五行推命学研究所
五行図による安田式四柱推命学(五行推命)に関する情報サイト


耐震強度偽装事件

                                   旧コラム(2005/12/08)

 現在、日本を大きく揺るがしてる耐震強度の偽装問題です。当事者の一人、ヒューザーの小嶋進社長の命式を見てみましょう。非常に分かりやすい命式ですね。

小嶋進

 火の比肩が太過した官殺混雑型で、個性が強く言い出したら聞かない、行動力とバイタリティーのある命式であることが一目瞭然です。国会をも怖れず、参考人招致では恫喝とも思える雄たけびを上げていました。これも、火が炎上して敗財も劫財と化し、激昂するとカッとくる一面が命式によく現れています。

 従来の推命では日干と同一五行で陰陽を異にする星は劫財でしたが、高木・安田流では日干の陰陽によって、劫財と敗財を使い分けています。小嶋社長の場合、月上が敗財ではありますが、地支が旺相し、五行にも火の比肩星が太過していることから、同じ敗財でも劫財性の強い敗財となっています。本来人情的でチマチマしたところのある敗財に、博打性やハッタリ性が出るということです。表に正官が建禄して一見責任感があるようにも見えますが、どうでしょうか? 月上の中心星が劫財性を秘めた敗財であることと、五行の比肩VS官星のバランスが4対1であること、更には比肩を抑えるには正官は品が良過ぎること等を勘案すると、責任感が全くないとは言えないにしても、偏官のように強く敗財を抑えるよりも、正官の場合、時として美栄や外見ばかりを飾る傾向にもなります。これが、月上に強い官星が出る方が、責任感を主体性とする命式となるのですが…。

 大運が官星となった、40代・50代は最も運気的に活躍する時です。40代は正官が出て、何か社会的な使命に目覚めたようなところがあります。特に流年に正財建禄が出る2001年頃から、急速に実績を伸ばしたことが窺えます。しかし、50代は暴れる偏官が天干地支に出て、一躍名が出ても、事件性も出やすいので、企業人としてはコンプライアンスに心がけることが大切になります。
今年のように、印星が死んでるときは「成果が消えてなくなる」場合があり、積み上げた実績が崩壊し比肩と同様の現象が起こることがあります。ただ、後述するように今回の問題は、同時に来年からの比肩の波が徐々に迫っていることにも原因がありました。

特に、最も注意すべき月が10月と11月でした。安田式五行図ではVの記しがありますので、一目瞭然ですね。即ち、10月は「丙戌比肩墓」、11月は「丁亥敗財絶」となっています。安田流の推命を学ばれたかたは、直ぐにお分かりになるとおり、悪事露見の時となります。同じ日干丙では、駐車違反という本来軽微な罪で、11月24日逮捕されてしまった狂言師の和泉元彌氏なども、警察を甘く見て不名誉を蒙りました。

 四柱推命では、一部の流派を除いて、一般的には年の節目を2月の節分・立春としています。大体2月4日頃です。勿論、安田流においても他の流派と同じです。現代中国における推命学の大家・呉俊民氏のように、12月の冬至を以って流年の変わり目としている流派もあります。私も、立春を以って流年の変わり目としていますが、その日を以ってカラッと変わるのではなく、冬至頃から徐々にではあるが次の年の運気が来ていると見ています。人の命運の場合には、立春から本格的のその年の運気に入りますが、事象や自然現象の場合には、人の命運以上に早目に翌年の運気が到来すると考えています。

 今年のように年末近くの月(10月・11月)の流月干支が翌年の流年干支と同じ干支が出る場合、特にそれが日干から見て比肩星となる場合、翌年の運気が早く来ていると見ています。即ち、10月は「丙戌」月で、来年の干支「丙戌」と同じ干支が出ています。小嶋氏のように日干丙の人は、来年・再来年が丙戌比肩墓、丁亥敗財絶となりますが、同じ干支が出る10月・11月は比肩墓、敗財絶となるのです。従って、財の分離を表す来年以降の運気が、既に10月頃から急激に来ているのです。国土交通省によって発表されたのは11月に入ってからでしたが、10月27日にはイーホームズの藤田東吾社長の指摘され、ことを隠蔽しようとしていました。世間に激震が走ったのは11月でしたが、小嶋社長自身に激震が走ったのは10月のことなのです。その事を、四柱推命は見通しています。

 特に生まれ日の干支が「丙戌」ですから、10月も来年の干支も同じ「丙戌」で、反言(併臨)しています。これは突発的な出来事を暗示し、墓神が悪く働けば、死神とも牢獄ともなります。命式と大運如何によっては、墓庫は吉作用をすることもありますが、命式と大運が悪い場合、身を清く保つ人は救いを得るも、欲と自己保身に走れば、墓庫が大きな口を開けて待っています。