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(1) 「各種 MIDI 音源の消費電力」

<はじめに>

 MIDI 音源だって電化製品。使っていて,ときには電気代が気になるものです。しかし,他の電化製品(テレビなど)にはきちんと記載されているのに,MIDI 音源の説明書には消費電力はきちんと書かれていません。
 そこでここでは,SC-88STPro(Roland),MU90B(YAMAHA),GZ-50M(CASIO),SG01k(AKAI) の 4 種類の音源の消費電力を調べてみました。

<測定>

 自作の簡易電力測定用回路を用いて,MIDI 音源本体につながっている AC アダプターにかかっている電圧(交流)とそのとき AC アダプターに流れ込んでいる電流(交流)を測定し,消費電力を算出しました。
(詳細はこちら)

<結果>

 次のとおりです。ただし,「演奏中」 の値は,ボリュームの出力を変えてもほとんど変化しませんでした。

表の見方はこちら

・ SC-88STPro (Roland)

ACアダプター:ACI - 100C
電源 OFF
1.6 W
INPUT
AC 100 V
電源 ON のみ(安定時)
6.1 W
50-60 Hz / 17 VA
演奏中
6.5 - 8.0 W
OUTPUT
DC 9 V - 1000 mA
演奏停止後
6.3 W



・ MU90B (YAMAHA)

ACアダプター:PA - 3B
電源 OFF
1.7 W
INPUT
AC 100 V
電源 ON のみ(安定時)
7.1 W
50-60 Hz / 16 VA
演奏中
7.6 - 7.9 W
OUTPUT
DC 12 V - 700 mA
演奏停止後
7.5 W



・ GZ-50M (CASIO)

ACアダプター:AD - 5JL
電源 OFF
1.3 W
INPUT
AC 100 V
電源 ON のみ(安定時)
4.4 W
50-60 Hz / 16 VA
演奏中
4.5 - 4.8 W
OUTPUT
DC 9 V - 850 mA
演奏停止後
4.4 W



・ SG01k (AKAI)

ACアダプター:L1038J
電源 OFF
1.8 W
INPUT
AC 100 V
電源 ON のみ(安定時)
8.1 W
50-60 Hz / 17 VA
演奏中
9.1 - 9.4 W
OUTPUT
DC 10 V - 800 mA
演奏停止後
8.8 W



 <表の見方>
表の左半分は AC アダプターの型名と,AC アダプターに記載されている内容。

・ 電源 OFF : 音源本体の電源は OFF だが,AC アダプターは電源コンセントにつながっている。 

・ 電源 ON のみ(安定時) : 音源本体の電源を OFF から ONにしてしばらくおいて安定させた状態。

・ 演奏中 : パソコンからの指令により演奏状態にする。

・ 演奏停止後 : 上記の演奏を停止させる。

表の一番右は,その欄の左のときの消費電力。
(結果の先頭へ)

<補足>

 ここで仮に,AC アダプターを電源コンセントにつなげているだけで 1.6 W 消費し,電気代が 1 kWh あたり 22 円だとすると,
  1 ヵ月あたり
0.0016kW × 24h × 31days ≒ 1.2 kWh/月
1.2 kWh/月 × 22 円/kWh ≒ 26 円/月
  1 年あたり
0.0016kW × 24h × 365days ≒ 14 kWh/年
14 kWh/年 × 22 円/kWh ≒ 308 円/年

つまり,AC アダプターをコンセントに付けっ放しにするとこれだけ無駄になるのです。

<GZ-50M についての追加>

 ここで GZ-50M(CASIO) について付け加えます。
 この音源は普通に使っていると,段々底面が熱くなってきて「おいおい,大丈夫かい」という感じになってきます。そこで私は,音源本体を「横置き」にし,音源と AC アダプターの間に充電式の電池を入れて,電池を充電しながら使っています。そうすることによって,底面の発熱と消費電力の両方を抑えることができました。その詳細を下の表にしました。(ただし電池4本のときは,「満充電」に近づくにつれて下表より電流値が小さくなって,GZ-50M 本体の電源が「切れて」しまう。)

ニッケルカドミウム電池(本数
0
1
2
3
4
音源本体に流れ込む電流
(充電時の電流,mA)
230
220
210
205
180
消費電力(W
4.4
4.3
4.2
4.0
3.6

(電流値は,接触・充電の状況等により 10%以上変わることもある)
(電流値は「測定の詳細」と同様に算出。ただし,R=0.23Ω)

 充電の時間は,例えば容量が 1000 mAh の「空の」電池であれば,電流 100 mA でニッケルカドミウム電池は 15 時間,ニッケル水素電池で 11 時間が目安でしょう。
 また充電式電池がニッケル水素電池でも上の表とだいたい同じ結果が期待できます。こうして充電した電池は,ポータブル CD プレーヤー,携帯ラジオなどに使っています。

 なおこの充電する方法は,GZ-50M でうまくいっているだけであって他の音源での安易な採用は絶対にやめて下さい。音源によっては,アダプターと音源本体との間に充電式電池を入れて充電すると,音源本体に流れ込む電流が大きくなるなどして危険です。なおこの方法はメーカーの保証外ですので,もし試される方は,御自分の責任のもとで行って下さい。(特に,+−の極性や充電のしすぎに注意。)

[修正・追加の履歴]

2001.05.28
<GZ-50M についての追加>(ただし電池4本のときは,……)を追加



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