五行推命学研究所
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干支から見た平成16年

                              旧コラム(2004/04/19)
 
(1)「甲申」について

 平成16年・甲申年も既に三ヶ月が過ぎました。少し遅くなりましたが、干支で平成16年を見てみましょう。甲申は天干が木(甲)、地支が金(申)で金尅木と地支が天干を尅する下克上の干支(截脚干支)となっています。また、天干甲から地支申を見ますと「絶」となります。これらの五行の生尅から平成16年を見ますと次のようなことが言えるでしょう。

 「絶神」は「極盛転落」という意味がありますので、マイナス面では「墜落」「落下」「転落」「突発的な出来事」「狂言」という現象として表れ、プラス面では「最下のものがトップに立つ」「新しい時代の胎動が始まる」「逆転」とう意味にもなります。五行的にも金尅木となりますので、事故やテロには引き続き注意が必要です。命式に事故運がある方や、今年の行運が悪い方は、くれぐれも交通機関に注意が必要です。斧で首を切られるという象意もありますので、トップが狙われることもあります。余り考えたくはありませんが、首吊り自殺を考える人も多く出ることでしょう。

 金尅木ですので、病気が急激に悪化することもあります。臓器的には肝臓、内臓関係の癌も悪化しやすくなります。

 良い面では今まで注目されなかったものが、注目されるようになったりもします。ハルウララ現象もその一つかも知れません。また、停滞してたものに、動きが出ることがあります。無から有が生み出され、ビギナーズラックも大いに期待出来るところです。古きが去り、新しきが来るとも見ることができます。


(2)各日干別の流年

 命式の日干別に流年を見ますと下のようになります。

 日干「甲」の人→比肩 絶(偏官)
 日干「乙」の人→劫財 胎(正官)
 日干「丙」の人→偏印 病(偏財)
 日干「丁」の人→印綬沐浴(正財)
 日干「戊」の人→偏官 病(食神)
 日干「己」の人→正官沐浴(傷官)
 日干「庚」の人→偏財建禄(比肩)
 日干「辛」の人→正財帝旺(劫財)
 日干「壬」の人→食神長生(偏印)
 日干「癸」の人→傷官 死(印綬)

 命式の構成や大運にもよりますが、今年一番の注意を要するのは、日干が「甲」「乙」の人でしょう。財の分離、人間関係の分離がありますので、金銭・愛情・健康問題に注意が必要です。また、悪事露見という意味もあります。どれに一番注意すべきかは、命式の如何、現在の状況の如何によるでしょうが。

 著名人では小泉今日子さん(日干「甲」)・未唯さん(日干「乙」)が離婚、長嶋一茂さん(日干「乙」)は後述のように父親の長嶋茂雄さんに凶事が起こっています。また、元NHKディレクターで演出家の和田勉さんのように、猥褻行為で賠償命令が出ている方もあります。
 また、先頃「イラク邦人人質事件」で無事解放された三人(郡山総一郎さん、高遠菜穂子さん、今井紀明さん)も、三人共に日干が甲乙の方々でした。内二人は「申」中の庚が「天徳」で、別の誘拐事件で拘束され解放された安田純平さんは、「申」そのものが「天徳」になっていました。

 日干が「丙」「壬」の人は倒食に注意が必要です。特に、命式本体か大運に食神や偏印があって、救神がない場合には注意が必要です。日干が「丙」では命式か大運に「食神」が、日干が「壬」では命式か大運に「偏印」が出てなければ倒食はしません。倒食してなければ、基本的に日干が「壬」の人は、今年から運が開かれます。日干「癸」の人も、傷官と官が尅し合うなど傷官が凶に働く条件が成立していなければ、同様に今年から運が開かれます。出会いが昨年の比肩・敗財・劫財の時よりも良くなることでしょう。

 脳梗塞で倒れた長嶋茂雄元巨人監督(日干「壬」)や癌で亡くなられたいかりや長介さん(日干「壬」)なども、倒食の凶作用が現れた例でした。長嶋茂雄さんは、本体に偏印があり流年食神で倒食し、しかも流年の地支も偏印で、上下にも倒食していました。ただ、本体に救神の財星が出ていますので、最悪は免れましたが、大運が敗財死(傷官)ですので、救神の財星も力が削がれた状態でした。いかりや長介さんの場合には、大運と流年が非常に特殊な形態の倒食となり四重の倒食尅寿の運中にあり、五行の官殺太過が倒食を更に暴れさせる結果となっていました。ただ、実際には昨年・一昨年が比肩・敗財でしたので、この時期に癌によって生命が蝕まれてしまっていたというところが実際の判断でしょう。

 日干が「丙」「丁」の人は共に流年が印星で考える星が悪い状態で出ていますので、悩み易く考え込み易い年になります。勉強や過去の整理などには良い時期です。印星は文書という意味もありますので、大運や命式によっては文書がらみのトラブルに注意が必要です。田中真紀子議員なども、娘の離婚がらみで文春との出版差し止め問題がありましたが、これも印星が荒れる沐浴に座す為でしょう。

 日干が「戊」「己」の人は共に官星ですから、忙しく社会性が強くなる一年ですから、活躍する人もありますが、地支から尅されていますので、足元を掬われないように注意が必要です。特に日干「戊」は表立ってライバルが現れ、「己」は見えないところで足元を脅かされやすくなります。

 日干が「庚」の人が一番良いですね。大運や命式さえ悪くなければ、財運が巡って来ます。ただし、偏財は父でもありますから、比肩が出ている場合には、父のことで問題が発生することもありますし、当然金銭問題にも注意が必要となりますが…。特に長男・長女がこのケースに当たる場合には注意が必要です。ケニー野村さんが母・沙知代さんの脱税事件にからんでマスコミに暴露したことに端を発して、今年野村克也監督との養子縁組の解消を求めた民事訴訟に敗訴し、義父との養子縁組の解消と裁判費用を負担する結果となったのも、このケースに相当します。

 同じ日干が金でも「辛」の人は注意が必要です。一見「正財帝旺」で大きな財運が…などと考えたら大間違いです。帝旺は財を尅する星ですので、大きな借金が出来たらり、財のトラブルが発生しやすくなります。大きなお金が一時的には入って来ても、後にそれが大きな借金となったり、禍をもたらすこともあるのです。江角マキコさん(日干「辛」)がその例でしょう。月上に劫財が旺相している上に、大運の比肩と地支の帝旺(劫財)から、流年天干の正財が尅されて、今回の保険料未納問題が発覚、国会を巻き込んだ騒動となってしまいました。