の人間の住む所』(タンク談)。
とりあえず場所の名前である事は解るのだが、パスワードが入る際に必要だったり、コンピューターと
密接に関わっている事が予想される。タンクの話だと、『マグマの近く』なのだそうだが、
地熱を生活手段に利用しているということなのでしょうか。
エージェント達が必死になって捜している。彼等の任務はこの街にあるらしい。
・一般的に日本ではシオンと読む。聖書にて良く出てくる地名または意味。
エルサレムの全体、若しくは一部を指し示す言葉であり、かつては要害であった。
イスラエル人からは「神の住まい」「聖なる山」と敬愛の対象となっており、ソロモン王がかつて
神殿をそこに建てた時から『シオンの丘』と呼ばれる様になった。
・終末的な祝福の中心的な存在である、理想化されたエルサレム。また、新約聖書以降は、完成された、
永遠に祝福された世界という意味付けがなされている。
・ちなみに、シオンの意味でもうひとつ、「荒廃」という意味でついている町の名前もあるらしい。
・ザイオン、そこには何があるのか。タンクやドーザー達のような純粋に人間達の隠れ住む街だと
いう解釈も出来るし、やはりそこでは何かしらのコンピューターで管理された眠れる人間達が
理想の夢を見ながらカプセルに並んでいるのかもしれない。人間の欲望は否定できないが故に。
夢から目覚めても、そこはまた違う夢の続き・・・。
目を開いていても、閉じていても同じなのかもしれない。
・かのサイバーパンクの始祖、ウィリアム・ギブソンの『ニューロマンサー』に出てくる地名である。(情報提供:いるか様)(今本が実家にあるのさ・・・・詳細はまた後に。)
- サイファー(Cyper)
・ネブカドネザル号の乗り組み員。本名はReaganと言うらしい。やはりハッカーかなにかの類いらしい。
マトリックスのコードを直感で解読することがが出来る。マトリックスの存在をしってからはや9年。
やっぱり味気のない現実とやらにもういい加減飽き飽きしている。ある意味、人間の代表。
・皆での食事のシーンで、良く見ると彼だけ壁に面して離れて座っている。
そんなに仲が悪いのか。こんな限られた空間で村八分は辛かろうに。
・彼の本名らしきレーガンという名前、パッと思い付くのは俳優から転進した、レーガン元大統領。
それならステーキのシーンでサイファーが、「偉いやつに、俳優になりたいな」と言っていたのがなんとなく頷ける。ひっかけてるのかな?
・サイファー(Cypher)の名前は、一般に暗号、暗号文書、またはそのキー、という意味がある。
または、つまらない人物。まさに彼の能力と気分を表している。彼の目の前で何人もの候補が死んでいき、
ひたすら救世主をまだなお夢見つづける人達を彼は、醒めた目で、しかしひきかえはぐれてしまっている
空しさに絶望感を覚えながら眺めていたのだろうか。スクリプトの方にはより生々しいサイファーの
感情が描かれているようだ。
・演じているのは、ジョー・パントリアーノ(Joe Pantliano)。
- サウンドトラック(Sound
Track)
・一般に知られるマリリン・マンソンの"ROCK IS DEAD"等の様々なアーチストから
曲が提供されたものを収録されている、
『オリジナル・サウンド・トラック』と呼ばれるものと、
ドン・デイヴィス(Don Davis)の指揮・作曲している『スコア盤』が存在している。
・その他、サントラとして収録されていないもので確認されている音楽に、
アンダーソンが自分のパソコンの前でうたた寝している時にヘッドフォンから
聴いている、Massive Attackの"MEZANINE"というアルバムに収録されている
"Dizolved girl"が確認されている。あと、CMにエニグマが掛かっていたという情報も在る。
・大抵サントラっていうとオリジナル盤の方を指して言っている模様・・・
スコア盤はあんまり売って無いんですよね・・・
・オリジナル盤の日本版には、マトリックスの劇場入場割引券が付いていた。
