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リミ | ラルゴさんって この国の生まれなんですよね? |
ラルゴ | ああ、山奥の小さな何もない村だったな。 だが、美しい村だった。 |
リミ | そうですか、この国もラルゴさんが子供の頃は 美しかったのですね。 私が知っているのは戦乱で荒れ果てた風景だけ。 |
ラルゴ | 変わらぬよ。ジブンの子供の頃の記憶も同じさ、 銃声と叫び声、そして後に残された者の鳴き声。 それでもジブンにとってはたった一つの故郷。 故郷とはその存在だけで美しいと思えるものさ。 |
リミ | たった一つの故郷…… 私は、これからその故郷を自らの手で…… |
ラルゴ | 給食係のお嬢がなぜ戦場に立つ? |
リミ | 私がここにいる理由……それは宿命。 いえ、私の一族の宿業でしょうか? ラルゴさんはなぜ、戦場に立ち続けるのですか? |
ラルゴ | かつては、祖国のために闘った。 ジブンには戦う理由があったのだ。 母や、弟、妹達に銃声の無い夜を与えてやりたかった。 だが、たった一発の爆弾で、 村が、家族が消し飛んだ時、 戦う理由をなくしたのだ。 |
リミ | 戦う理由が無いのになぜ、 まだ戦場に残るのですか? 戦場からリタイアしても 誰もあなたをとがめはしないでしょう? |
ラルゴ | ジブンは戦場で男としても誇りを殺した。 だから死に場所を探しているのだ。 戦場で魂と共に死ぬために。 |
リミ | ラルゴさん、それは違います。 人の戦う理由は生きるため。 死ぬために戦うなんてダメです! |
ラルゴ | 叛乱制圧完了。状況は終了した。 |
ロミ | おっさん、どしたの? ムヅかしい顔が もっとムヅかしくなってるよ。 |
ラルゴ | まだ、なにひとつ終わってはおらん…… ということだ、ロミ軍曹。 |
カート | 曹長殿、このクーデター騒ぎ どうもおかしいぜ。 コイツはセルベニア共和国みずからの…… フェイク、なんだろ? |
ラルゴ | おそらく奴らの狙いは聖域…… それも国際連盟により永久凍結された 絶対封印の奥。 古代聖域、絶対封印に眠る最後の秘宝…… それこそこの国に混乱を与えつづける元凶だとも解らずに…… おろかな欲望に流されるか…… |
リミ | 古代聖典は時を越え語ります。 希望と欲望の最後に眠るは絶望だけ。 あれは目覚めさせてはいけないのです。 |
ラルゴ | 絶対封印が開いている…… |
リミ | 聖域内部での戦いで負の気が活性化しています。 アークの復活までもう間がありません。 |
ラルゴ | この日を待っていた。 セルベニアの民を苦しめつづけるこの聖域。 今日こそ灰燼に帰してみせよう! |
リミ | 絶望が復活した先に待っているのは滅びだけ…… これから先、たとえ何が起きたとしても 必ずアークを破壊してください。 そして、私に教えてください。 希望は負けないってことを! 絶望になんか絶対に負けないってことを! |
ラルゴ | 生き恥をさらし続けたジブンが、 やっと探しあてた死に場所だ。 最後の花火、ド派手にやろうや。 |
カート | それは違うぜ、曹長殿。 オレ達は生きて帰る。 必ず全員で生きて帰るんだ…… そしたらリミ、 うまいボルシチを頼むぜ。 |
リミ | ……… ……… ……… |