第 26 章 MICRO SOFT VISUAL BASIC による VISIO アプリケーションのプログラミング
Visio® タイプ ライブラリには、Visio エンジンで公開されているオブジェクト、メソッド、プロパティ、イベント、および定数の記述が含まれています。Visio タイプ ライブラリを使用して、プログラムで使用するVisio オブジェクトの種類および定数を定義することができます。Visio のオブジェクト タイプを使用すると、アーリー バインディングが可能になり、プログラムの実行速度が向上します。
Visio 4.5 以降を使用してプログラムを作成する場合は、Visio タイプ ライブラリへの参照を設定することができます。Microsoft Visual Basic で Visio タイプ ライブラリへの参照を設定するには、[プロジェクト] メニューから [参照設定] を選択し、[参照可能なライブラリ ファイル] ボックスの一覧から [Visio Type Library] を選択します。
Visio タイプ ライブラリには、プロパティとメソッドの引数および戻り値に対して定義されたグローバル記号定数が含まれています。ほとんどの場合、プロパティおよびメソッドに渡す引数は数値です。数値の代わりにこれらの記号定数を使用すると、コードがわかりやすくなり、記述も簡単になります。
たとえば、Window オブジェクトがどのようなウィンドウを表しているのか調べる場合を考えてみましょう。Window オブジェクトの Type プロパティは、ウィンドウの種類を示す整数を返します。たとえば、Visio タイプ ライブラリへの参照をプロジェクトに設定する場合は、1 ではなく定数 visDrawing を使用してウィンドウの種類を確認できます。
特定のメソッドまたはプロパティによって使用される定数の一覧については、お使いの Visio 製品付属のオンラインヘルプ「開発者用リファレンス」 ([ヘルプ] メニューから [開発者用リファレンス] を選択) を参照してください。
注 古いバージョンの Visio 製品にはタイプ ライブラリが組み込まれていなかったため、すべての定数は Visconst.bas で定義されていました。Visconst.bas および Visio タイプ ライブラリにはグローバル定数が含まれています。Visio タイプ ライブラリの代わりに Visconst.bas を使用する場合は、Visio のオブジェクト型を使用できないため、一般的な Object 変数型を使用する必要があります。たとえば、変数を定義する場合は、Dim docsObj As Visio.Documents
を使用できないため、Dim docsObj As Object
を使用してください。Visconst.bas の定数は、用途によってグループ化されています。本書に記載されている使用例は、Visio タイプ ライブラリへの参照を設定していることを前提としています。Visconst.bas または他の Visual Basic ファイルをプロジェクトに挿入するには、[プロジェクト] メニューから [ファイルの追加] を選択します。