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●なぜ「グローバー」を使うのですか。

 当教室では、1981年より「グローバー教育ライブラリー」を入門書の主軸にして「バイエル・メトードローズ・チェルニ−100番」を原則的に廃止いたしました。
「グローバー」はアメリカで生まれた最も現代感覚を持ったテキストで、楽しみながら学べ、
かつ、ペダリング、コード奏法も早いうちから身につけることができます。
ピアノ嫌いの子供を作ることは、まず考えられないと言っても過言ではありません。
. . と申している私共も実は「バイエル」で勉強いたしました。まだ現在でも多くの人たちに愛されており、確かに良書ではあるのですが、もはや現代っ子たちには、あまりにも古い内容であると言っても良いでしょう。
 しかし、他教室より転入されたり、保育師資格を得るために「バイエル」を使用することもあることを付け加えます。
(1982.9) ♪∴∵¨...................................... もどる


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●ピアニストもコンサートでは まちがったりするの?

 はい、ほとんどのピアニストは間違うと言っても良いでしょう。ただし、つっかかりみたいな間違いではなく、音を外すいわゆる「ミスタッチ」がほとんどです。しかし、レコードやCDでの演奏はスタジオなどで何度も録音し、ミスしたところに正しい音を入れ直しして作りますので、素晴らしいものになるわけなのです。
 生のコンサートの魅力の一つは、いつどこでミスをするかも知れないという緊張感でしょう。
でも、注意してほしいのは、音楽の善し悪しはミスをしたかどうかでは無く、いかに聴いている人の心の中に入っていけたか、というところにあると思います。
 どうぞみなさん、これからもコンサートなどで万が一ミスをしたとしても、そのことは自分の心の引き出しにしまい込み、人には絶対話さないことです。ピアニストはもちろん、口が裂けても言いません。だいいち、感動して拍手をしてくれたお客さまに対して失礼にあたることを知っているからです。
(1990.3) ♪∴∵¨........................... もどる


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●素朴な疑問から生まれた一大改革とは?

 当教室は、10年ほど前までコンサートは年1回でした。そして名前も「発表会」でスタートし、全員参加をたてまえとしました。曲目は一切私どもがお膳立てし、数カ月前からその曲を中心に練習させるというごく普通のやり方でした。世間体を気にするあまり、どうしても生徒の実力を大分越えた曲を与えてしまう傾向に走り、そのため本番ではつっかかりなどのミスをする生徒が大変目立ちました。でも、まあそれは仕方無いものとして数年経過しましたが、その間他教室の発表会を数多く見て歩くうちに、同じように背伸びさせられた生徒たちが、たどたどしく弾いている姿を見るにつけ、「いったい、この子たちは本当に自分から喜んで弾いているのだろうか。先生からもらった曲だから文句一つ言えないで弾いているのではないだろうか?」という素朴な疑問を抱くようになったわけです。
 そしてどの子も満足してのびのびと弾け、しかも聴衆が安心して聴いていられるものを作るために一大改革を思い立ちました。
 名前を「発表会」から「演奏会」後に「コンサート」と改め、1981年より年2回開催とし、
参加は自由、曲目はすでに合格した曲の中より好きなものを選ばせるやり方にしました。
 確かに他教室のプログラミングと比べると見劣りするような曲目があったり、数人が同じ曲目を選んだりすることもありますが、生徒の、コンサートに対する意識と演奏の質は格段に向上しました。また、昔の発表会時代のように、仕上がりが悪いからといって先生と生徒あるいは親が焦ったり、コンサート曲だけに縛られて、通常のレッスンができなくなるようなことも無くなり、いつものレッスンの中に年2回の「節目」または「お祭り」でもあるこのコンサートがただあるだけなのだという、あまり特別視しないものへと変わりました。
 そして、生徒に対する心理的負担も大幅に少なくなりました。
「より良い演奏者は数多くのステージ経験で育てられる。」ことはテレビタレントや歌手を見ていても分ると思いますが、私どものこの考えををご理解の上、今後とも積極的にお子さんを参加させてください。
(1991.9)
 
(2005年現在、年2回開催は、諸事情から夏に1回となっています。) ♪∴∵¨.......... もどる


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●思い込みのきけん性

 生徒に宿題曲を与える時、入門期のほとんどの生徒には次の曲の練習のポイントやメロディーの階名唱をさせてから帰すようにしていますが、そのアドバイスやお手伝いの度合いなどは生徒一人一人みな違います。基準になるのが直前の宿題曲の譜読みの早さや正確さそして表現力ですが、この判断には私どもも大変神経を使います。めったにこの判断に見誤りは無いのですが、
たまにミスをすることがあるのです。それは、お家で誰かに弾いてもらって聞いて覚えた場合、これが!私どもの判断を見誤らせるのです。よく理解しているものと思い込み、新曲への説明などをつい省略してしまうことがあるのです。
 しだいに曲の程度が上がってきてから、実はよく理解できていなかったと分ると、教本を戻すわけにもいきませんし、とても悩むのです。
(1993.1 )

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