Q T's CAFE(旧中埜家住宅)の所有は今どうなっているか。客の属性はどうか。
A 旧中埜家住宅は民間が所有。家賃9.1万円/月。客は市外の方も結構多い。観光客が途中で立ち寄ることもある。リピーターもそれなりにある。
Q T's CAFEのきっかけは?
A 空き店舗対策のひとつとして、旧中埜家の向かい側にあったおもちゃ屋をTMOの事務所として借りることになった。入居後その向かい側にある旧中埜家住宅をなんとかならないかと考えたことがきっかけ。国指定重要文化財であり、文化財保護法に文字どおり従うと、火災報知器や消火設備などの安全対策が大変。「軽微なものはその限りでない」という条文を適用してもらうよう県に働きかけ、なんとかOKをもらった。
Q TMH((株)タウンマネジメント半田)の事務所が3階建てでは負担が大きくないか。
A 当初は補助金で空き店舗を賃貸していた。今後の検討課題である。
Q 資本金2000万円のうち、一般580万円の出資者はどういう人か。
A 金融機関が7行、市内企業が26社、個人が17名となっている。
Q 区画整理事業で長期間商業活動が止まる影響はどうか。
A 道路財源が縮小され、財源が手当できなくなり、事業期間の延伸を余儀なくされた。そのためもあり、中心市街地活性化計画を策定し、一般会計の導入を図った。
Q 地価はどうか?
A 全国的には商業地の地価は、昭和63年を1とすると、平成14年は0.58まで下がっている。しかし半田市は、名古屋に近い東海市などよりは下がりにくいようだ。100万/坪→80万/坪といったところ。
Q 区域から出ていった住宅が帰ってくる保証はないが?
A 道路が整備されれば帰ってくると思う。17.7haをランダムに手を付けたのが失敗だった。歯抜け状態を招いている。土地を処分する人は少ない。事業費のうち工事費は少なく、物件移転に金がかかっている。
Q 鉄道連続立体高架についてはどう考えているのか?
A JRとは高架化の協議をしている。名鉄は半田常滑線部分の高架化を進めている。
Q 景観条例とのかねあいはどうか?
A 地区東部のJR東側を特に重点と考えている。保存すべきものに対しては補助を行う制度を持っているが活用事例は少ない。
Q 区画整理を実施することとした動機や経緯は?
A 車社会が進展するなか、昭和56年に大学の先生の講演会があり、半田の中心市街地の衰退の危機が指摘された。これを元に市議会が動いた。昭和63年に基本調査、平成2年事業計画、平成6年仮換地指定と進んできた。
Q 区画整理によっても東西軸が抜けないなど、問題解決にならないのではないか。
A 指摘の点は鉄道高架ができないと解決しない。だが今は、そのタイミングにはない。道路整備を主体とするよりは、駅前商店街を何とかしたいというのが先にあった。
Q 住宅地にしてはりっぱな道だが、鉄道に挟まれ通り抜けないのでは意味がないのではないか。また、商業地区は地区計画により、下駄履きの住宅しか許容していないのに、車が寄りつけない道路計画となっており、これでは商店経営はなりたたないのではないか。道路計画と土地利用計画が整合していないのではないか。
A 幹線は道路特定財源による補助が期待できる。区画整理の事業費を生み出すため、幹線道路が必要以上に大きくなった傾向はある。
Q 再開発では、4〜6階を駐車場とする計画だが、あまり一般的ではないように思うが?
A 住宅系再開発補助の対象となる。4,5階は一般駐車場、6階は住宅用で計300台分を予定。底地地権者のうち大手企業が1/3、市が1/3を所有している。
住宅は83u/戸、90戸を考えている。地区内の分譲マンションは90m2以上で早期に完売している状況であり、2100万円/戸ならリーズナブルと考えていた。販売を住宅供給公社に要請している。参加組合員、あるいは特定建設事業者制度を活用することも必要かと思う。
Q 83uのマンションは、分譲には小さく、賃貸には大きい中途半端な規模のように思う。場合によっては住宅はなくてもいいのではないか。
A 商業床での購買力を考えると、住宅はなくてはならない、と考えている。