五行推命学研究所
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干支から見た平成15年(第4回)

                                 旧コラム(2003/03/10)
 
 今年、平成15年を干支で見てみましょう。勿論、四柱推命は基本的に個人の運気を見るもので、国家や世界の情勢などを占うことはできませんが、ある程度、その傾向性を知ることは出来ますし、又四柱推命的にその年の特徴を知ることが出来ます。 今年の干支は「癸未」で月毎の干支は「2月甲寅」「3月乙卯」「4月丙辰」「5月丁巳」「6月戊午」「7月己未」「8月庚申」「9月辛酉」「10月壬戌」「11月癸亥」「12月甲子」「1月乙丑」となっています。このことから先ず、言えるのは今年の月毎の干支は「専旺干支」が多いということ、即ち2月・3月・5月・7月・8月・9月・11月、と7ヶ月も「専旺干支」があります。「専旺干支」とは天干と地支の五行が同じで、五行の気が旺盛となるものをいいます。これらの月は五行が偏向しやすいので、トラブルや事故・事件・異常な出来事などが通常より起りやすいと見ることが出来、今年はそのような月が多いということです。逆に、命式や大運の如何によっては、運気の異常な発展をする人も出てくるものと思われます。
 イラク情勢では、(公表されている生年月日が正しいとすると)サダム・フセインは日干が乙なので、比肩の専旺となる3月から、傷官の羊刃となる4月は、やはり厳しい状況となるでしょう。因みに、フセインは月上劫財・年上食神の「劫達の命」で、中々したたかな四柱ですが、現在、大運が傷官で今年・流年に偏印が出て倒食し、彼の悪運の強さを支えていた、吉福成財の星である食神が尅されて、その働きを停止してしまう時期となっています。生時にもよりますが、来年・再来年は劫財・比肩となりますので、自己の存立基盤を失いやすい時期であると言えるでしょう。丁度、昨年の鈴木宗男さんの行運的状況と類似ています。
 概して日干が木(甲乙)の人は今年は2月・3月、12月・1月(来年)が注意でしょう。
 5月は火の専旺干支「丁巳」ですから、日干が火(丙丁)の人は、4月・5月に注意が必要ですが、特に5月初旬〜6月初めには要注意です。小泉首相は日干丙で、財星と傷官の人ですので、印星となる3月から比肩となる4月・5月は運気が下がります。
 8月・9月は両月とも金の専旺干支「庚申・辛酉」となります。この八月は金属事故、や刃物沙汰、紛争等に注意の月となりますが、特に命式にとって、金が良くない星となる場合には注意が必要です。(比肩・敗財・劫財・傷官・偏官七殺等となって暴れる場合)特に日干が金(庚辛)の人は、金銭トラブルから人間関係、事故等に注意の月となります。日干が庚の人は9月は敗財帝旺(羊刃)となりますし、日干辛の人は8月は劫財帝旺となりますので、要注意月となります。会社や仕事関係であれば、契約に齟齬を生じやすいので、この月の契約にミスやトラブルの原因がないか、チェックすることが肝心です。
 11月は水の専旺干支「癸亥」ですので、水が凶神・忌神となる人、また日干が水(壬癸)の人は要注意です。元々、平成14年・15年は壬・癸の年ですので、日干水の人は特殊な場合を除いて、鬼門的な年となり、何かとトラブルが多くなります。特に今年の中では、水から尅される火の月(比肩から財を尅す)である4月・5月にまず注意が必要ですし、それと共に比肩星が重なり、水びたしとなる10月・11月に注意して下さい。その中でも11月は個人の運勢だけでなく、天災にも注意が必要でしょう。今上天皇は日干が癸亥で現在大運も比肩冠帯ですから、平成14・15年は良くありません。先頃、手術をされ経過も良好とのことですが、運気的には安心出来ませんので、無理をされず、よく養生をされることを望みます。

 元来、天災が多いのは陰水の時とされています。即ち天干では「癸」、地支では「亥」がそれに当ります。かつて、初代・高木乗が関東大震災を予言したのも「癸亥」の年であったからです。この場合、高木乗は干支だけではなく、梅花易でも占っていたようですが、9月初めに大地震があるとまで、予言して話題となりました。阪神淡路大震災も、「乙亥」で亥の年でした。但し、人の運気を見る時は、立春を以って一年の初めとしますが、自然現象では、冬至からその年の運気に入っていると見ています。人間の運気においても、正式には立春を以ってその年の運気となりますが、12月の冬至の頃から徐々に、明年の運気に移行して行くと見ることもできます。(流派によっては、冬至を年の区切りにしているくらいです。例〉中国の呉俊民)
 また、干支ではありませんが(余談ですが)、満月の時には重力の関係もあり、良い意味でも悪い意味でも異常な事が起りやすく、事故や天災、事件も起りやすいともされています。人間自身も体の大部分が血液ですので、潮の満ち引きの影響があるのでしょう。狼男が満月の夜に変身するのにも、その当りの理由があるかも知れません。野球などでも、通常、ホームランとならなお打球が満月の夜には、思わずホームランになることがあるとも言われています。
 本年「癸未」は陰水・陰土の年ですので、やはり天災には注意が必要です。平成14・15は水と火の象意がありますので、水に関することに注目が集まりやすく、火が合わさることによって、温泉や油・石油にも良い意味でも悪い意味でも、注目が集まるかも知れません。天干「癸」から見て地支の「未」は「墓神(自墓)」となります。これは、人の死や霊界を意味しますから、「国家的人物の死」又は「国家規模の死」が暗示されています。また、癸は甲から数えて最後の干であり、一つの時代が終わって、新しい時代が始まることを暗示しています。
 五気五行の流れを賢く読み取り、出るべき時と留まる時を知り、避凶趨吉の理によって、皆様が良き一年を過ごされますことを、祈念いたします。

「鬼門的」というのは比喩的表現で、四柱推命には「鬼門」とう語彙はありません。