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fiddleをひこう

 

フィドルってなんじゃい?

 よくある質問なんですが基本的にフィドルといえばヴァイオリンのことです。楽器そのものに違いはなく、かのストラディヴァリもフィドルといってしまって良いんです。ヴァイオリンとフィドルの違いは楽器そのものではなくそれに対する人の感じ方で決まるといえます。

 どういうことかといいますとヴァイオリンというと少々お堅いイメージがありますよね。そんなことは無いというひともいるかもしれませんがどちらかというとそう感じるひとは多いと思います。で、フィドルといってみるとかなりお手軽な感じがするでしょう。フィドルというとジャズやロック、あるいはトラッドなんかで使われてきた言葉なんでギターやドラムといった楽器と同じように感じられ、ヴァイオリンとくるとどうもヒステリックな先生や芸術家の大先生を思い浮かべてしまい敷き居が高く感じるという人はまわりには結構います。そんなことはないですよとは言えない部分が実際にあるんでしょうがないとは思いますが、つまりはフィドルとはヴァイオリンという楽器をどんな人が何をどうひくかで名称をかえたものと思っていいんじゃないでしょうか。

補足

 フィドルのように弓で弦をこすってならすタイプのものを総称してフィドルとかフィドルタイプということがあるそうです。例えば「中国のフィドルタイプの楽器胡弓」という感じで。

 

お堅い世界では

 クラシックの場合、いずれ手に入れるテクニックのためにある程度もち方や姿勢など決めていかないといけない事がたくさんあります(これを保守的とみる人もいますし、そのあたりがとっつきにくい理由だと言う人もいます)。また、基本的に題材は楽譜で供給されるため耳コピという概念がかなりうすく、楽譜は読める必要があります。それから楽譜がらみでもうひとつ。とりあえず楽譜のとおりひく。リズムや音程などちゃんと書いてありますからね。

 

フィドル

 ここではアイリッシュを題材にしましょう。まず、曲なんかの題材は楽譜で供給されるわけではなく、おそらく演奏やレコードなんかで覚えるんじゃないかと思います。楽譜読めない人なんかたくさんいるでしょう。楽譜もだいたいのメロディーが書いてあるだけなんでそのとうりひくだけなんてとんでもない話。装飾をいれたりアドリブ入れたりと自由度が高くそのへんはクラシックより難しいかもしれませんね。また、あんまり基本姿勢など決まっていないようで、いろんなテクニックはあるんですがあまりクラシックほどもち方などにこだわらなくても問題は無いようです。

 


入門コーナー

 さて、前置きはここまでにして実際ひいてみようという人に書いていきたいと思います。ただし、本当にさわりだけしか書かないのと私はクラシックをベースにしているので、アイリッシュに固執する部分は極めて少ないと思って下さい(クラシックに固執もしませんが)。ただ、クラシックの基礎はかなりマルチに対応できるので便利でっせ。

 

3.持ち方

楽器

 持ち方

 左手を効率よく使うことを考えてみると楽器は手でささえない方がいいでしょう。アイリッシュやブルーグラスなどはほとんどポジションの移動を行わないため楽器を肩にのせ、ネックを手でささえる持ち方が多いようですが他のことをやってみたくなったときに持ち方から直すのはものすごく大変なので手でささえるのはお勧めしません。ただ、パブなんかのせまい空間でひく場合は楽器を正面で持ち、肘を腹部に突っかい棒のようにあてて手でささえると省スペースになります。ただし正面で持つ場合手の小さい人は小指が届きにくくなります。私の場合は指が短いのでこの持ち方ではひけません。
 手でささえないとすればどうすればいいか。楽器の裏側に肩当てを付け、それをテコの支点と考えて下さい。まず肩当てを左鎖骨の外あたりにあたるようにします。当然ヘッド側が重いので重い方が落ちようとします。そこであご当てに顔をのせてバランスをとるわけですが、あごを引きながらあご当てに引っ掛ける感じで持つと楽にもてます。肩とあごではさむとすごくしんどくなるので注意。
 方向はあまり横にふりすぎると左手は楽になりますが右が遠くなってしまうので正面と横のちょうど間ぐらいでしょうか。顔はできれば楽器の方を向いた方が左耳の為にはいいでしょう。クラシックっぽくみえるので気取ってみえちゃいますが左耳があまりにも楽器に近いと耳を痛めることになります。

 

 左手のあてかた

 手の小さい日本人はある程度注意しておいたほうがいいことです。楽器をてでささえる人に多いのが手のひらをネックにベッチャリつけてしまうことです。私のような手の小さい人はこうすると各指のはばをひろげるのがすごく大変になり、小指なんかは使い物にならなくなります。できればネックにはてのひらをつけない方がいいでしょう。
 まず手をあてるまえにてのひらを顔の方にむけ、軽く手をひらいてください。そのとき手首が曲がらないように注意し、手には力が入らないようにしましょう。そしてそのままネックにあててください。手の小さな人は親指が飛び出さないようにし、ネックには親指の腹(人さし指側)、人さし指の第3関節の上だけがあたるようにするのがいいでしょう。手の大きい人は逆に指の長さが余るかもしれないのでネックのあたる位置をもっとふかく持っても大丈夫。

 

 なーにが難しいって右手が大変、まずは各指の位置づけ。まずは持つにあたって全体をテコのように考えて下さい。大雑把にいえば親指を支点として人さし指で押さえ、小指で圧力をゆるめます。アイリッシュの場合基本的には人さし指、中指、親指の三本で持つと考えれば都合がいいしょう。小指の補助に薬指を使えばバランスはよくなると思います。まず手を脱力して親指を軽く曲げて中指の側面、第2関節の上あたりにあてて下さい。そのまま形をくずさないように弓を持ってみましょう。次に薬指をその横に置き、手の甲をを顔の方に向けるようにしながら人さし指のやや側面第2関節すぐ上を弓にあてます。後は小指を曲げて指先をあてます。
  持つ場所については厳密に考えるべきかどうかわかりません、というのも私の場合アイリッシュをやる時は持つ場所を普段とかえています。アイリッシュをやるとき親指お形をかなりかえて持ち、いつもの場所だと弓を痛める持ち方になってしまうというだけの理由で、ひきやすさなどはまったく考慮していません。自分にとっていつもの場所を持つ方がひきやすいのは当然の話です。アイリッシュのフィドラーを見るとみんなそれぞれいろんな場所を持っているんで適当でいいんでしょうね。

 

ということでまた次回


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