五行推命学研究所
五行図による安田式四柱推命学(五行推命)に関する情報サイト


白虎と青龍が競い合う

                              旧コラム(2004/07/04)

 平成16年も既に半年が過ぎました。今年は「甲申(きのえ・さる)」。古典には「甲」のことを別名「青龍」、「申」のことを「白虎」又は「伝送(傳送)」と呼んでいます。天には「木気の青龍」が、地には「金気の白虎」が、互いに睨みを利かせつつ、対峙している下克上の様相が、今年の干支「甲申」の象意であると言えるでしょう。

 また、伝送は「道路」を意味し、ひいては「車」を意味しています。これが食傷生財で身弱の命の場合、昔ならば路上で商売をするという意味にもなります。女命式の日支にあれば、夫が「申」の象意に関する仕事をすることもあり、男命ならば自分がそのような職業に縁があるとします。また、「申」は左右対称の字形で、中心軸を中心として独楽のように回転する形でもあり、車や回転するものをも指し示しています。「申」の上下に横棒「一」を付ければ、文字通り「車」の字ともなるのです。現代的には、流通やネットも伝送に入るでしょう。

 今年、回転ドアの事故が問題となったり、三菱自動車のリコール問題で、トップが逮捕されたりしたのも、地の申(金)が天の甲(木)を尅する象意からきています。五種類ある五行の相尅の中でも、最も強くトラブルや事件・事故等を引き起こし易いのは「金尅木」ですが、今年は干支の特質から、この「金尅木」が暴れやすい年であるとも言えるでしょう。

 古典には甲は「首」を意味するとあり、これを刃物の申が粛殺の気をもって尅しますので、首から上をやられやすいと見ますが、首から上の病気、首吊り、首切り、トップの粛正が多くなります。命式本体に、この「申」をして凶神化させる命理作用を蔵する時、金尅木は死神を伴って粛殺の気を振りかざします。

 6月1日には小6女児による痛ましい事件がありました。この事件で、被害者も加害女児も、共に此の「金尅木」の凶意が強くあらわれた命理でした。相性論的には、二人は互いに相性線が有って引き合いながらも、通変と五行が天と地で尅殺し合っていたのです。庚は大刀、加害女児のは小刀(カッターなど)です。これが金尅木・火尅金、偏官×傷官(忌)、寅巳申、巳酉丑の金局▲等々による命理の凶作用によって、暴れる条件が成立した時、魔が忍び寄ってきました。思春期にさしかかった頃の子供達は、とかく心と体のバランスが崩れて、自己制御が効かなくなることがあるものです。この時期に、運気に乱れが生じると、魔がさしてしまいます。

 このような時期の子供達を守ってあげられるのは家庭での愛情基盤なのでしょうが、加害女児のように月支に問題がある場合、大切な母親との情的な関係に亀裂が生じて、その間(ま)に魔が入ってしまうことがあります。命式が教えてくれるその子の先天的な才能・個性が、その子を不幸にしない為にも、今こそ「人間学」としての「東洋の命理学」が必要とされるのかも知れません。

 また、最近「青」いものに関する話題が多いことに気が付きます。不可能の代名詞とされた「青い薔薇」に青色レーザー etc.。そう言えば、今日飲んだペプシまでも青くなっていました。これも青龍の鱗でしょうか…。