でも使う人は少ないだろう(笑)。(大して安くならないし。)
- 雑誌(ザッシ)
・資料といわれる一連の出版物のうち、定期刊行物と呼ばれるものたち。
ちなみに私が参考にしている(趣味で買っている)、マトリックス関連の雑誌は
以下の通り。
スターログ日本版1号、2号
かつて日本でのSF関連の総本山的位置にあった1978年創刊のスターログ日本版
(もちろん1977年創刊のアメリカ版が元祖)が1988年休刊、日本でのSFもこれまでとおもいきや、
近年の映像技術の大衆化などに伴い続々と出てきた映画関連の雑誌に紛れて今年ムックとして復活を果たした。
まだこれを書いている99/11現在では2号迄しか出ていないが、使っている図像の質や解説、
特集のレベルはかなり高いように思われる。竹書房。
1号(1999年7月発行)
表紙はスターウォーズのオビワンとクワイ・ガン。エピソード1一色とおもいきや、
中の特集はマトリックスの方がいろいろあるような・・・・一番素晴しいのはアートワークが
パノラマのように三つ折り大画面で入ってる所です。カドカワのマトリックスにも載っていない設定画も
入ってます。しかし、個人的には比較的マトリックス関係では初期にでた割に本質ついたコメントが
よろしい。なぜかマトリックスに関する記事は3箇所にあるのだが、一つにトリニティー役の
キャリー=アン・モスの今までの役柄の話がでていて興味深い。
でもやっぱりSF者としては『帝国通信への道』と『スタートレックフォーラム』の復活が嬉しい・・。
2号(10月頃発行)
コスチューム・ヒロインの特集。かなり集大成な徹底振りで面白い。
エピソード1も少ないながらユアンがなかなか過激なことを言っていたり、重箱の隅を突くような
(でもこれが良い)記事でよい。
マトリックス関連は3Pだけだが、上映後の記事だけに、モーフィアス役のローレンス・フィッシュバーンが
日本のSFアニメ好きであることが発覚、無茶苦茶熱く語っているのがポイント高し。
他にはクローネンバーグのSFX等の特集が個人的ツボ。
映画秘宝
洋泉社から出ている映画&ビデオ本。一言で言うと、『濃い』。アンダーグラウンドな香りに満ちた、
ある意味本来のSF好きの本質を表した雑誌。そういう意味ではレベルは断トツに高い。
13号
表紙からして開き直ったようなダメダメな3DCGネオでかなり脱力。マトリックス特集の先頭カラーは
月刊アフタヌーンでサイバーパンク(っていうのかな?)な『BLAME!』を連載されている弐瓶勉氏の
イラストってとこが素晴しいセンス。インタヴューや特撮を中心に取り上げる他誌とは違い、
マトリックスの本質に迫る周辺のキーワードを掘り返しているのはさすが。
でも、実は一番素晴しいのはしりあがり寿の4コマ、『サラリーマンキアヌ君』だったりして。
他には映画系サイトの特集が便利でした。
ちなみにサングラス特集があって、スウィッチのサングラスモデルが出てます。
14号
一瞬誰?と思ってしまった藤谷文子が表紙。特集は『映画監督になる方法』。
色んな有名監督がいかにオタクで人の道を踏み外している偉大な人物達であるかがよく理解できる。
もちろんウオシャウスキー兄弟もあります。随分誇張してるな〜と思ったら、ウオシャウスキー兄弟の
インタヴューで、そのまんま同じ事を本人達が語っている(笑)。素晴しいです。
ラリーとアンディのコンビネーションがなんとなく垣間見える記事。
別で、マトリックスのフィギュアの写真も大きくでてます。
FRIXSPECIAL NO.3
徳間書店。キアヌ特集号。今までのキアヌ出演作品を全て網羅して解説している。
ファンには垂涎もの。巻頭でマトリックスにページを沢山割いているが、
主にキアヌ・リーヴス個人の話。
GAZO Vol.5
徳間書店。アニメ専門誌の別冊の形をとっているだけあって、アニメ関連の内容が多く、
自然とマトリックスでの監督へのインタヴューでもアニメの話が出る。
それから、唯一『アノ』携帯電話をちゃんと写真でノキアに取材して載せている。
