五行推命学研究所
五行図による安田式四柱推命学(五行推命)に関する情報サイト


JR福知山線脱線事故

                              旧コラム(2005/06/17)

 平成17年の干支は「乙酉」。陰陽の違いはあるものの、昨年同様「金尅木」の象意が事件や事故を引き起こします。時運のしからしむる所とは言え、人的努力で事の惨劇化を予防し得た事を思えば、心中暗澹たるものがあります。勿論外的要因もありますが、事故の背景には、JR西日本の企業風土と労使関係の軋轢・不一致という内的要因が秘められているように思います。何よりも、無辜の一般人の尊い生命が、その代償として支払わせられたことは、大変心が痛むものです。

 さて、本年の流月干支を見ると、4月は「庚辰」、5月は「辛巳」の月でした。流年天干が「乙」ですので、4月・5月は「金尅木」の凶意が非常に強くなる月回りであることが、一目瞭然です。実際、4月・5月は福知山線の事故ばかりでなく、バスの事故やヘリコプターの墜落事故、5月は全国のガードレール3万ヶ所以上に、金属片が見つかり、中には大怪我をされた方々もあります。

 特に「庚辰」は、“金龍”とも呼ばれ、金の象意を持ちながら、龍のように動き回る作用を持った干支です。中国由来の占術では、龍は「龍脈」という用語があるように、気の流れ・エネルギーの流動を意味しています。自然・環境の中では、川や道路なども、気の流れを作り出しています。推命でも辰が多い命式は、良く言えば行動的、悪く言えば落ち着きがない場合が多いものです。同じ陽土でも、どしっとした「戌」とは、本質的に違いがあるのです。庚辰の人物と言えば、スーパー歌舞伎で宙を飛び回っている市川猿之助に代表されます。庚辰は金龍ですから、現代ではさしずめ、交通機関がそれに当たるとも言えるでしょう。中でも、列車はその姿そのものが、であると言えるかも知れません。

 流月は流年との関係で初めて、その作用の本質を見ることが出来ます。本年4月は「乙酉−庚辰」。この組み合わせは特殊な関係性を生み出しているのです。それは、天干は干合し、地支は支合して、両者とも金に化しているからです。(下図)金の塊となっているのです。事故当日は己卯日、己巳時刻でしたので、この日を中心として、仮に命式を立ててみれば、金属の塊となった年月の干支は傷官化し、天干星の並びは「傷官・偏官」と尅象化してしまいます。もし、運転士の命式中に金墓の「丑」があって局すれば、大変なことになります。
庚辰・乙酉

 今回の事故で、同じ車両に乗っていた人でも、生死を分けた例がありました。四柱推命的には、四柱本体の如何、行運の如何によると見ますが、多くは財星の有無とその作用にあるようです。安田先生も「事故などで、急死に一生を得るのは、多財星が多い」と講義で述べられていらっしゃるように、財星は傷官を洩気する他、命式に安定性を与える作用をします。昨年、マンション9階から飛び降りたにも関わらず、奇跡的に一命は取り留めた俳優の窪塚洋介さんなども、その良い例でしょう。

 下図は、今回の脱線事故で犠牲になられた或る女性の五行図(命式より)です。木の傷官と土の官星ばかりに星が固まっています。通関となって、これを緩和する財星に全く星がありません。印星も傷官を抑える星ですが、印で傷官を抑える場合、五行のバランスと、五行の種類が問題となります。この場合の様に、金尅木の印傷で、食傷太過の場合、変に印星が出ると良くありません。比肩星も弱く、所謂身弱命の無財で、両神均停して傷官と官星が尅し合うと、突然の事故に見舞われるケースが多いものです。この女性と同じ車両で、奇跡的に助かった男性の命式を見ると、やはり財星が表に出ていました。

五行図

 ※命式の詳細については、日本推命学研究会の会報(次号/NSK通信 Vol.17)・命譜春秋にて、誌上解説を予定しています。


  ※犠牲者の方々のご冥福をお祈り致します。