ハンティング

冬の朝など、寒い時のエンジンの暖気中の状況を考えてみよう。

最初、サーモスタットは閉じており、冷却液はエンジン内部だけで循環する。 やがて、水温が高くなりサーモスタットが開くと、 ラジエターや、ラジエターとエンジンを繋ぐパイプの中の外気にさらされていた冷たい水が 一気にエンジンに流れ込む。
当然、冷却液温度は下がるので、サーモスタットもまた閉じることになる。 またそこからエンジン内部だけで循環し、温度が上がると、 サーモスタットが開き、また冷えた冷却液が流れ込み、サーモスタットがまた閉じる・・・。

といったことが、数回繰り返され、やっと全冷却液が適温となる。
このように、一時的ながらもサーモスタットが開いたり閉じたりする現象を、 サーモスタットのハンティング現象と呼び、 エンジンにとって当然、良くは無い。


--- 余談 ---

エンジンにチューンを施し、馬力アップすると、当然発熱量は増大する。 よって、より冷却性能も高める必要が出てくる。

※セブンは何もしなくてもアッツアツですが・・・
雑誌などで、
「熱くなったエンジンはローテンプサーモで冷やせ」
とか書いてるのをたまに見かける。 このページを読んだ方、よ〜〜〜く考えてみてください。
※ローテンプサーモとはより低い温度で開くサーモスタットってこと
例えば、85℃で全開となるサーモスタットと、 75℃で全開となる(ローテンプ)サーモスタットがあったとしよう。
85℃のサーモスタットを付けていて、水温が100℃を超えてしまうようなエンジンの場合、 75℃で全開となるサーモスタットでも水温は100℃を超えます当然です
もちろん、現在85℃で安定していて、さらに水温を80℃で安定させたい場合には、 ローテンプサーモに交換する必要が出てきますがね。
でも、ローテンプサーモにすると、なかなかエンジンが暖まらない (完全に暖まってないのに開弁するため)ことがあるので、 レース専用でなければ冬場は止めておいた方がいいです。

雑誌に書いてあることをそのまま鵜呑みにしてしまわない様に注意しましょう。

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