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第 14 章 オートメーションと VISIO オブジェクト モデル

セクション 1   オートメーションの概要

オートメーションとは、Microsoft Visual Basic for Applications (VBA)、Microsoft Visual Basic、C/C++、またはオートメーションをサポートするその他のプログラミング言語で作成されたプログラムが、アプリケーションのオブジェクトを使用してそのアプリケーションの機能を簡単に利用するための手法です。このガイドでは、Visio がこのアプリケーションにあたると考えてください。

各オブジェクトのプロパティ (データ)、メソッド (動作)、およびイベントによってアプリケーション内のオブジェクトが相互に関連付けられている構造を、プログラムの "オブジェクト階層" または "オブジェクト モデル" といいます。多くの場合、Visio のユーザー インターフェースとして画面に表示される選択可能な項目は、Visio のオブジェクト モデル内のオブジェクトで表すことができます。たとえば、Shape オブジェクトは図面内の図形を表します。

オートメーションでは、オブジェクトを提供するアプリケーションは、プロバイダ アプリケーションまたはオートメーション サーバと呼ばれ、Visio はこの一例です。プロバイダ アプリケーションは、オブジェクトを制御するプロパティとメソッドを提供して、他のアプリケーションがそのオブジェクトにアクセスできるようにします。これをオブジェクトの公開と呼びます。

公開されたオブジェクトを使用するアプリケーションは、コントローラ アプリケーションまたはオートメーション クライアントと呼ばれ、独自に作成したプログラムなどがこれにあたります。コントローラ アプリケーションは、使用するオブジェクトのインスタンスを作成し、プロパティを設定したりメソッドを呼び出すことによって、コントローラ側でオブジェクトを利用できるようにします。

プロバイダ アプリケーションとコントローラ アプリケーションは、COM (Component Object Model) のサービスを使用して相互に作用します。COM のサービスは、Microsoft Windows 95 以降の Windows のインストール時に自動的にインストールされます。

すべての Visio 2000 製品には VBA が組み込まれているため、プログラムを作成するために他の独立した開発環境を使用する必要はありません。ただし、コントローラとしてオートメーションをサポートするプログラミング言語であれば、どの言語を使用しても Visio を制御するプログラムを作成することができます。このガイド内のサンプル コードは VBA で記述されていますが、プログラミングの原理はほかのプログラミング言語でも同じです。

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