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「親愛なる〜へ」

初めて使った「親愛なる〜へ」は、中学2年生の時、クラスメートに宛てた手紙
一番仲良くしていた女友達に・・である
どんな手紙にも「親愛なる」を付けて書いていた
何の意味もなく、今思えば軽いノリで「ねぇ〜」くらいの意味で使っていたようだ
ところが、ある日・・・
クラスに好きな男の子ができた
あの当時、ラブレターなるものが流行っていて
当然、その子に書きたくなった
ふだん、あんなにスラスラ書けていた「親愛なる」が
どうしても書けないのだ
何度も消しては書き・・消しては書き・・
机の上は消しゴムのカスだらけになっていた
ホントに好きな人に書く時って
「こんなにドキドキする言葉なんだ」と、初めて分かった
それから・・・この「親愛なる〜へ」は
私にとって、とても大切な言葉となった

今は、まったくと言っていいほど使わない「親愛なる〜へ」
でも、今でも使ってみたい「親愛なる〜へ」

肉屋の揚げたてのコロッケ

その肉屋は、もう少しで隣の市に通じる小路にあった。
入り口も狭く、3〜4人入るとふさがってしまうようなお店で
小さなガラスケースには、ビッシリと肉が整理され並んでいた。

肉屋の先には小さな公園があり、よくK君と遊びに行った。
その小路に入ると、プ〜ンと揚げたてのコロッケの香り・・・
K君はいつも、スーッとそのお店に入り、しばらくすると
油紙にくるんだ揚げたてのコロッケを持って出て来た。

いろんな季節、小さな公園でK君と食べた揚げたてのコロッケ・・・

わたしにとって「肉屋の揚げたてのコロッケ」は
あの小路の先の小さな公園での「想い出」

カフェオレ・ボール

かなり前のことになるが、クニエダヤスエさんの
「カフェオレ・ボール」というエッセイを読んだ。
私も、パリジェンヌ気取りでカフェオレ・ボールで、カフェオレを・・・と
翌日さっそく、フランス風カフェに行き「カフェオレとクロワッサン」を注文。
いかにも常連のようにELLEのページをめくっているが、内心ドキドキ。

テーブルに置かれたカフェオレ、見たいのをグッとこらえ
慣れているように本から目を離さない。
ウェイトレスが去ったのを確認し、おもむろに雑誌をテーブルの隅に置く。
「ンッ!なんじゃ、コレは..」
テーブルに置かれているのは、まるで「うどん」のどんぶり。
周りを見回しても、カフェオレを飲んでいる人はいない。
抹茶を飲むような感じで飲めばいいんだな・・と思い
両手で持ち上げ、ひとくちいただく。ん〜っ、おいしい!シ・ア.ワ・セ
次にクロワッサン。上品に、手でちぎりながらいただく。
手が、パン生地に練り込まれたバターでベトベト。
カフェオレボールが、ツルツルすべってなかなか持てない。
だんだん恥ずかしいやら情けないやらで、早々に、そのオシャレなカフェを後にした。

悔しかった。絶対パリジェンヌのようにカッコよくなってやる〜と
カフェオレボールを買った。
朝食、夫と気取ってカフェオレを飲むが・・・
私たちの前に座っていた両親は、生卵に納豆、味噌汁。
そして、私たちを見て笑いをこらえていた。
うどんのおつゆをすするような格好が、自分たちもおかしくなり
そのカフェオレボールは、3日も続かなかった。
しばらく、サイドボードに眠っていたが
いつからか、息子と夫の「ごはんちゃわん」になっている。
白地にフランス国旗の色の模様がついている、カフェオレを入れてもらえない
かわいそうなカフェオレボール。

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