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第 14 章 オートメーションと VISIO オブジェクト モデル

セクション 2   Visio オブジェクト モデル

Visio® のオブジェクト モデルは、オートメーションを通じて Visio エンジンにより公開されるオブジェクト、プロパティ、メソッド、およびイベントを表します。さらに、このオブジェクト モデルはオブジェクト間の相互関係を示します。

モデル内のほとんどのオブジェクトは、画面に表示される選択可能な Visio ユーザー インターフェース項目を表すことができます。たとえば、Shape オブジェクトは、オブジェクト選択ツールを使用して選択できる Visio の図面ページ上の任意のオブジェクト (図形、グループ、ガイド、または別のアプリケーションから Visio 図面にリンク、埋め込み、またはインポートされたオブジェクトなど) を表すことができます。

Visio オブジェクト モデル

Visio のオブジェクトは、Visio のインスタンス内にあります。つまり、Visio インスタンスの内部では VBA コードが実行され、目的のオブジェクトへのアクセスが行われます。一方、外部プログラムは、Visio のインスタンス外で実行されます。この場合外部プログラムは、まず Visio を起動します。Visio が既に起動されている場合は、Visio のインスタンスを取得します。次に、目的の Visio オブジェクトにアクセスします。

オブジェクトの中には、他のオブジェクトのコレクションを表すものもあります。1 つのコレクションには、特定の種類のオブジェクトが複数含まれます (オブジェクトの数が 0 のコレクションもあります)。たとえば、Document オブジェクトは Visio インスタンスで開いている 1 つの図面を表し、Documents コレクションは、インスタンスで開いているすべての図面を表します。コレクションの詳細については、「セクション 3   Visio オブジェクトの取得と解放」の「コレクション内のオブジェクトの参照」を参照してください。

 



Visio の 多くの UI オブジェクトは、Visio ユーザー インターフェースの図面ページに表示される項目と対応しています。

  1. Application/グローバル オブジェクト
  2. Document オブジェクト
  3. Page オブジェクト
  4. Master オブジェクト
  5. Selection オブジェクト
  6. Shape オブジェクト
  7. Window オブジェクト

Visio オブジェクトを使用するプロセスは、2 つのステップで構成されます。まず、オブジェクトの参照を取得し、次にオブジェクトのプロパティとメソッドを使用して目的の処理を実行します。通常、オブジェクトへの参照を取得するには、Visio オブジェクト モデルでそのオブジェクトの 1 階層上のオブジェクトのプロパティを取得します。多くの場合、オブジェクトは他のオブジェクトへのアクセスに利用されます。たとえば、Shape オブジェクトへの参照を取得するには、まず、オブジェクト モデルで上位に位置するオブジェクト (図形を含むページ、ページを含む図面など) への参照を取得する必要があります。

Visio オブジェクトのプロパティ、メソッド、イベントの一覧表については、「付録 A オブジェクトのプロパティ、メソッド、およびイベント」を参照してください。

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