五行推命学研究所
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傷官の作用から見た星野監督と原監督(第8回)

                                 旧コラム(2003/06/26)
 
 6月現在、首位を独走中の星野阪神ですが、星野監督と巨人の原監督の去年と今年の運気を、「傷官の作用」という観点から取り上げてみましょう。星野監督は日干が「辛」、原監督は日干が「庚」で、共に平成14年・平成15年は食傷の年となっていますが、日干の陰陽の違いによって、今年平成15年の流年を見ると、星野監督が「食神」、原監督が「傷官」となっています。逆に昨年平成14年は星野監督が「傷官」で原監督が「食神」でした。
 両監督の昨年と今年を比較して見ますと、皆様ご存知のように、昨年の星野阪神は5月までは首位を突っ走りましたが、結局6月から主力メンバーに怪我人が続出し結果は4位のBクラス止まり、原巨人は優勝。本年はそれが逆になっています。これは正に指導者における「傷官」の働きによるとも言えるでしょう。勿論、集団的な競技では主要メンバー個々の運気も見なければなりませんが、監督は現役のアスリートではありませんが組織の指導者であるので、その方の運気がチームにも影響を与えると言えるでしょう。
 六親論にあるように男性にとっては官星を以って子供とし、会社組織などでは部下とします。官星を傷つける傷官は、男性にあっては子供を尅し、部下を尅するとも言えるでしょう。傷官もそれを抑制する印星や財星があって、尅しあう官星が無ければ問題はありませんが、傷官が凶兆を発揮するのは、それが悪く官星と尅しあう場合です。傷官も官星と尅しあうことによって、却って微妙な有用性を発揮することもあり、初代高木乗はこのことを「尅用の妙」と呼んでいましたが、このような有用な作用をするには、幾つかの条件が必要になります。傷官のが吉作用をもたらす原則の一つは「傷し尽くすを要す」とするもので、逆に悪く働く条件の一つが「旺相した傷官」が「官星(特に偏官)と尅しあう」というものです。
 そのような観点から昨年の星野監督を見てみますと、大運が傷官長生、流年が傷官病で傷官が重なり、更に星野監督の命式本体には戌と寅があるので、昨年午が出て、火の完全三局が出て、官星が強く現れることによって、傷官が官星を尅する形態となり、確かに話題となり本人も緊張感と使命感をもってチームの運営にあたったことと思いますが、傷官が官星を尅する象意により、怪我人が続出してしまいました。おまけに6月・7月は流月が官星の月でしたから、その象意がくっきりと出てしまったものです。
 傷官の時には上司は部下にあまりプレッシャーをかけないようにして、部下がのびのび働けるように指導し、またそのような環境を作ってあげることが大切です。また、のびのびと自由にプレーする為には、ある程度その根拠となる自信が必要です。自信にはメンタンル的な内的自信と、肉体的・環境的な外的自信があります。部下が自分に自信を持てないまま、プレッシャーをかけられると何処かで躓き、怪我をしやすいものです。
 本年の原監督は大運が偏官絶、流年が傷官冠帯となり、旺相した傷官が絶している偏官を尅しています。一年間の中でも、4月(丙辰)は偏官、5月(丁巳)は正官で、流年の傷官が大運の偏官だけではなく、流月の官星をも尅する形となっていましたので、怪我人が続出し、そのために阪神の独創を許してしまいました。しかし、7月は傷官を抑える印綬が出てますので、主力メンバーも帰って戦力も徐々に元に戻る時期を迎えます。(6月は偏印沐浴で印星ですが、多印身弱の原監督にとっては、沐浴した偏印は余り良くありません)

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(2)星野監督の命式について

 下図が星野監督の命式です。表の性格を現わす四柱本体は劫財・比肩・正官で「官殺混雑の命」となり、所謂「一見大人しそうで言い出したら聞かない」という性格で、親分肌の養と冠帯が複数出ていますし、一般的にも言われているように、曲がった事が嫌いで、正義感が強く、行動力がある「闘将」の典型的な命式となっています。
 しかし、面白いのは裏の性格を現す五行図を見ますと、頭脳性の星である印星(土)が星三つ(●●●)あり比肩と同数となっていることです。このことは、表は「闘将」、裏は「知将」であるということです。従って、激しく抗議するシーンにも星野監督なりの計算があるということですし、実際にも裏方さんや選手の奥さん家族に対する配慮が行き届いていると言われるのも頷けるものです。いい意味でも悪い意味でも表の顔と裏の顔があると言えるでしょう。この命式の特性にこそ星野監督のカリスマ性の秘密があると言えるでしょう。
 強い社会性を持った星野監督の命式ですが、家庭運には一抹の寂しさが漂っています。月上比肩は父を尅し、生まれる前にお父さんを亡くされていますし、五行の比肩と印星が太過していますので、妻を意味する財を尅しています。大運も46歳〜50歳が劫財冠帯、51歳〜55歳が比肩沐浴で、小泉首相の場合には大運敗財の時に離婚されていますが、星野監督の場合には数え年51歳で大運が劫財から比肩にかわる時期に奥さんを病気で亡くされています。また、養子の星である養と胎が複数あり、且つ子孫運の時柱に劫財が出ていることは男の子に恵まれにくいことを暗示しています。
 また、中日を辞めた平成13年は大運傷官、流年比肩死で、分離と我侭さを意味する比肩が悪く働く年でもあり、内情は知りませんが、多分にフロントとの軋轢・葛藤が中日退団の主な原因になっていたのでしょう。
 星野監督のような命式は、比肩星が強い中で、官星と印星が表裏の相乗効果をもたらしていて、五行的には一種の「官印両全」となっている人物なので、実力もさることながら、カリスマ性を持ち、一度地位名誉を失っても、引く手あまたとなって、次にすぐ何らかの役目を担うようになるものです。


星野監督の命式