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第 17 章 数式のオートメーション化

セクション 3   継承データの操作

図形に、シェイプシート (ShapeSheet®) ウィンドウに表示される全図形のデータ、またはプログラムからアクセス可能な全図形のデータのローカル コピーが存在するとは限りません。データがすべてローカル コピーであるかのように動作している図形でも、データが部分的にマスタシェイプまたはスタイルから継承されていることがあります。

データの追加、修正、または削除を実行する際に必要な操作は、すべてローカルで実行されます。図形がマスタシェイプまたはスタイルからデータを継承しており、データがローカルに存在しない場合、Visio® エンジンは、まず、そのデータのローカル コピーを作成してから、要求された動作を実行します。データがローカルに作成されると、そのデータとマスタシェイプまたはスタイルとの継承関係は切断され、マスタシェイプのデータを変更しても、図形のローカル データは変更されなくなります。

たとえば、接続ポイントを持つマスタシェイプのインスタンス図形では、マスタシェイプの接続ポイントが継承されています。図形の接続ポイントはマスタシェイプと同じように動作し、図形のシェイプシート ウィンドウには継承された [接続ポイント] セクションが表示されます。しかし、図形には [接続ポイント] セクションのデータのローカル コピーは存在せず、マスタシェイプからそのデータを継承しています。この図形の [接続ポイント] セクションを削除しようとしても、削除するローカル コピーが存在しないため、[接続ポイント] セクションのデータは変化しません。このため、マスタシェイプからの [接続ポイント] セクションのデータが引き続き継承されます。

セクション全体の継承をオーバーライドするには、セクション内の各行を削除するか、セクション全体を削除して、同じ種類の空のセクションを新しく追加します。セクション全体を削除する場合は、ローカル コピーが既に存在しないことを確認します。ローカル コピーが存在すると、セクションを追加する際にエラーが発生します。

継承されたセクションを復元するには、ローカル コピーを削除します。図形は、再びマスタシェイプまたはスタイルからセクションを継承します。


ヒント Visio 2000 では、図形はマスタシェイプから図形座標数式を継承しています。これにより、図形サイズが小さくなり、図形の動作が高速になりました。上記のようにマスタシェイプからのこれらの座標数式をオーバーライドすると、ローカル コピーが作成され、図形のサイズは大きくなります。このため、広範囲に渡るマスタシェイプの変更が必要になる場合があります。


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