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●コンクールに参加できますか?

 大分以前、市内の各コンクールに積極的に参加し、高成績を修めたこともありましたが、
現在はコンクールへの参加は一切していません。
 自分、わが子、門下生が勝つため、他人がミスするのを待つような意地の悪い聴き方をする、
あの会場独特の雰囲気、大嫌いです。そんな思いを生徒には経験させたくないです。
 また、コンクールに参加する生徒には、特別扱い(追加、延長レッスン)をすることになり、
月謝一律制の当教室のシステムでは不都合があります。
 そんなに実力が伴っていないのに無理に参加させると、段階を踏んだカリキュラムが
乱されたり、演奏テクニックを荒らしたりもします。
それで運よく受賞したりすると、お天狗になり、その後の努力を怠ったり、それでさらに上の級を受けたがったりと、いろいろ嫌な思いをしたことも事実です。
 私どもは、コンクール実行委員会にも一切加入しておりません。それは、どうしても運営上の
ノルマを与えられ、生徒の参加を無理強いすることになるからです。
 また、課題曲にからむ楽譜出版社の思惑がますます感じられ、
売り上げに協力するような仕組み。。。そういったことも嫌になりました。
 それよりは、生徒全員分け隔てなく自由に参加できる「きららコンサート」や
CDのごほうびプレゼント。他教室には珍しいカリキュラムのMTRなどの充実を!
というのが偽らざる心境です。
   
(1998.1・・・130115_更新) ♪∴∵¨.............. もどる


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●まちがっても、自分から言わないでね

 数年前に県民会館で行われた「合唱コンクール東北大会」でのできごと . .
 ある県の女子高校の素晴らしい演奏に対して私をはじめ、会場のみんなが割れんばかりの感動の拍手をし、次の高校へとプログラムが進行していきました。数分して、先程の高校生たちが客席に戻って来たので、私はその子らに「とっても良かったよ!」という言葉をかけてあげようと、喉まで声が出かかったのですが . . どうも彼女らの様子が変なのです。興味津々にその様子をうかがっていると、どうやら、演奏中に何かミスをして、部長らしき生徒がそのことを指揮者の先生に涙ながらに謝っているのでした。私は、それを知ってから、先程のあの大きな感動がうそのように、何か白けた気分になってしまったのでした。   
 「あれはいったい . . 何だったの?」
 私どもがいつもレッスンで言っていることですが、コンサートで演奏する時、例えミスをしても決して自分から他の人に言ってはいけません。これは何もピアノに限らず、学校の行事だって言えることです。どうぞ何食わぬ顔をしていてください。プロのピアニストだって、コンサートではミスをします。でも、もちろん彼らは自分からそのことを言ったりなど決してしません。
出てしまった音は元に戻らないのです。そして感動の拍手をしてくれたお客さんに対して、大変失礼だということを知っているからです。
(1991.3) ♪∴∵¨.............................. もどる


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●こういう聴き方はやめて (お子さんの、おうちでの練習だって、同じことが言えます。)

 10数年前、秋田市で行われるクラシックコンサートを会報で盛んに紹介し、場合によっては、
希望する生徒やご父兄と一緒に出かけることもありました。「アレ◯◯◯・ワイ◯◯ベル◯」という超有名なピアニストのリサイタルに行った時のこと。
 ショパンの名曲を数多くそれはそれは美しく演奏してくれました。私は有料だろうと無料だろうと余程の事が無い限り、「つまらなかった . . 来てソンした . . 」のようなことは思いません。
ですから、オーケストラがプファ〜と音を外そうが、出遅れようが
「ハハ〜やってる、やってる、ドンマイ!」のような気持ちになるのです。
 それで、話を戻しますが、そのコンサートが終了しての帰り道、そのご父兄(お母さん)が
「開口一番」ナンと私に言ったかといいますと、
「先生、分りました? 間違って弾いたのを . . 」「◯▲×!」
 そりゃ〜ないでしょ〜。・・・・こういう聴き方をする人がいるから、
やりずらいんだよなあ〜、クラシックは。
 プロだろうと子供だろうと間違わないようになるために、いっぱい練習してステージに立つわけですが、体の調子が悪い時だってあるだろうし、下痢気味の時だって . . 。
 私どもだって、時々はステージに立ちますが、そういう「ミスを探してやろう」のような意地悪い聴き方をされたんじゃたまらないですね。真意のほどは分りませんが、恐らくそのご父兄、私が「分りましたか . . ?さすがですね。たくさん聴いてらっしゃるから . . 」のような答えを期待したのかも知れません。でも私は口重く「え〜 . . まあ . . でも美しかったですね、あの音」と、もうそれ以上あまり話したくなく、すぐお別れしました。そのまま一緒に近くのミスドに行ったとしたら、きっとその続きを聞くことになったでしょう。
 私はあのピアニスト、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番と第3番の生演奏を東京で聴いたことがあり、その風ぼう、かっこ良さと音にマイッていたので、なおさらミスしたとか何とか、そういうことを耳にすると本当に悲しくなってしまったのです。その夜、私は決心しました。
「もうこういう企画ヤ〜メタ」と。
(2000.2)   ♪∴∵¨..................................... もどる


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●生徒の楽譜は メモ帳じゃナイ!ってば

 時々、他教室より転入された生徒が使っていた楽譜を見ると、いろいろなことが書いてあることがあります。
「ここは、f(フォルテ)で..」とか「左手をたくさん練習する..」ぐらいは仕方ないかも知れませんが、(そういう場合でも、後で消せるように鉛筆で薄く書くべきです。)
「クリスマス会に持ってくるもの=プレゼント、しきもの...」「来週のレッスンは◯月◯日に変更します。」「お月謝を忘れない。」「お母さんへ:お中元をどうもありがとうございました。」
なんて・・しかも、赤鉛筆で書いてあることもあります。
 何度注意してもなかなか上達しなかったとみえて、次第に字が大きく、筆圧がすごくなり、
裏のページにまで跡が残っていることもあります。(先生の性格が見えるような気がします。)
 お姉さん、お兄さんのお譲りの楽譜を使用する時などは、それらの書き込みが邪魔になり、
消しゴムで消すのが一苦労。
 
これは、昔の自分に対しての反省を込めてのことでもありますが・・
 私どもも、音楽大学出身のハシクレですが、音大で難しい音楽理論を学んだことを・・
「誰かに話したい、伝えたい、自慢したい。」という心理がどうしてもはたらきやすく、その対象として、生徒の楽譜に向けられます。権威のある出版社の楽譜に・・
「このフレーズは変だから、こう直します。」「この作曲家の時代背景はこうだから、それを意識して・・」というように、生徒の目の前で何やかや書き込むのです。
「先生ってスゴイんだ。」と、私も学生時代よく思ったものでした。
そういう楽譜を今広げてみると、懐かしさよりも腹立たしさを覚えることがあります。
「宝物の楽譜に、こんなことを書かなくたって・・」
 
これをお読みになられている音大教授、レスナーの皆さん!
 生徒がお金を出して買った楽譜です。メモ帳代わりに使ったり、自分の博学なことをひけらかすようなことは書かないでください。どうしてもという時は、別紙に書いてください。
 
先生に何か書かれると、レッスンしてもらったような気持になるアナタ!
 今日から、そういう考えは改めましょう。先生の話をよく聞いて、書かれなくてもいいように、その場で理解できるように努力しましょう。
「きれいな楽譜をいつまでも大切に。」
(追伸:自分の楽譜に自分で書き込むことには、私はいっさい関知しませんケド (^_^;)2000.7)

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