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リミ | 暴力に限界はないのでしょうか? 戦いは何も生みはしません。 それは、ただ哀しみを広げるだけ…… |
チェリィ | 人間特有の感傷とでもいうのでしょうか? ワタクシには理解できません。 |
リミ | そうでしょうか? わたしにはチェリィさん、 あなたの心が泣いているように見えます。 |
チェリィ | 残念ながら、それは誤認です。 人造軍人に心というものは存在しません。 ワタクシたち人造軍人は戦争をする 人形でしかないのですから。 |
リミ | チェリィさんは人形なんかじゃありません。 それは あなたが一番よく判っているじゃありませんか。 私には隠さなくても良いんです。 私と同じ運命を背負って生きてきた事を…… |
チェリィ | リミさん…… あなたは……もしかして…… |
チェリィ | リミさん、あなたは……聖域の民…… |
リミ | ……ええ、そうです。 私とロミは聖域の民、そして最後の生き残り。 アークの巫女として生まれ、聖典を伝承する者。 |
チェリィ | だから、ワタクシの事もすべてご存知だったのですね。 |
リミ | あなたは五千年前、聖域と共に封印された、 永久寿命のオリジナル素体。 聖域と共に目覚め、 そしてアークの巫女と共に 絶望に終止符を打つ者……ですね。 |
チェリィ | 聖域の民…… 絶望のアーク…… そして、リフレクトフォース…… 部隊登録を変えてまで出撃したのは、 やはり……アークの巫女としての役目を…… |
リミ | もう、運命は動き出してしまったのです。 終結の焦点にむかって。 |
チェリィ | ワタクシやリミさん、 ラルゴ曹長、ロミ軍曹、そしてカート伍長…… 時代の矛盾が許されざる者達を 禁断の塔へ呼ぶのでしょうか? |
チェリィ | 叛乱軍暫定本部を壊滅。 残存勢力は武装解除を開始しました。 事後処理はクライアントに譲渡。 これをもって任務完了、本部へ帰還します。 |
ラルゴ | チェリィ准尉…… まだですよ……まだ何も終わってやしないでしょ。 |
カート | そう、この作戦は最初からおかしかった。 セルベニアの宗主国は叛乱を静観、 国連軍は撤退、傭兵部隊が叛乱の鎮圧に当たる。 合点がいかない事ばかりだ。 フェイクなんだろ!? この叛乱事件も!! 俺達の出撃も!! その全てが!! |
ラルゴ | 叛乱騒ぎに乗じて国連監視団を排除し、 最後の秘宝を手に入れる。 世界がひっくり返るほどの秘宝、アークをな。 |
カート | そして、俺達が派兵された本当の目的は…… |
チェリィ | ワタクシたちの本当の目的は…… 最終封印の奥に眠る……アークの強奪。 |
リミ | アークは秘宝などではありません。 あれは絶望、人類の希望を断ち切る絶望。 |
チェリィ | そうです、アークの封印を解いてはいけません。 ワタクシは聖域を封印しなければなりません。 人類の手に二度と触れられぬように。 ワタクシはその為だけに存在するのですから…… |
チェリィ | 封印がここまで開いているなんて…… もうワタクシに、この封印を戻すことは出来ない。 |
リミ | こうなってしまっては、アークを破壊する以外に 復活を止める手立てはありません。 |
カート | ああ、やってやるさ。 時代を超えた技術は不幸しか生まなかった、 俺達には まだ早すぎたのさ。 |
チェリィ | この先に待っているのは 絶望だけだと……わかっていても、 それでもあなた達は行くのですか? |
カート | 仲間が死ななければならなかった理由、 そいつを断ち切るためにオレは生きてきた。 もうオレに逃げる理由は無いぜ。 |
チェリィ | 人間とは はかなく、愚かな生物ですね…… でも、ワタクシは皆さんと同じ 「ギガウイングス」である事を誇りに思います。 もしも、ワタクシに心があるのなら、 刻ませてください、この戦いを…… |
リミ | これから先、たとえ何が起きたとしても 必ずアークを破壊してください。 そして、私に教えてください。 希望は負けないってことを! 絶望になんか絶対に負けないってことを! |
チェリィ | 行きましょう、 いつか、この戦いを皆で語り合える日が 来ることを祈ります。 |