個人的には『トライガン』を連載中の漫画家、内藤泰弘が1Pイラストでマトリックスを語っているのが
面白い。
FX
徳間書店。やや制作サイドに重きをおいた記事。マトリックス関連として特集はあるが、そんなに見る所もない。
PREMIRE10月号
表紙はキアヌ。撮りおろしでかなりいい感じなのがポイント高。それ以外は、普通。
日経CG 9月号、10月号 11月号
これは映像自体に興味ある人は絶対読み!雑誌の性格上、CG担当のマネックス社等CGプロダクションと、
ブレットタイムに関する技術的解説を専門的に説明している。
- 資料 (シリョウ)
・この辞典を書く上で、全く欠かせない大量の書籍達の総称。
雑誌と本がもう家に山積みです・・・・(元からそうだけど)
まだ完全に目を通していないものも沢山ある。別名積ん読。
財布から大量の軍資金を抜き出していくニクい奴。
・「いや〜これ資料になるからさー」と会社の経費で本を買う時にも多用される。
・SF小説から音楽雑誌からアニメに漫画、映画雑誌からパンフに宗教、哲学本、デザイン関連に至るまで・・・
揃えなきゃいけないジャンル広すぎ。
- ステーキ(steak)
・サイファーが他の仲間に秘密でスミスと会っている(変な言い方)高級レストランで出されている。
かなり分厚い。フィレだろうなあ・・・かなりレアな焼き加減。やや軽い渋めの赤ワインと合いそうです。
・肉とは本能的な欲望のままに生きている人間の象徴であり、原罪(sin)と密接に関わっている言葉である。
・マトリックス公式サイトのパスワードの一つである。映画のスタッフロールの一番最後に出てくる。
- 聖書(the Bible)
・主にキリスト教の聖典。カノンとも呼ばれる。
ユダヤ教の聖典の旧約(The Old Testament)と一般に知られる新約聖書
(The New Testament)の二つがある。
・いずれもその成り立ちは現在も非常にあいまいなままで、古代からの色んな文書の寄せ集め、
しかも写本につぐ写本でかなり内容は変遷している。
旧約聖書は旧い神との契約、という意味で、キリスト以前のイスラエルの民の歴史の中での出来事に
関して書かれたもので、神の国の実現と人類の贖罪の準備と予告が大きなテーマで、
モーセ五書(主に歴史と律法)・歴史書・預言書・詩歌の4つのパートから成り立ちます。
(『光あれ』といって混沌に7日で世界を作る話やモーセの十戒なんかは有名なエピソードですね)
そして新約聖書はキリスト以降の話でその神の目的の実現と完成というのが大きなテーマになっています。
内容は、福音書による歴史、手紙(書簡)、そしてかの有名なヨハネの黙示録という啓示の3つで構成
されています。
・非常にたくさんの写本(バージョン)が残されており、つい最近見つかって話題になった死海写本なんかは
旧約聖書の様々な写本で、紀元前2世紀頃のものも含まれかなり古いのですが、完全な写本は10世紀以降の
ものしか残されていません。(ここらへんは沢山関連研究本が出てます)ちなみに原文の成立した年代も
学説の域を出ず、モーセ五書に関してはBC850〜BC450年の間に書かれたものがまとめられたものと
考えられています。でも一説ではBC19世紀な説もあったりして。
新約に関しては大量に写本が残されており、大体1世紀のうちに書かれたものとされています。
・そして二つともマトリックス狂の為の副読本?一言も中では出てこないのにこんなに気になる。
キリスト教の欧米人に残したトラウマは大きい・・・。
・2千年近くからヨーロッパ周辺で唯一読まれ続けているとある宗教のヒット小説。昔からこのかた、
人の心にトラウマを残したり、戦争を産んだり、倒錯趣味を産んだり、でっかい教会建てたり、
現在でもオマージュされまくっている芸術の源泉。それだけ面白いってことですね。
・マリリン・マンソンがライヴ毎に黒地にマークの入った(なんのことだかわかる?)
壇上から"ANTICHRIST SUPERSTAR"という曲にてちぎってばらまいている本。
欲しい。ちょっとくれ。