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●すぐ へたになるのは 私だけなの?

 この前まで、あんなにじょうずに弾けたのに、ちょっとの間弾かないでいたら暗譜はおろか、
ミスばかり. . こういうの私だけ?
 ご安心ください。誰でも同じです。ですから、大好きなレパートリーはいつも弾いてないとどんどんへたになっていくのです。特に幼児の場合は、覚えるのも早いですが忘れる早さはそれ以上です。繰り返し繰り返し同じことを反復練習する習慣をしっかり身に付けさせましょう。
お家の方も、1週に1度でも良いですから、レパートリーをリクエストするなどして、聴いてあげる機会を作ってあげましょう。
 でも、全ての曲をいつでも弾けるようにしておく、などということは不可能なことですから、曲によっては、それっきりというように消耗品的な扱いをするのもありますので、弾けなくなったからといって気にすることもないでしょう。何と言っても、完成させるまでの過程がより大切なのですから。
(1990.5) ♪∴∵¨..................... もどる


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●グレードは取れますか?

 当教室は、大手音楽教室のシステムと違いますので、それら教室独自のグレード受検のためのレッスンはしていません。コンクール同様、能力の有る生徒は、何の苦痛も無く行えるでしょうが、そうでない生徒には苦痛以外の何者でもありません。
 余談ですが、それらグレードアップテストは、レッスン料金を吊り上げる口実にもなっていることも事実です。たくさん合格させると講師の給料も上がることもよく聞きます。
そんなに進度が進んでいないのにもかかわらず、無理に受検させるため、追加レッスンをしたり、
それに伴う特別レッスン料金を請求したり、いろいろあるようです、その裏では。
(1991.6) 
 
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●まず、自分の楽譜に忠実であること

 よく、ショパンやバッハなどの大作曲家の作品の場合、自分が弾いた演奏と、CDなどのピアニストのそれといろいろ違うことに気がつくことがあるでしょう。テンポ、装飾音、フレーズ、メロディー、伴奏など。これは、使っている楽譜の出版社の違いや演奏者の個人的な解釈、あるいはその時代の流行から来るものがほとんどです。
 音楽産業界も御多分にもれず、競争が激化しているため、1枚でも多くCDが売れるようにと他のピアニストとは違った、いわゆる受けをねらった演奏もかなり出ているのも事実です。
 このようなCDを鑑賞としてではなく、練習の補助として聴くのはキケンです。
でも、ご父兄の中にも当然クラシックファンが大勢いらっしゃいますし、それぞれ好みも違うと思いますので、私どもが生意気にもこの演奏がお薦めで、これはダメなどとは言えませんし、
今後もそういう紹介はいたしません。
 私どもは、お子さんにレッスンをする場合、ポピュラーピアノを除いて、使っている楽譜にできる限り忠実に従うことを指導の第1と考えております。
つまり、「自分の目の前にある楽譜から入る」ことなのです。
(1993.2)
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●ところで、こういうことがありました。

 ギロック作曲の「叙情小曲集」を弾いてきた生徒に「ちょっと〜、そのリタルダンド、やリ過ぎだな〜。あなたの気持ちも分るけど . . 合格してからなら、どう弾いてもいいけど . . 。
今日は指示通り弾いほしいナア。」と言いながら、生徒の楽譜を見たところ、ナント、先程の問題箇所にしっかりと「rit. リタルダンド」の指示が書いてあったのです。
 いつの間にかギロックは書き換えていたのでした。ひょっとして出版社の仕業かも知れませんが、私の持っている楽譜と生徒の持っている最新の楽譜には20年の開きがあったのです。
 私はすぐに、その生徒にあやまりました。「ごめん、確かにそう書いてあるね。でもやっぱり、リタルダンドは変だと思うけど . . 先生はあなたの楽譜に従うことにします。それちょっと写させて。」で、一件落着。
 特に、現存している作曲家は、書き換えをすることがあるので、時々は楽譜屋さんに行ってチェックをしなければならないということです。
 コンピューターの世界ではバージョンアップは当たり前、それと同じに考えれば、楽譜のバージョンアップだって何の不思議もないのです。だいいち私だって自分の作品のリメイクは日常茶飯事ですからネ。
(2000.1) ♪∴∵¨..................................... もどる


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●音 ヌ ケ

 最近は住宅事情などで、あまり大きな音を出しての練習が難しくなってきています。兄弟や姉妹の数人が練習する時は、練習時間のやりくりもさぞ大変なことだろうとお察しいたします。
また、電子ピアノやキーボードなどで練習をしている生徒も以前より大分増えてきました。
 しかし、レッスン室のグランドピアノで弾く場合、弾いた感じはお家のピアノとは大分違って感じるでしょう。指の筋力がまだ付いていない小さいお子さんほどそれを強く感じるはずです。ですから、よく「音ヌケ」という、確かに鍵盤を弾いているのだけれど、かんじんの音が出てこない現象がおき易くなります。また、楽譜にPと書いてあるため、弱い音で弾いたところ、音が出ないということもおきてきます。
 特に幼児の場合は、楽譜にPと書いてあってもレッスン室で弾く時は、指を堅くして少し大きめに弾くと良いでしょう。
(1993.8)  ♪∴∵¨................................ もどる