6.2 .drectveセクション(オブジェクトのみ)

セクション ヘッダにIMAGE_SCN_LNK_INFO フラグがセットされているセクションは「directive」セクションです。規約により、そのようなセクションには.drectve という名前もあります。リンカは情報を処理した後で.drectve セクションを削除し、それがリンクされるイメージ ファイルの中に現れないようにします。IMAGE_SCN_LNK_INFOによってマークされているセクションは.drectve という名前にはならず、リンカに無視されて破棄されます。

.drectve セクションは、ASCIIテキストの文字列からなります。この文字列は、スペースによって区切られた一連のリンカオプションです(各オプションは、ハイフン、オプション名、および適切な属性を含んでいます)。.drectve セクションには再配置や行番号があってはなりません。

.drectve セクションの中で、オプションの前に付くハイフンの直後に疑問符があり(たとえば -?export)、そのオプションが有効な命令として認識されない場合、リンカはそれを無視しなければなりません。これにより、コンパイラとリンカは、新しい命令がアプリケーションを正しくリンクするために必須のものでない限り、既存のリンカとの互換性を維持したまま新しい命令を追加することができます。たとえば、その命令がリンク時の最適化を行うためのものであれば、それを認識できないリンカがあってもそれは許容範囲ということになります。


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