2004/11/20

参加者:計13名
国府宮神社楼門(室町・国重文)
JR稲沢駅と稲沢駅東区画整理地区(グリーンスパーク稲沢21)
 
           JR稲沢駅                                駅自由通路・鉄軌道・駅前広場
 
駅自由通路                           駅前広場とグリーンスパーク開発            
  • 駅東の区画整理は、どういう風に埋まるのだろうか? 名古屋まで10分という地の利はあるが、一宮は快速が止まるし名鉄も使えるし名古屋まで15分だ。どういう魅力がこちらにあるのだろう。10年20年先にこちらに備わるべき魅力をしっかり考えて勝負すればいいのだろうか。勝負は10年20年先にある、その時に負けない、そんな考え方がいるのかもしれない。
  • 住宅は名古屋から人を引っ張るには、「稲沢市に住む」ことの魅力に乏しい。かと言って、稲沢以西から稲沢に住むという需要は小さい。通勤立地はよいので、外からわかりやすい魅力にすることが必要だ。
  • 駅東の区画整理は、進展がすごくゆっくりだと思っていたが、ようやく形になってきたという感想を持った。市の努力の結果。時間をかければ次第に成熟するのではないか。どこまで我慢できるか。
  • JR東海道本線の駅前で名古屋駅から10分という立地は、非常に貴重だ。全国や愛知県全体でシェアする施設の立地の適地だと思う。長期的・広域的展望を持って、国・県・その他の団体に売り込んでゆくのがよい。住宅に用途が決まった区画以外は、住宅を導入しない方が良いと思う。
JR稲沢駅〜国府宮
  
      JR駅南側・県営住宅が見える            JR駅前から西を見る                  駅前通り
  
JR駅前通りの状況。昭和20〜30年代の区画整理でできた道路・区画に駐車場や畑が散見される
  
尾張大國霊神社(国府宮神社)参道と鳥居/小正市民センター・図書館・都市機構住宅/中高記念館(M13築の高等小学校舎)
  
太鼓橋          はだか祭り見物用桟敷(祭り時には仮設桟敷が多数出現)   国府宮神社拝殿      
  • 緑も多く、道路も広く、静かでいい街かも。もっと豊かな居住空間ができるといい。
  • 商店街が、沿道型中心になっている。古い町は、落ち着いているが、はやっている感じがない。
  • 地区市民センターの活用は、利点欠点はあったものの、とてもよい実践だったのではないか。これを、よりよく運営されるように変化もさせながら、稲沢の特徴にしてほしい。コミュニティの活性化が、今後の都市の力を決めるのではないか。
  • 国府宮神社のはだか祭り見学用桟敷は面白い。
  • 国府宮神社は稲沢にとってはとても大事な宝であり、その景観を守ることに本腰を入れる時期だと思う。
国府宮神社〜名鉄国府宮駅以西
  
                     高層・中層・低層と思い思いの共同住宅が乱立する名鉄国府宮駅周辺
  
名鉄国府宮駅(改札が地下にあり駅舎は見えない・左は駐車場とバスターミナル)/駅南の状況/駅西通りの空き地は駐車場に。奥にはホテル
  • 「道路計画はあっても都市計画がない」という意見があったが、戸建て住宅、低層アパート、中高層住宅がてんでばらばらに散在し、その間に無味乾燥な駐車場が埋め尽くす景観は、歩いているうちに次第に殺伐とした気持ちになってきた。
  • ふだんほとんど車で移動していると、こうした景観に対する疑問なども生まれないのかもしれないが、こうした景観を放置しておくと、子どもの心・成長にも悪影響が出るのではないかと心配になる。経済原理で支配され、人の心を寄せ付けない街。景観計画の策定を検討したらどうか。
  • 稲沢は、大体は中層までの高さが似合う都市だと思う。マンションは程々にする方がよい。高層を限定的に許す地域を考えることも必要かもしれない。
美濃路と稲葉宿
  
ムクリのある屋根  
   
         土蔵                     酒屋                                    「右つしま」と書かれた道標
  • 稲沢にこんな町並みがあるとは知らなかった。建物単体の価値は、同じ美濃路の尾西(起宿)や西枇杷島よりも上かもしれない。
  • 稲沢市のパンフレットにも、寺社の紹介はあっても美濃路の記述は少ない。市としてその価値を見直し、散策路に入れるなど、もっとみんなに見てもらうようにするとよい。地元の建築士会等と連携して、景観資源の調査・評価をきっちり行い、景観の保全・活用について検討してゆく展開が必要である。
  • 古い町はそれなりの魅力を持つ。町並みも残っているし、いやな戦後の看板を取れば、古い統一性が回復できそうだ。金をかけてもすぐ戻るわけではないだろうから大変だが、地元住民の話し合いをゆっくり待ちたい。地元で一生懸命になる仕掛け人を援助するコンサルタントやNPOなどの取り組みを支援することが必要だろう。
  • 稲葉宿から荻須美術館に至る間で見た田園と集落の風景は、田園都市・稲沢らしい景観だと感じた。
荻須美術館と稲沢公園
 
          稲沢市保険センター                          荻須記念美術館
  
      稲沢公園入り口の時計塔                  名古屋文理大学           荻須記念美術館内に再建されたパリのアトリエ
  • 稲沢市の財産。いち早くこうした美術館をつくったのは先見性があった。美術館・大学・工場等のある一画を活かす都市計画が必要だ。
  • 美術館はとてもよい。学芸員も良い話をしてくれた。アプローチ・後庭もよい。もっと世の中にアピールしていく工夫が要るのではないか。例えば、(1) しっかりした解説付き美術鑑賞を県下の中学・高校へPRする、(2) 近隣市町村(企画課)等へ集団見学歓迎をアピールする、(3) 尾西市の三岸美術館と連携して両方に来てもらう など、もっと工夫の余地があるのでは考える。
  • 大学はどうもまちづくりと連携していないようだ。うまく協働の仕組みを作っていくことがよい。様々な視点から街を長期にわたって観察してもらえれば、必ず成果がでてくるはず。双方が気長に付き合うことが必要だと思う。
  • 町の魅力(町家・はだか祭り・・)を市民に写生してもらい、荻須美術館賞等で表彰して、市民の街への関心を盛り上げるとともに、美術館を身近に感じられるようにすることも考えられる。
  • これまでの見学の中でもダントツに長く歩いた。逆にいうと、まち歩きのコースとなるようなところがまとまって存在していないとも言える。または、まちの資源が見つかってない、活用されていない、ということかも。稲沢は立地条件には優れているが、まちなかの魅力づくりが必要だと感じた。美濃路にあった近代建築物など、活用できそうな資源はある。歩いて楽しめるまちになるよう、まちのあちこちに魅力がほしい。